第19話 赤い色の凶星 火星
火星は地球から肉眼で観察すると、赤い色をしています。故に赤い色をしたものに関連するものが、火星が示す領域となります。
昔の人達は赤い色をした火星を、どこか不穏なものを連想させるものとし、火星に凶の意味合いを多く振りました。赤い色というのは火や血、熱を帯びたものなどを連想させます。それ単体ではそうでもないのですが、どうしても争いや戦争を思い出させてしまうのです。
火星は古来より戦いや軍人の星とされてきました。古代ギリシャでは戦いの神アレス、古代ローマではマルスとされています。どちらも戦いを司る神です。
惑星を色で判断して、それが示すものを導き出すとき、火星はどこか納得できるものがあります。
太陽も火星と同じ、ホットでドライな気質を持つ惑星です。7つの惑星のうち、唯一の恒星であり常に熱を放つ惑星ですが、太陽の熱はじわじわと温めるものであり、火星とは少し性質が違うようです。火星のそれは瞬発力のあるもので、まさに火そのものを示します。
火に関連するものやそれを使った仕事をしている人は火星が示します。コック(料理人)、調理に携わる人、パン屋などが含まれます。彼らが使うキッチンで使うものも火星に含まれます。キッチンで使う陶器を作る職人も火星に含まれます。火を起こすための炭を焼く炭焼き人もそうです。現代だったら瓦斯屋もそうでしょうか。
とにかく火を使う人、というのは全て火星の中に含まれます。火を消すことを生業とする消防士、そして火をつけることを快楽とする放火魔も火星に含まれます。
火を使って作り出される鉄や鉄製品は火星で示されます。ステンレスもそうです。鉄製品である武器や、鋭利で尖ったもの、切るもの、それらを研磨するものもです。身近なものでは包丁、ハサミ、カッター、ナイフ、刀、キリも火星でしょう。
そのナイフやハサミを使う人も示されます。兵士、軍隊、肉屋、洋服屋、外科医、理美容師もそうですね。
物理的にも精神的にも、切ったり切除することは火星です。縁を切ることもここに含まれますので、離婚や失恋なども含まれます。セラピストも火星に含まれますが、これは悪い感情を切るところからそうなっているようです。
切ったり切除することを良い方に使ってくれたら良いのですが、残念ながらそうではない方々も含まれます。略奪者は武器を持ち、弾薬を使い人々から奪います。奪われると、人はどのような気持ちになるでしょうか?まず激怒するでしょう。その後はとても悲惨です。人は奪われると貧困に陥り、その気持ちは悪意に満ちてしまいます。とても不毛なものですが、これらは火星の示す領域となります。なんとなく火星が凶星と呼ばれることに納得できるのではないでしょうか?
土星の示すマレフィックさは、暗くて近寄りがたく憂鬱なもので、どこか正体が掴めないようなものでしたが、火星の示すのマレフィックは熱を持ち、血なまぐさく、戦いに関するものという非常に分かり易い示されかたをします。木星の示す血液は、身体の中を温かく流れるものですが、身体の外に流れ出た血液は火星で示されます。どこか冷たい血液です。
血液を連想させる赤い色をした宝石も火星です。赤い色をしたルビー、赤玉(ジャスパー)、珊瑚(コーラル)も火星です。
色で言うなら赤い色をした赤ワインも火星で示されます。赤ワインのように口に入れるものとして、刺激のある味が火星の示すものになります。コショウ、ワサビ、ニンニクなど、大根おろしも辛いものはとことん辛いですから火星です。
今も流行している疫病も火星です。早く治まってくれればいいのですが、これも中々しぶといものですね。
疫病が落ち着いて出来るようになった旅も火星で示されます。昔は旅に出かけるとなると、命を懸けたものになりました。今のように自動車でどこへでも向かえませんので、徒歩や馬で(時には馬車や籠で)移動しました。道中は様々な危険が伴い、生きて帰れる保証もありませんでした。そのため凶の意味を持つ火星が受け持つことになったのでしょう。
やっと自由に旅ができるようになってきました。ちょうど旅のシーズンを迎えています。命の危険を感じるような旅では困りますが、時には日常を抜け出してみるのも良い気分転換になるでしょう。心にふっと火が灯るような経験ができるかもしれませんよ。
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