第四十五話 到着
「それじゃ例の宿に向かって行くか。えっと確かあっちの宿だったな」
ある程度の魔獣を狩り終えたヴァンはラグナに再度足を向ける。
ラグナに来てからここで起きたことを詳しく聞くためにある宿に向かっていた。
ラグナに来てから誰か詳しい話しをしてくれそうな人を探していたヴァン。
そこでサリシアと一緒にいたという調査員たちの話しを聞いた。
その者たちと接触し詳しい話しを聞くために。
周りをキョロキョロと見渡しながら宿の近くに来た時その宿から一人の女性がトボトボと宿から歩いて出てきた。
「お!!!あの嬢ちゃんじゃないか調査員っていうのは」
気の弱そうな雰囲気をしている調査員だったな確か。
しかも服そうも聞いた話しの通りだしな。
「はぁ〜」
こんなため息ついても仕方ないのにな、今度はあのリアラの怪物かもしれないから再度調査してくれっていわれても………
だから私はそういうの得意じゃないですよ陛下。
ただのしがない地理学者ですよリーアっていう人物は。
新たな依頼を言い渡されてまたオーガの調査のときと同じようにため息をついていたリーア、そこに野太い男の声。
「お~い嬢ちゃん」
「ふへ〜」
私じゃないですよね?あんな人知らないですしでもなんかこっちに向かって来てるような………
「なぁあんたがサリシアと一緒にいた調査員って人か?」
ヴァンはなるべく優しく話しかけていた。
自分の見た目的にも怖がられる時が多かった為に、だがリーアの目線では………
「〜〜〜〜」
「お、お、おい嬢ちゃん大丈夫か!!!」
妙に優しく話しかけてくる知らない男。
気の弱過ぎるリーアにとっては知らないただ大柄な男に詰められたようにしか感じなかった。
しかも今のヴァンは魔獣を狩って来たばかり魔獣の血の匂いがヴァンにはついていた。
さらにヴァンの普通の人間よりも獣じみた雰囲気が余計に怖さを増大させてもいたが気の弱いリーアにとってはそれだけで十分だった。
サリシアの時と同じようにヴァンを前にして調査員リーアはまた気を失ってしまった。
◆◆◆◆◆◆
「すみません!!!いきなり気を失ってしまって!!」
「いや仕方ないさ。いきなりこんな男が近ずいてきたら普通にビビるわな」
気にしてなというヴァンに対して申し訳ない顔をするリーア。
あの後気を失ったリーアを宿に返して起きるのを待っていたヴァン。
そして数分後目を覚ましたリーアにゆっくりとそれは丁寧に説明をした。
自分のこと、聖刻の間での話、ラグナに来た目的などそれらすべてを話していた。
その結果リーアに誤り倒されていた。
「それで嬢ちゃんここラグナでのことや今までのことを教えてくれないか?」
「は、はい!!!始めは…………」
◆◆◆◆◆◆
北門入口
セルフジーニアスの襲撃を受けたのち北門ではいつもよりもさらに外側の監視として兵士が巡回していた。
「うん?なんだこの風は?」
「おい!どうした」
「あ、いえ隊長なんかさっきから風の向きがおかしいような」
「風の向きってそらお前風なんだからいろんな方向から吹いてくるだろうが」
「あぁいえなんて言いますか。一部の風が不自然に強いような気がするんです。しかもその強い風がこの辺で消えるような」
ビュービューービューーー!!!!
そんな話をしている二人の兵士の元にそんな会話をかき消すほどの強風が吹き荒れ出す。
「うわっなんだ!!!急に」
「だから言ったじゃないですか隊長、風が変だって」
二人の兵士は強風に体を飛ばされないように耐えていた。
「うん、着いたサルマニア」
そんな時に風に運ばれるように少女の言葉二人の耳には聞こえた。
やがて強風がやみ二人の兵士の前には一人の少女が立っていた。
「ねぇ兵士さん、ここサルマニアだよね。しかもサリシアがいる北門付近であってる?」
「君は?」
「私?トウカ、リアラの怪物の討伐の為に崩国から来た」
軽く首をかしげながら答える少女、その名前はトウカ。
崩国の王女であり崩炎の異名を持つ少女であった。
◆◆◆◆◆◆
「こちらです」
「ありがと」
トウカは兵士に連れられて北門のザイトがいる区画へと訪れていた。
「お~もう来たのかトウカ嬢よ」
私の直感的にもう少し時間がかかるかもしれないと感じていたのだが意外と速いご到着だな。
「それにしてもお速いご到着だなトウカ嬢」
「うん、崩国からサルマニアまで遠かったから風姫の所によった。そっちの方が速そうだったから」
なるほど風姫か。
確かに崩国とサルマニアの間にある風姫の所によった方が結果的には速いか。
私が北門に吹き飛ばされたようにトウカ嬢もサルマニアまで風姫の魔法で運んでもらったのか。
「ここまで来るの面倒くさかったから仕方ない、怪物討伐だから」
心底面倒くさそうな顔をしながら答えるトウカ。
リアラの怪物の討伐とはいえ面倒くさいものは面倒くさい。
全部燃やして終わるのが一番楽。
「相変わらずで安心するよトウカ嬢。仕方なくでも君がサルマニアに来てくれたことはありがたいさ」
トウカ嬢はいつも通り平常運転だな。
「ザイト、サリシアはどこ?ここにいたはず」
私はサリシアに会いに来たからと答えるトウカ。
「あ〜それなら首都に行ってしまった」
サリシアは北門にはいないぞとザイトはトウカに首都に戻ったことを説明した。
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