第60話 君が特別だから

 誰が……誰がこんな結末望むんだ。

 こんなのあんまりじゃないか。

 憩衣の恋がどれだけ尊い感情なのかって、他ならぬ今の珠姫自身が理解しているはずなのに、理不尽に意思や感情を断ち切って……残酷すぎる。


 ――論理的に証明されたから?

 ――不可能を実演して見せたから?

 ――じゃあ諦めるしかないんだって?


 そんな道理は俺に通用しない。何故なら――。


「もっと……他のやり方があっただろ」

「ないよ」

「俺はっ……俺は変わっただろっ……!」


 俺だってわからない。

 他のやり方なんて思い浮かばない。

 身勝手だってわかっている。

 それでも、俺は伝えなければならない。


「俺こそが反証じゃないか! 俺は、今の俺は変わった。どうしようもないクズのような前世からこうして、変われたんだ……」


 絶対にそれは間違いない。

 前世とは、もう違うのだ。

 俺は本気で、お前達と家族になりたいと思ったから。


「――それは他ならない珠姫が手を差し伸べてくれたからで、不可能は変えられるんだって証明してくれたのも、今の珠姫だ」


 何より前世でも変えようとしていたのに……どうして、そんな選択をしてしまったんだ。

 そう訴えたつもりだったが、珠姫は言い返してくる。


「前世の『私』を思い出してごらんよ。そんな清廉潔白な女に見えたの? 一方的に縁を切った挙句水をぶっかけた、そんな根っからの性悪女に何の夢を見ているの!」

「それは必要なことだからやったんだろ! そうじゃなくたって、あの時は俺がクズだったし憩衣が正しかった!」

「なら、わかってよッ……! これが……他ならぬあたしだけが、出来る唯一の方法! ……どうせ累くんだって、わかってるでしょ。覆すには残酷にならないといけないって」


 だとしても……否定すべきことだ。

 ――わかってる。何処か心では……珠姫の行いについて納得していた。

 どうにもならないのだから。

 手遅れになってしまったのだから。

 それは諦観からくる考えではなく、事実を噛み締めて。

 その上で、あれが合理的である事を理解してしまった故のもの。


 そして、間違えてはいけない。

 珠姫は決して敵ではない。

 彼女は俺が守るべき妹の一人だ。

 中身が珠姫であろうと憩衣であろうと、その事実には変わりないのだから。

 今の結論を軽々しく悪と断じてはいけない。

 俺だって、少しでも改善が見込めるならと残酷な方法を実行へ移そうとしていた。

 関係を壊さず、一方的な想いを潰すことなど難解の極み。

 だから俺は、当事者である憩衣と珠姫には解決不可能なのだと思い込んでいた。

 実際、前世でも失敗しているのだから、仕方ないだろう。


 それを珠姫は存在してしまった前例を以て証明させた。

 俺を利用するという手間を挟みつつ、やり遂げた。

 なるほど……合理的だ。


 でも、それでもさ――。

 俺は……信じたかったんだ。

 誰も悲しまない。

 誰も泣かない。

 そうして掴み取れる幸せがあるって。

 そう――信じたかった。


「すみません。暫く、独りになりたいので」


 場がしーんと鎮まった時、そっと憩衣が立ち上がった。

 ずっと沈黙を貫いて……言葉を発するのさえ、辛いだろうに。

 光を映さない瞳は、一体何を見ているのだろうか。

 そうして……憩衣は部屋を出て――マンションの重い扉が閉じる音が、その後に響いた。


「大丈夫だよ。憩衣ちゃんは立ち直れる」


 誰よりも自分自身のことだから理解していると、そう言いたげな顔の珠姫。

 ああ、きっとそうだな。

 何もせずとも憩衣はいずれ回復するだろう。

 それもまた時間が解決する。

 でも――。

 そこにいるのは多分――。

 アイデンティティを失った抜け殻のような憩衣だ。


 珠姫に間違っていることがあるとすれば、恐らくこれが珠姫にとって自己犠牲であることだ。


 ――人はそう簡単に変わらない。


 前世の憩衣は最後まで自己犠牲に走った女だった。

 これが本来の珠姫だったなら、絶対に憩衣を見捨てたりなんてしない。

 これが珠姫憩衣自己犠牲自己満足であることは明らかだ。

 何故、そんなことができてしまう?

