第5話 惑星の性別
前置きとして、前回と同じことを申し上げます。これは私がブログをしていた時に世に出したものです。
七年前の記事をもう一度リメイクして、こちらに掲載させていただいております。
どこかで同じようなことを書いている人が、細胞のどこかにおりましたら、それは私です。
昔の人が夜空を見上げて何を思っていたのか。
現代の私たちには思ってもみないことを考えていたのは確かなようです。
今の私たちに、空にきらめく小さな星に、まるで生き物のように性別があるなんて考えられるでしょうか。それを考えてきたのが占星術を真剣に学び、後世に伝えて、大真面目に星々を日々観察してきた人々だというのだから面白い話です。
一体、どういう考え方で惑星に性別がつけられたのでしょうか?
私の師は、占星術は一人の天才によって突然ひらめいたものを体現化したものだと思っていたが、そうではなく、人々が守り伝えてきたおかげで、今日の法則までたどり着いたのだとおっしゃいました。
では、惑星に最初に性別をつけようなんて思った人はいたのでしょうか?
ある日突然啓示を受けた人か、はたまたふと浮かんだひらめきからなのか、人々の手によって伝えられるうちに、どうやらそのようなことがあるのではないかという考えにいたったのか、全くもって謎です。
もちろん古代の神々を惑星の性質として当てはめ、その神々が持つ性別がルーツであることも考えられます。でも、古代の人は、どのようにして、地上の神々を惑星に当てはめたのでしょうか。本当にどうしようもなく謎だらけです。
考えても答えは見つかりそうにありませんが、とりあえず、惑星にはそれぞれ性別があります。
男性格、女性格と呼ばれています。
普段の使用するホラリーなどのチャートでは滅多に使われることはありません。質問によってはとても重要になることがあります。
男性格 太陽、木星、土星、火星
女性格 金星、月
どちらも 水星
上記が古典西洋占星術の世界で使われている振り分けです。
水星はどちらにもなるの?と思われるかもしれません。水星だけはちょっと特殊です。
水星は太陽との位置関係で、男性にも女性にもなります。どちらの気質を持つのかは、太陽次第ということです。
水星は太陽の右側、太陽よりも先に地平線を登り、太陽よりも先に地平線に沈むのならば男性格になります。反対に、太陽の左側、太陽よりも後に地平線を登り、太陽よりも後に地平線に沈むのならば女性格となります。
これはオリエンタル、オキシデンタルとも呼ばれます。水星が男性格になる条件はオリエンタル、水星が女性格になる条件がオキシデンタルです。太陽から見ての位置なので、太陽のオリエンタル側、または太陽のオキシデンタル側ともいわれています。
これは水星の男女の振り分けだけでなく、他の重要な区分けにも使います。他の惑星にもオリエンタル、オキシデンタルは使いますので、覚えておいて損はないと思います。
話を元に戻します。
この概念はどのようなときに使用するのでしょうか。
ホラリーの質問で、産まれてくる子供の性別は?とたずねられた時に使用します。昔の人はこれを頼りにしたかもしれません。現代に生きる我々にはナンセンスな質問です。今は検診のエコー写真で簡単にわかってしまいます。
時々恋愛の質問で重要になります。太陽が男性を、金星が女性を表すことがあります。まだ見ぬパートナーを示す惑星になることもあるということです。不倫の質問でも時々第三者の人物として、惑星の性別が重要になってくることもあります。
この惑星の男性格、女性格という概念は時々勘違いを生み出します。
男性から恋人ができるのはいつかと質問があったとします。惑星の中で観察するのは女性格の金星や月ではなく、自分以外の相手で7ハウスとその表示星です。特定の相手がいなければ、金星を表示星として使用できますが、女性格の惑星だから相手の女性を示すということではありません。反対に質問者が女性でも同じことが言えます。
このように、惑星の性別というのは、質問によって時々重要な判断基準となることがあります。
古代の人々がどのようにして、性の位置づけをしたのかは分かりませんが、今日まで残る法則の一つと言えます。また西洋占星術の中には、火星や木星を女性に当てはめたりする方法もあるそうです。あくまでここで述べた方法は、古代の西洋占星術をもとにしています。西洋占星術の世界には様々な概念がありますが、ご自分の信じる、ご自身に縁があった概念を信頼なさったら良いと思います。
惑星に性別を、そう考えた偉大な先人方がいたから今がある、そこに敬意を表して本日の文章を示させていただきます。
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