第三話 回復魔法
サリシアとルルは仕事として子ども達への臨時講師をしに来ていたが到着次第他の子ども達が集まる場所とは違う別の大きな部屋に通されてた。そこに居たのは
「「サリシア様!!!」」
「サク様にジキ様お久しぶりです」
「硬い!サリシア様いつもみたいに」
「お父様の時と同じでいいぞ」
そこの部屋に居たのは無邪気な明らかに豪華な服装を着る二人の子ども。
この二人は現在のサルマニアの王バングの双子の子ども、第三王女のサクと第ニ王子のジキであった。
実はサクとジキが産まれる少し前に前任の聖女であったルルのお祖母様からサリシアが聖女の地位を継承した為、サルマニアにいる回復魔法の最高峰の使い手といえば二人にとっては聖女サリシアでしかなく子どもながらにサリシアに対して絶対ともいえる信頼を置いていた。
「じゃいつもみたいに」
サリシアと二人は臨時講師をする時間まで楽しく談笑をした。
「そろそろ時間よサリシア」
「はーい、じゃ二人ともまた後でね」
「はい」
「楽しみにしていますね」
◆◆◆◆◆◆
今回仕事として臨時講師を頼まれたのはサルマニア中の子ども達が集まる場所であった。
貴族や平民、王族ですら関係なく集まる場所であり知らないと困る事があるこの世界について教えるための学習場。
「結構多いね」
「聖女が臨時講師なら仕方ないわよ。聖女から回復魔法について教えてもらうなんて、あなたみたいに聖女だったお祖母様から直接教わることが出来たりことなんてほぼないんだし、それにこの世界については知っておかないといけないんだから…………特にあのリアラの怪物のことなんて」
「あ〜そうだね。リアラの怪物は流石にね」
ルルの話にサリシアも少し引き締めた顔をする。
‘’リアラの怪物‘’
サリシアも話を聞いて顔を引き締める程の存在。
この世界の災厄
◆◆◆◆◆◆
広い講堂の中を颯爽と歩くサリシア。
その姿に子供達は様々な反応を示した。
「聖女様だ」
「綺麗」
「皆静かに」
サリシアが現れるだけで子ども達の中でざわめきが起こる。
今回はサクとジキと同じような歳の子たちが多く集まっていた。
そんな中で聖女サリシアによる講義が始まった。
「大体の子たちは初めましてかな、サルマニアの現在の聖女サリシアです。一日だけだけどよろしくね」
サリシアは『この講義中の質問はいつでもしていいよ』と言ってまず初めに回復魔法についての講義を初めた。
「まず初めに回復魔法について、ひとえに回復魔法と言ってもいろんな種類の回復魔法があるね。傷を治す為に使う回復魔法、体内にある毒に対して使う為のもの、同じ体内は体内でも骨の回復に使う為の回復魔法、これだけでも三つもの回復魔法があるね。全部違うから間違えちゃうといけない」
「聖女様、もしも間違えちゃうとどうなるですか」
「基本的には意味がないから大丈夫だよ。でも一部の回復魔法には体を活性化させてしまうものもあるから気を付けておかないといけないんだ。最悪対処ができなくなってしまう場合があるからね」
サリシアは子ども達に対して言い聞かせるように言う。
『間違えて対処できなくなったのを目にしたことがあったからね』と
「他の国々から聖国サルマニアは世界有数の回復魔法のスペシャリスト達が住まう国でどんな怪我でもサルマニアであれば治せるなんて言われているけど、それは多く存在しているいろんな種類の回復魔法の使い手がサルマニアには存在しているからなんだ」
どんな怪我でもサルマニアであれば治せると言わしめているのは単純に使い手の実力もあるが回復魔法の数や使い手の連度が影響していた。
自国ではなくサルマニアであればと。
だからこそ回復魔法を覚えるためだけにサルマニアを訪れる。
使えるようになるとは限らないが
「これら全て覚えるのは大変だから基本的には安全で基礎的なものを覚えてその後に皆自分にあった専門の回復魔法を覚えていくのが普通だね」
「サリシア様はどれも使えるんですか?」
「流石に全部は無理だね」
(まぁ戦いに関係あるものと思うものは全部覚えたけど)
「だからサルマニアで一番の回復魔法の使い手で聖女なんて言われてはいるけど私にも治せないものも存在するね」
これは仕方ないねと言って肩をすくめるサリシア。
そうは言うが大体が対処が出来る類のものである。
サリシアが出来ないのは想像を絶するほどに限定的過ぎなものだけであったが。
「さて、これがサルマニアの回復魔法の初歩的なことだね。次はあの有名な災厄、リアラの怪物についての話を交えながら話そうか」
一気に真剣になるサリシアそれ程に危険な災厄、リアラの怪物の話しが始まった。
~あとがき~
少しずつこの世界について触れてことができるパートに入りました。
★一個でも良ければお願いします。
次からの一話だけ読んでやるかでも凄くうれしいです。
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