短い短いお話。

散歩するルンバ

指示語

なぁなぁ。お前はあれを知ってるか?

あれは凄いんだ。

変幻自在で、何にだってなれる。

それって凄いことだと思わないか?


 

さっきはサッカーボールだったんだけど、

その前はなんとクモだったんだ。

鳥だった時もあるし、花だった時もある。

そう。本当に別になんだっていいんだ。

だって。何にだってなれるから。



まぁ、もちろん。

あれにも得意不得意があるから、

人とかになるのは苦手みたいだし、

対象とはある程度距離がないとダメらしい。

もちろんなれるものの方が多いからこんなのデメリットにはならないけどね。



この間友人の会話を聞いてたら、あれが僕になってたんだ。盗み聞いたのは悪かったと思ってるけど、苦手って言ってた人に!ましてや僕になるなんて!

僕がなりたいって言ってるのに理不尽だなぁ。


あーぁ。あれになりたいなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短い短いお話。 散歩するルンバ @sanrun

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る