願い事と指切り
枯樹生華 3
…………え?
言葉ははっきり聞こえたが、すぐには意味を噛み砕けない。仲良くなった人はみんな死んじゃう?どういうことだ?
頭にクエスチョンマークを浮かべる
どうやら今まで仲良くなってきた友達が何人も何人も死んでしまったとのこと。
話を聞くと誰もかれもかなり年上で、友達というには年齢が離れていたみたいだが。
知り合って一緒に過ごすようになり、しばらく経つとその友達は事故や犯罪に巻き込まれて命を落とす。理由はなんであれ、とにかくいきなり死んでしまうのだ。
「でもそうすると伯父さんがね、悪いことのあとには良い事があるんだよって…。色んな所に連れてってくれたり、おいしいご飯食べさせてくれたり、いっぱいオモチャとか買ってくれたりするの。だけどね、
感情の昂りからか、
「
また居なくなってしまうんじゃないか?死んでしまうんじゃないか?もしかしたら、その原因は────自分なんじゃないか?
だったら仲良くなんてならないほうがいい。深入りする前に離れれば、何も起こらないで済むのでは。
ベンチから腰を上げ
「
名前を呼び、右手の小指を差し出す。
「俺は死なないよ。約束」
言って、真っ直ぐ
日が落ちるまでたわいもない話をし、帰り際、
「明日また、ここで待ってるから」
「…うん。ありがとう、
もう1度指切りを交わして、
何度も振り返る
夜に包まれてゆく街を歩きながら、
‘
どういう意味なんだろう。いや、そのままの意味なんだろうが…どうしてそうなるのか。
何人も悲惨な最期を遂げているのならば、偶然で片付けられるほど簡単ではないような。
なにか裏がある。そう思わざるを得ない。
ましてやここは九龍、うしろ暗い話を聞いて‘なにかある’と感じたらほぼ確実に‘そう’なのだ。この前起こった【天堂會】絡みの事件も似たようなもの。
清廉潔白とは真反対の‘魔窟’。そして、それは香港とて、裏側は同じことだった。
今日は【東風】に
帰ったらみんなに話してみよう。そう決めて、
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