手紙と金塊
枯樹生華12
「…あれ、手紙だ」
【東風】のポストを開いた
差出人には‘
あの夜、
‘俺は、ずっと
やっぱり嫌われたかな…と
困ったことがあれば連絡してくれと伝えておいた【東風】の住所が役に立った。
手紙が来たということは元気にしているということ───だが、なにか困った事があったって可能性もあるな。困ったら連絡してくれって言ったんだし。
安心したりソワソワしたりしながら
「え、
「さぁ…全然わかんない…」
2人で便箋に視線を落とすと、そこには愛らしくて丸っこい文字で
祖母と仲良く暮らしていることや、新しい土地での生活にも慣れてきたこと。【東風】のみんなと遊びたいことと、貰ったぬいぐるみから金塊が出てきたこと。
「え!?金塊出てきたの!?」
「さぁ…全然わかんない…」
驚愕の表情を見せる
とはいえ
当面の生活費に困らないようにと餞別代わりに2人で出したのだろう。はじめに言っておいてくれたら良かったのにと
きっと
‘
手紙はそう締め括られていた。
なにか
あの
今度届けに行こう、お菓子も沢山持って。
「おはよぉっ!…ん?何読んでるの?」
明るい挨拶と共に【東風】の扉を開けた
「
「え、ホンマ?なんて書いてあったん?」
「おばあちゃんと仲良くやってるって」
「へぇ、良かったやん」
「あと金塊出てきたって」
「金塊?なにそれ?」
「俺だって金塊欲しいよ!!」
「
ワチャワチャとやっていると
「
「は?何いきなり」
事態が飲み込めない
「じゃあ俺にも金塊わけてよ」
「何で
欲しい欲しいと駄々をこねる
金塊ではないが予期せぬ提案に
「
「そんなことないもん、俺だって
「とにかくさぁ、会いに行こうよ」
「うん。
「
「俺がしてもいいよ」
「いや、
「俺
「え、
「なんでよ!!ミニバン借りてよ!!」
ああでもない、こうでもない、と騒がしい【東風】店内。
結局6人で
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