「大嫌い」と「ごめんね」・後
枯樹生華11
何が起こったのかわからない
「もう1回言うけど…俺達は協力出来ないよ。このまま帰ってほしいんだけど。
言いながら、正直
だけど、
理屈ではなく気持ちがどう捉えるか。なるべく彼女の心が傷付かないようにしたい。
「
「
消え入りそうだが、その
そして
「……
静寂の中、名前を呼ぶ
「…ごめんね」
それ以外の言葉が思い付かず、口にしてから
「
肯定することも否定することも出来ずに押し黙る
「ねぇ
いくらか明るい声音を心掛ける。その
後ろに広がる凄惨な光景が
港に面したひらけた場所へ着くと、
当初は帰りの足にするだけのつもりだったのだが、
出発前、
「これ俺と
見掛けより随分とあるそのぬいぐるみの重さを
現場の後処理をするという
「
「いらない、なんにもいらない。
「…そっか」
強い調子での物言いに
すっかり夜の帳がおりた香港、車は喧騒に包まれる街を抜け田舎道へと進む。
ぬいぐるみを抱きかかえた
「寝てていいよ。まだかかるし、おばあちゃんの所に着いたら起こすから」
「…うん」
「寝たん?」
トーンを落とした
「疲れたみたい。ごめんね
「ええよ、予定あるわけちゃうかったし。それよか誰にも大事なくて良かったわ」
「んー…かなぁ…」
誰にも、というのは、こちら側から見ての話だ。
あの時、一瞬にして全員を
和平的には収まらないと予想していたので、
そして
祖母へのコンタクトは早い段階で
あとは
最善とは言えない結果だな。程遠いというわけでもないけれど……
香港の空はどこまでも高く、晴夜にうつろいはじめた星々の光が、せめてものはなむけとして行く道を照らしてくれているかのように輝いていた。
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