後日談『スマホの壁紙』

文「ね。湊くん」


湊「ん? なんですか?」


文「えーっとね……その、スマホ、見せてくれる?」


湊「え……。まぁはい、別にいいですけど」


文「ありがとう。じゃあちょっと失礼して……ふむふむ……」


湊「えーっと、文乃さん? 画面を見つめて何してるんですか?」


文「分かりました。ズバリ湊くんはパン派ですっ!!」


「「……」」


湊「……いや、米の方が好きですけど」


文「え……ウソ……」


湊「いやそんなに深刻そうな顔しなくても……てか、何してるんですか? 何かの占い?」


文「あ、えーっとね。最近生徒から聞いたんだけど、スマホの壁紙で人柄を当てるってやつなんだけど……」


湊「あー、確かに流行ってるかも」


「「……」」


文「ま、まぁ所詮子供騙しみたいなものだからね。別に私は本気にしてないからね!?」


湊「でもさっき、膝から崩れ落ちててじゃん……あ、そうだ。文乃さんのも見せてくださいよ」


文「えっ!? 私の!?」


湊「はい」


文「……だ、だめっ! プライバシーの侵害!」


湊「いやいや、文乃さんだって俺の見たじゃないですか! あ、分かりました。こうなったら……」


文「……こうなったら?」


湊「力ずくでいかせてもらいます!」


文「え、えっ!? ちょ、湊くんっ!? ぜっったいにだめ! 渡さないから!」


湊「なんでそんなに見せたくないんですか!」


文「ダメなものは、だめぇ〜っ! あっ!」


湊「よし。それじゃ失礼して……え?」


湊「俺の……寝顔?」


文「——っ! お邪魔しましたぁー!!」


湊「え、文乃さん!? てか、スマホ忘れてますよ!?」


 顔を真っ赤にしながら俺の部屋を飛び出した文乃さん。


 その後、文乃さんは二日寝込んだ。

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