第十六話
僕は客室に戻ってため息をついた。今日は色々なことが起こりすぎた。まだ兄上に馬鹿伯爵のことも伝え終わっていないしさらにリーウネ男爵暗殺未遂が起こった。僕は再びアゾミスタを呼び出して暗殺未遂のことを調べてもらう事にした。人払いしておいたし防音結界も張ったので会話も漏れることがないだろうから安心して呼び出せるだろう。
「我レオナルドリンガリアフォンローザムは我獣魔アゾミスタを呼び出す。」
アゾミスタが現れた。
「アゾミスタ頼みたい事がある」
「はっ」
「リーウネ男爵が暗殺未遂された。その事について探してこい。」
「はっ」
アゾミスタが行こうとした時だった。僕は阿寒がした。その次の瞬間何者かが窓ガラスを割って部屋の中に入って来た。
「何者だ」
「フォーモル侯爵様の命令だ。大人しくついて来たら手荒な事はしない。お前の婚約者殿は既に捕らえた。大人しく着いてこい」
「僕は許さん死ね」
僕は魔法を放った。その瞬間賊は血飛沫をあげて死んだ。その様子はとても気持ち悪かった。僕はクリーンで綺麗にした。
「アゾミスタ、フォーモル侯爵も調べよ」
「はっ行ってまいります」
「頼んだ」
僕は急いで王都に転移してフォーモル侯爵邸に忍び込んだ。気配を探知するとすぐにルイーズは見つかった。ただルイーズは地下にいる様子だった。僕は気配を消してさらに透明化した。そして邸を歩き回っていた。どこに地下の扉があるか分からなかったのだ。遂に扉を見つけた。それは侯爵の執務室にあった。僕は板を外して中に入って行った。そして透明化を解除した。
「フォーモル侯爵この様な事許されるとでも?」
「レオナルド様」
「ルイーズ安心しろ僕は助けに来た。愛している」
「殿下は何を考えているのですか?此処は我邸殿下といえど勝手に入ってはいけません。私はこの者に婚約解消書にサインする様に言っているのにサインしない奴がいけないのです。」
「お前」
「私と戦うつもりか」
「そうだが」
フォーモル侯爵は何かを飲んだ。そしてフォーモル侯爵の様子が急に変わった。
「お前何を飲んだ」
「ヴィヴィンダ様より頂いた薬よ。これがあれば私は無敵だ。はっはっは私は不死のみ私を殺せるのは神と神の使徒のみ」
「では僕なら殺せるな。聖剣ヲーマオス行くぞ」
僕は接近して奴を斬った。奴の体からは血がたくさん出ていた。
「何故だ私の身体は絶対に切れない筈」
「僕のは聖剣だ。神から頂いた。切れないものはない」
「なんだと」
「覚悟」
僕はフォーモル侯爵の首を切った筈だったがフォーモル侯爵は血を出すだけで直ぐに治って行った。
「なんだと」
僕は聖剣に魔力を注いだ。政権は魔力を注ぐと力が強くなる。そしてもう一回切り掛かった。今度はちゃんと切れた。死ぬ直前に奴は言った。
「何故だ。私はまだやり残した事がある。私は死ねぬのだ。」
「それがなんだ」
僕はフォーモル侯爵を遂に倒した。ただヴィヴィンダという奴が少し気に掛かった。
「レオナルド様大丈夫ですか」
「ああ僕は大丈夫だ。ルイーズこそ大丈夫か」
「はい私は大丈夫です。レオナルド様のおかげで助かりました。有り難うございました。ただ旅に出ていたのでは?」
「愛しいルイーズの危機だから転移で戻って来た」
「私のために」
「ルイーズどこにいけば良いのかな」
「学園の寮です」
「僕が学園の門のすぐ近くまで転移するよ」
「はい有り難うございます」
僕とルイーズは学園の門のすぐ近くの裏通りに転移した。
「ルイーズまたな」
「はいレオナルド様」僕たちはキスとハグをして別れた。そして学園の前までルイーズが行くのを僕は見守った。
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