第十六話

1週間経った。僕はミカにずっと執務をさせられてリクトと遊べなかった。ミカいわく冒険者になったら執務が疎かになるからだそうだ。僕はもっと鍛錬したいのに……やっと3週間ほど前に完治して痛みも無くなったのにこの調子だと腕も鈍る。そして今日はついに結果発表だ!!僕はずっと楽しみにしていた。その為僕は朝からずっとソワソワしていたらミカに仕事をさせられた。そして正午10分前に仕事を切り上げて講堂に向かった。講堂で結果が出される。僕はリクトをすぐに見つけた。

「こんにちはリクト自信はどれぐらい?」

「おう俺は自信はあんまりない。ただ実技では良い成績を残せたと思うからなあ。あとは神に祈るばかりだ。」

「神に祈っても今更何にも変わらないけれどね。」

「そういう殿下は自信満々だということか?」

「まあ少し心配だけれど多分合格していると思う。」

僕は時計を見た。

「あと1分だ。」

「そう言えば殿下その腕につけているものって腕時計?」

「そうだ。これは王族専用アイテムで王族は必ず付ける。だから王族を抜けると返さないといけない。」

「へえ僕の世界では腕時計の中でも普通のとスマートワォッチていうのがあったんだ。」

「どういう違いなんだ」

「時計は時間しか分からなくてスマートワォッチは色々な機能が入っていたんだ。ちなみにどんな機能があるの?あと何で王族以外はつけられないの?」

「とっても高級な魔石を使っているのと悪用されたら困るから。これで緊急時には電話とかメッセージを送れる。ただ普段使いは禁止されているから普段は時計としてだけれどな」

「へえ。こっちの世界はそこまで発展していないと思っていたけれど意外に発展している部分もあるんだな。」

「リクト、結果が出たみたいだ。あっ僕の名前があった。リクトの名前はどこだ。」

「俺のもあった。ていうか全学年ごちゃ混ぜなんだな全く分からなかった。ちゃんと学年別に分けて欲しい物だ。」

「まあいいじゃんこれで全て単位は取った。僕達は一様学園生だが、学園に通わなくていいし自由に動けるぞ。まあただ行きたかったら行けるが。」

「よし冒険者登録しに行こう」

「今すぐは無理だよ。明日だ。兄上と母上に報告してからだ。」

「じゃあまた明日」

「明日学園の門前で集合な」

僕は急いで城に向かった。馬車はすでに迎えに来ていた。そしてミカが先ぶれも出していた。







僕はそのまま兄上の執務室に直行した。

「兄上僕合格しました!約束通り冒険者にならせていただきます。」

「約束は守るただし2ヶ月に一回は必ず顔を見せなさい。後ちゃんとパーティーとかには参加するように。外交や執務も疎かにするな。何かあったら腕時計にメッセージを送る。わかったな。」

「はい」

「じゃあ登録の許可を出す」

「ありがとうございます。失礼します、兄上」

「レオ気をつけろよ死んだりするのは禁止だ。王族としての自覚をちゃんと持っとけってもういったのか。はやい。」

僕はすぐに母上のところに行った。

「母上僕卒業試験合格しました。」

「そうおめでとう」

「だから僕冒険者になります」

「レオは前から変わらないわね。レオプレゼントよついて来なさい。」

「はい」

僕は隣の部屋に入った。そして母上が手を叩くと侍女が布をめくった。

「これよ」

「わあ母上すごいです。」

そこにはフルアーマーの防具と部分的に重要なところ用の防具のふた種類があった。そして剣も10本用意されていた。短剣と槍もそれぞれ5本ずつ用意されていた。また解体用のナイフもあった。そして服も用意されていた。

「レオこれらは全てオリハルコン製よ。この服は貴族とかと会ったときにきなさい。そしてこれは普段着にいいと思うわ。これらの服は帝国の特殊な方法でミスリルとアンダマイトの合金から作られた糸で作られているからとても丈夫よ。レオ頑張りなさい。」

「はい母上ありがとうございます。」

「たまには顔を出しなさい私の可愛いレオ」

「はい」

「王太后陛下、ローンボルク前侯爵夫人が謁見を願い出ています。」

「そう今行くわレオまたね」

「はい母上」

僕は母上の部屋を退出して学園に戻った。








寮の部屋にルイーズを呼んだ。

「レオナルド様何用でしょうか」

「ルイーズ」

「レオナルド様出会い様ハグなんて驚かせないでください。」

「僕は卒業試験に受かった。そして冒険者になる。これから長く逢えないが耐えてくれ。愛している」

「レオナルド様私もです。レオナルド様ご武運を」

「ありがとう」

僕たちはキスやハグをしながらお茶を飲んで別れた。









これにて第二章 学園は終了です。








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