第二十九話

僕は実際には途中で幻影に変えていて僕がもともと来た服で宿の部屋の中に転移した。もう朝になっていた。リクトが扉をノックしている音が聞こえてきたから扉を開けた。

「お前にしては珍しいな。俺より遅く起きるなんて」

「遅く起きた訳ではない。僕は教皇に呼び出されて会いに行っていた。それに僕は寝ていない。それより訓練をするぞ。」

「はあ王子様は生きている世界が違いますねー。」

「何言ってんだ。僕も人間だ。」

「裏庭に行きましょうか。」

「うむ」

「教皇聖下とは何を話したんだ?」

「面倒くさいことだ。加護のこととか。」

「へえ加護持っている人って世界で今何人ぐらいなの?」

「五人だ。」

「少なっ。」

「そうだろうな。」

「カゴ持っているとどう言う扱いなの?」

「国によるが格としては最低でも公爵ぐらいだな。すごいところだと王子と同列だ。教国では象徴である聖女、教皇の一個下で枢機卿の上だ。」

「すんげえ。じゃあ殿下は普通の国でも国王並みってところかな?」

「流石にそこまでは行かないと思うが......そしたらリンガリア王国とキーロク帝国だけ二人も国家元首がいることになるではないか。」

「なんでここにあの巨大国家キーロク帝国が出てくるの?我が国は独立を保てているけれど多くの国は彼の国の属国だし彼の国はこの大陸最強だよ。」

「言っとくけれど僕はキーロク帝国の皇族でもあるから。」

「えっ皇位継承順位何位?」

「2位だ。母上はが一位で兄上は即位と同時に放棄した。」

「わあすごいな。じゃあ時期皇帝ということ?」

「さあな。」

「今思ったんだけれどさ、皇帝陛下には子供がいないけれど多くの皇弟殿下たちがいるよね。」

「それが何だ。彼等はみな亡き皇太后陛下の子供ではない。キーロク帝国の皇族では皇位継承権は皇后の子供の男子、皇后の子供の女子、それ以降は側室の男子という順番だ。」

「もう王族はすごくややこしそうだ。俺の家は貧乏で側室はいないからそういうややこしいことにはならずにただ生まれた順に男子が継承するだけさ。それに側室から生まれた女子は継承権がないんだね。」

「ああ正妻の子供だけさ。」

「もうややこしすぎる。もっと簡単のほうが絶対に楽なのに。」

「王族とかになると家格の問題とか出てくるから変えられないと思うぞ。」

「はあそんなのどうでも良くない。俺は政略結婚反対派だな。」

「政略結婚しないと戦争なども増えるし政略結婚は重要なんだ。だからオリバーは廃嫡されて塔に幽閉されたんだ。」

「確か前の王太子殿下か。」

「ああ僕の甥だ。年上だけどな。」

「あのお方については良い噂を俺は聞いたことがないぞ。」

「それはそうだろう。婚約破棄事件で人々の大ひんしゅくを買ったばっかりだろう君が王都に来たのは。」

「そうだが。」

「そういうことだ。」

「わかったよ。」












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