第十七話 遥かなる海を越えて
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【まえがき】
|ω・`)チラリ
皆様、お久しぶりです。
実に4か月ぶり(!)となりますが、今日から更新を再開します。
大変長らくお待たせして、本当に申し訳ありませんでした。
今回こそ完結まで書き切る予定ですので、どうか楽しんでいただけると嬉しいです。
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「えー、皆さん一日ぶりですね。あなたの隣の美少女、カタリナ・フロムです。
昨日のリリストアルト紹介動画は見てくれたでしょうか? というかめちゃくちゃ時間がかかったのでさっさと見ろ下さい」
【こんちゃー】
【もちのろんよ 数少ない考察勢として大変楽しませてもらいました
全然VLOGじゃなかったけど】
【一日ぶり?
あれ……おかしいな、目から汗が……何か4か月くらい空いてたりしない?】
【おい、何か精神攻撃受けてるやべー奴いるって(1回目)】
動画を上げた翌日の昼、いつもの自室にて。
生配信開始と共に流れ始めた温かいコメントに、私はふっと頬を緩めた。
やっぱり待っててくれる人がいるっていいなあ。
ま、そんなこと口が裂けても言わないんだけどねっ。
「さて、今回は雑談枠です。動画では使わなかった素材を見ながら、皆さんの質問や疑問に答えていきます。
女の子の前だからって恥ずかしがらず、じゃんじゃん聞いてくださいねっ」
【りょ】
【何だか久しぶりだなあ こういう穏やかな感じ】
【前回は村人総出のわちゃわちゃ回だったから余計にね】
【女の子()】
【カタリナ先生質問ですっ。
地球から流れてくる
「お、○○君、分かってますね。その通りです。
一応振り返っておくと、流具は実在の物、常者と稀人は空想上のものに対する強い感情ーーつまりをどちらも”もの”に対する思いを元にしているわけです。
うーん、流石は私。おあとがよろしいようで」
【……あれ、今何か言った?】
【さあ? 今丁度めっさ可愛いウ〇バーの配達員の相手をしてたからな】
【おまいら渾身のボケをスルーしてやるなよw】
【知ってるか? 聞こえなかったんかね、て感じで放たれる二回目の親父ギャグほど寒いものはないんだぜ?】
【ついでに「おあとはよろしいようで=オチが付いた」は誤用だゾ】
かっこよく決めたつもりが、リスナーから送られてくるのは誹謗中傷の嵐。
お、おかしいなあ。私のファンのはずなのに、こんなに冷たいなんて……。可愛い女の子の話には黙ってうんうん頷くのが男として普通じゃないの?(偏見)
【流者がリリストアルトのほぼ全てを構成してるってことは、逆に流者以外で出来たものも存在するの?】
「あ、そうなんですよ。
詳しい事情とか私もよく知らないんですけど、たった一つ、この世界の海ともいえる原海だけはどうやら最初から存在していたみたいです。
それがこの写真ですね。
因みに全ての流者は必ず一度原海に落ちてから陸地に流れ着くんですよ。私たちの防人の仕事には、「変な流具等がないか?」の検分も含まれているんです」
【はえええ なるほどね】
【綺麗な映像やなあ 地球の海よりも光沢が多い感じ?】
「ですね。
原海は水じゃなくて謎の砂が集まって出来ているんですよ。その砂が昼は青色、夜は黒紫色に光るので、こうしてキラキラして見えるんです。
ついでですし、このまま色々と秘蔵写真を見ていきますか」
【お、いいね】
【俺、映画のエンドロールのNG映像集とか好きなんよなあ】
【分かるマン】
浜辺の写真からホームに戻り、ライブラリー内の写真を時系列に遡っていく。
釣り大会後の晩餐会、普段の町の様子、残念姉妹二人の寝間着姿など。
タブレットを手に入れてからまだ10日しか経ってないのに、随分いろんなことがあったなあ。
どこか懐かしい気分に浸りながらリスナーたちと好き勝手感想言いあってーーやがて最後、つまりは一番最初に撮った写真にたどり着いた。
そこに映るのは、ナナトの森を背に微笑む
うーん、やっぱりこう見ると私って超絶美少女だよねっ。正直、前世の俺だったら間違いなく惚れていたぜ。
「あ、そういえば結構恥ずかしかったんですよ、これ。
カメラマンのお母さんがなかなか妥協してくれなくて、何回も撮り直しを要求されて……」
【あー、待機枠の奴か】
【なるほど だから今のカタリナちゃんとイメージが違うのね】
【あの時はすげー娘が来たと思ったのになあ
どうしてこうなった……】
【いやでも今でも普通に可愛くないか?】
【まあ、それは……うん】
【おいやめろ 俺から女友達フィルターを取り除こうとするんじゃねえ】
「あれれ~? もしかして皆さんあれですか、ツンデレってやつですか?
全く、今時流行りませんよ、男のツンデレなんて。
可愛いって素直に言ってくれれば私も少しはーー……ごめんなさい、私やっぱり女の子にしか興奮出来ないみたいです」
【うーん、この】
【これがなければなあ……】
【失望しました カタリナちゃんのファン辞めます】
まごうことない本心に、呆れた反応を見せるリスナーたち。
因みにそのアーカイブにはいつもの二倍以上の低評価が付きましたとさ。
なんでっ!? みんな百合営業を求めてるんじゃないのっ!?
「カタリナ。絶対に私の傍を離れちゃ駄目よ。
いやっ、フリじゃなくて本当にお願いね」
「分かってるよー、だ」
さて、時は変わり逢魔が時も終わった頃。
私はお母さんと一緒に流具が流れ着いた海岸を歩いていた。
例え役に立てないとしてもお父さんたちの職務に付き添うことが見習いとしての役割だ。流石の私も、自分の好奇心だけで二人には迷惑を掛けたりはしないよっ。……うん、そうなんじゃないカナー(過去の行いから目を逸らしながら)。
と、その時超絶鋭い私の瞳が沖から何かが流れてくるのを捉えた。
仄かな光を放つ丸い物体。
何かのカプセル? ううん違う。あれはーー籠に入った小さな
「お母さんっ、海から女の子が!」
「5秒で受け止めなさいっ」
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