 結局、今の珠姫は前世で姉を失ったことを克服できていないのかもしれない。

 きっと彼女が本当に証明したかった、言い聞かせたかった相手は、今の憩衣じゃない。

 ――自分自身なのだろう。


「まだ…………終わってないんだよ」

「……は?」

「累くんのことだって、あたしは見ているんだよ。きっと自覚はないと思うけど、累くんは簡単に変わり過ぎているんだよ」


 突然、萎んだように弱弱しくなった姿。

 何を言っているのかわからない。

 人はそう簡単に変わらないのに、俺が変わってしまったことを妙に考えているのか?

 ……考え過ぎだ。

 しかし、彼女の姿を見るに、俺の知る以上に珠姫も抱えているモノがあるらしい。

 そりゃそうだろう……生半可な気持ちで、こんなことできる訳がない。


「ねぇ、前世で累くんが本当に願ったことは何?」

「それが……何になる」

「お姉ちゃんが――累くんを選んだ本当の理由」

「どういう意味だよ」


 以前、珠姫の口からその答えはでた筈だ。

 同じ片親の子として、似ているから――憩衣の寂しさを理解してくれる相手として、俺を憩衣の彼氏役として立てたのだと、そう言っていたはずだ。

 いや待て――――おかしくないか?

 そうだ……前世の珠姫は、俺を自分自身の彼氏役として立てるはずだった。


「あたしは……お姉ちゃんの言う寂しさを理解したくて、自分憩衣ちゃんの寂しさに累くんを当てはめただけ。本来、お姉ちゃんはそんなものに飢えてないから」


 ……齟齬が生じている。

 あの時は軽く納得していたものの…………前世の珠姫が、俺を選んだ理由は結局わかっていないじゃないか。

 当然のことだった――あの時は珠姫に前世の記憶があるとは思っていなかったし、俺も訊こうとは思わなかった。

 大体、その変化の時点で珠姫に前世の記憶があるかもしれないと考えるべきなのに、俺は――。


「過去と、未来と、現在は――繋がっているんだよ。お姉ちゃんが累くんを選んだ、残念美男子であるあなたを選んだ理由が――そこにあるはずなの」


 残念美男子――そうだ、俺はずっとそうだった。

 憩衣の彼氏役として選ばれた理由の一つは、俺が絶対に憩衣に恋をしないと目されたから。

 ならば、前世の珠姫が俺を彼氏役に選ぶ理由はなんだ……?

 確かに……そこに鍵があると考えるのが自然だ。

 そもそも――――俺はなんで残念美男子になったんだっけ?


