青松落色
暗雲と督促状
青松落色1
ここのところ、スラム街では子供が消えている。
日々様々な犯罪が行われている九龍では老若男女を問わず頻繁に行方不明者が出るが、最近それが10歳以下の子供に集中しているのだ。
人身売買には子供はうってつけだ。さらうのが簡単だし、弱いので反抗や脱走される恐れもないうえ、小さいから場所もとらず、需要も全く衰えない。
だからといって片っ端から捕まえ
残念ながら子供を守る為などという
「厄介な事になんなきゃいいけどな」
煙草のフィルターを噛みながら呟く
中から紙が出てきた。大吉。
「
「俺?なんで?」
「いや小柄だし」
「10歳以下には見えないでしょ。あるとしたら
それでもさすがに一桁の年齢には見えない筈だが…さりとて、間違いが無いとは言い切れない。
「
胃が痛そうだった。
温かい白茶を
膨大な数の漢方が並ぶ薬品棚から胃腸に効くものを出しつつ
「あんまり心配し過ぎんなよ。そこまでガキには見えねぇって、
「そりゃまぁわかってんやけどな…もう性分やねんこれは」
ん?
結局みんな過保護なのである。
「それに
「そやけど、ようない話も聞くねん」
いわく、やはりこの荒っぽいやり口を
なんだかんだいって
「やってる人達が誰かはわからないの?」
確かにこの手のトラブルを引き起こすのは、一気に名を上げたい新興勢力の場合が多い。
九龍で長年やってる人間なら下手に
ピコン。
携帯が光って
〈
「ねぇ、
「居ないって言って」
わざわざ
「お願い、これ
もうすぐ夕飯時だ。たまには
そう思い、夜の
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