第四話 リアラの怪物

 一気に真剣になったサリシアに話を聞いていた子ども達もつられるように少し真剣になっていた。

 それ程にリアラの怪物はこの世界で有名であった。

 この世界の中心はリアラの怪物と言ってもいいほどに。


「流石に皆知っているね、リアラの怪物は」


「はいサリシア様。お父様……陛下がリアラの怪物の存在が確認できたらいつも以上にお忙しくするので」


「城が慌ただしいからな、いつも警備している近衛騎士達もピリピリしだすから」


 そう答えるのはサクとジキ、リアラの怪物が確認できるとそれだけで父親が対処に動いているのを知っている為か他の子ども達よりも一層サリシアの話に真剣であった。


「この世界の災厄、名前をリアラの怪物。たった一人の魔女が生み出したともいろいろな実験の副産物とも言われる大昔から存在する怪物達、それがいつから存在するかわからないからいろんな憶測が世界中で言われ続けているけど」


 何故、いつ、どこで、そんな憶測が飛び交うがただ一つ分かる事があった。


「少なくとも怪物達は災厄をまき散らす。倒さないと街一つくらい簡単に消してしまう。大昔にいたあまりに強いのは国すら食ってしまった歴史もあるほど。聖女なんて私は言われているけどもう一つの名があるのは知っている?」


「剣帝」


「そう私のもう一つの名。剣帝、それは私の武力からついたあだ名だけどリアラの怪物達が相手だとその名も霞むかもしれない。それ程の相手、世界の災厄それがリアラの怪物」


 戦うのが好きなサリシアでさえ警戒するほどの存在。

 どれだけの被害が及ぶかわからないが故に。


「サリシア様、そもそもリアラの怪物ってどういった存在何でしょうか?」


「彼らは私達生物の一部だね。私達の想像した事が、夢が、想いが、こうありたいと望んだ事の一部が具現化したものだ」


「それがなんで怪物って呼ばれるんですか?」


「彼らはその望んだ事しかしないんだ。例えばお肉が食べたいと思った事が具現化したらお肉を常に食い続けるんだよ。私達はお腹がいっぱいになったら満足して食べるのを終わるけど、彼らはいくら食べても終わらない。お肉を食べることが彼らの目的だからね。満足なんてない、その目的の為に動き続けるんだよ。食べることの出来るお肉なら何でもいいとね」


『まぁお肉くらいならまだマシなんだけどね』とサリシアは言う。

 そう私達の想像した事が、夢が、想いが、こうありたいと望んだ事の一部が具現化するのならリアラの怪物には際限がない、もはや何でもあり、故に怪物。


「彼らは本当に怪物、何でもありだ。もしも人類を抹殺したいなんて想いが具現化したらその目的の為に全力で動き続ける。こんなのがいきなりこの世界には産まれてしまう。だから世界の中心、この世界の災厄」


 本当に災厄が具現化する。

 目的に向け動き続ける。

 そして目的を成せる存在として目の前に現れる。

 それがリアラの怪物。




~あとがき~


作者は★一個でも良ければお願いします。

次からの一話だけ読んでいただけるでも凄くうれしいです。

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