「ごめん。わかってるんだ。今、こんな話をしていたって、頭の整理が追い付かないでしょ」

「――、ああ」


 憩衣のこと。珠姫のこと。そして――俺自身のこと。

 しかも、その全てが知らずのうちに繋がっていること。

 ――知らないよ。

 わからないことだらけだ。

 俺達はただ、仲の良い家族になりたかっただけなのに。

 たったそれだけの目標に、天と地ほどの距離を感じてしまう。

 あまりにも遠い。

 月に手を伸ばすような愚行。

 それを人は――不可能と呼ぶのだ。


「ねえ累くん」

「なんだ……よ」

「憩衣ちゃんを、お願いしてもらってい?」

「…………」


 なんて他人任せなんだ、と愚痴りたい。

 一丁前に、珠姫の苦しそうな姿を見たって、俺にはその苦しみがわからない。

 今の憩衣の方が、よっぽど苦しんでいるのにって、そう怒鳴りたいくらいだ。

 でも、珠姫が――俺達が家族になる未来を望んでいることだけは、ちゃんと伝わった。


 だから、俺は黙って俺にできることをする。

 珠姫の通り、今の憩衣を追いかけられるのは、俺しかいないだろうから。




 ***




 ――日が暮れる刻。

 マンションから降りた俺は、走ってエントランスを出て、暗くなる世界を見渡した。


 幸い、憩衣の背中を捉える。

 まだ、遠くへは行っていなかった。


「憩衣っ!」


 彼女が俺の姿に気付いて……途端に走りだした。

 逃げ出したのだ。



 追いかける。



 追 い か け る。




 追  い  か  け  る。




 ――――遠い。


 信じられないくらい、その背中を追うことが、億劫に感じた。

 それもそうだろう。

 かける言葉も浮かんでいない癖に、身体は彼女を追いかけているのだから。

 でも――まだ間に合う。


 ――まだ、不可能じゃない!

 前世の珠姫が願った理想――天国になら、手を伸ばせる。

 諦めてはいけない。

 俺の中にある、ありったけの想いはその一点にある。

 ――未来の妹二人を必ず幸せにするのだ。

 俺の――俺だけの、妹は、彼女達以外にあり得ないのだから。

 ――俺の本当の願い? 知ったことか!

 そんなもの、ある訳ないだろう。

 ずっと暗闇の中で生きていた俺が願っていたことなんて、数少ない。

 歯車は進んだ。

 進んだ時間は戻せない。

 ポイントオブノーリターン。

 ――過去なんて見たって、仕方ないだろーがっ!


 開いた距離は如実に縮まった。

 着実に近づくことはできて――。

 そして、逃げる憩衣の腕をしっかりと掴み取る。


「んぃや゛っ、はな……離して……くだっ! はぁ……はぁ……、離して……よっっ!!」


 今まで聞いたこともない憩衣の切羽詰まった声だった。


「嘘吐き……っ! 嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き噓っ……吐きっ! うぐっ……あああぁぁぁ~~~っ!」


 憩衣が俺の胸板を何度も叩いてくる。

 それでも俺は、彼女の腕を離さず――その身体を手繰り寄せた。

 ここで逃がしたら、ダメだ……嫌われたとしても、憎まれたとしても、それだけは彼女の顔を見て、すぐにわかった。


「お姉ちゃん……お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん……お姉ちゃん~~~~ッ!!」


 想い人を呼ぶ。ここにはいないのに、代わりに俺の胸元に対して、何度も、何度も……。


「私……わ、わたしは……ッ! 信じて、信じていたのにっ、どう……して……?」


 その言葉は、珠姫だけに向けられたものではないだろう。

 顔を上げられ、俺に向けられた、涙ぐんだ瞳は、俺にも告げているのだと訴える。

 何故、今まで話してくれなかったのか――信頼してくれなかったのか、という考えで疑心暗鬼になっているのはわかる。しかし、俺に弁明の余地はない。


「累っ……! 累ッ……! 累ッッ……! なんで何も、言わないの……ッ!? そんなの嫌なのに、嫌なのにぃぃ~~っ!!」


 溢れる涙で、俺の制服が濡れる。

 吐き出すような言葉に、心を殴られる。

 叩きつけられる拳に、力が抜けてくる。

 段々と下半身の力が抜けたのか崩れ落ちる憩衣。

 俺は――俺にできることは、一体なんだ?


「――憩衣。俺は、憩衣と本当の家族になりたかったんだ」

「や゛めてよ゛……ッッ! 未来のっ、私の知らない話なんて……しない、で!!」


 怒りを孕んだ言葉。

 しかし憩衣の声は弱弱しく萎むように……小さくなっていく。


「憩衣と……今度こそ仲良くなって、仲の良い兄妹として、やり直したいと……そう思ってきたんだ」


 他ならぬ本心。

 俺の願いは――そうだったはずだ。

 伝わるとは思っていない。

 けれど、憩衣は一度萎んだ声を張り上げた。


「ひっぐっっ……ふぐぁぁぁああぁぁぁ~~ッ!! ……うぇっ、っ、っ……」


 泣け叫ぶ声が……止まらない。

 何度咳き込み、途切れても、息ができなくなるまで……憩衣は泣き続けた。



 彼女が泣き止めば、落ち着けば、一先ずは話を聞いてくれるかもしれない。

 そういう希望があった。

 そして、あっさりと砕かれる。


「ああっ、あ……っ、っ、っ……」


 彼女の虚ろな目を俺に向けながら、焦点が合っていないと気付く。


「いや、いやだッ! 忘れたく、ない……ッ!」

「い、憩衣……?」

「るい……? 違う……違う違う違う! 何処……お姉ちゃん、お姉ちゃんの顔が……思い出せないんです。助けて……見捨てないで……お姉ちゃんっ、お姉ちゃん~~っっ!」


 思い出せない……だって?

 完全記憶能力を持つ憩衣が思い出せない……それは一体、どういうことなのだろうか。

 わからない。

 否。わからなかった。

 ふと俺の頭の中に、天啓にも似た答えが降りてくる。

 今の憩衣の状態が、誰かと重なる。

 誰かわからない。

 でも知っている。

 思い出せないけど、知っているのだ。


「大丈夫だ……大丈夫だよ、憩衣。憩衣はちゃんと憶えている。ちょっと現実逃避して、無意識に拒絶しているだけだ」


 ――憩衣は自分の記憶に蓋をしているだけだ。

 咄嗟に憩衣の頭を腕の中に抱え込む。

 どうしれば落ち着かせられるのかわからない。

 けど、出来ることをするしかない。

 慰める言葉を伝えるしかない。


「俺が助ける。俺がお前を支える。だから……今は俺を見てくれ」

「――――――ッ」


 わかっている。

 憩衣が望んでいる相手は俺じゃない。

 でも、望む相手は現れないのだ。

 俺が……代わりになるしかない。

 それで憩衣が立ち直れるなら、本望だ。


「ぐすっ……なんで、累っ……累は、見捨てないんですか……?」

「憩衣が……特別だから」


 ――未来の義妹だから。

 そう応えようとしながら、違う言葉が零れていた。

 俺の目指す未来だって、もう壊れてしまったかもしれない。

 でも関係ない。

 俺にとって憩衣が特別なのは――紛れもない事実なのだから。


 目的が果たされたというのに、その後でも拒絶するしかなかった珠姫の結論。

 俺は珠姫のやり方が正解の一つであると考えてしまったにも関わらず、拒絶してしまった。

 世の中には正しくあっても正しくない出来事が跋扈している。

 真に正しい清らかなものは、辻褄合わせに生かされない。

 感情のパラドックスを抱えて釈然としない心の底は、夢のように儚い。

 矛盾しているような真実だなんて、誰もが目を背けたくなるに決まっている。

 だから同じくして、願望が果たされても、俺はちっとも満たされないだろう。

 最早分かりきっていた。

 この後の憩衣が言葉も含めて、容易に想像がついてしまったから。


「ねえ累……私を助けてくれませんか?」

「もちろんだ」


 ようやく顔を上げた憩衣の言葉に、即答する。


「ねえ累……お姉ちゃんの代わりになってくれませんか?」

「……わかった」


 胸が苦しくなりながら、応答する。


「ねえ累……お兄ちゃんって呼んでもいいですか?」

「………………他ならぬ妹がそう望むなら」


 呼吸ができなくなりながら、快諾する。


 ――前世の最期で珠姫のフリをした憩衣が告げた「お兄ちゃん」

 ――今の憩衣が告げた「お兄ちゃん」

 同じく俺を呼ぶ声。

 その言葉が孕む想いも同じ――何かに縋りたいのだ。


「お兄ちゃん……お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん……お兄ちゃん~~~~ッ!!」

「ああ、そうだよ。俺が憩衣のお兄ちゃんだ」


 前世の記憶を思い出してからずっと疑問だったことがある。

 ――何故、「兄さん」ではなく「お兄ちゃん」なのか。

 何も不思議じゃなかった。

 至極当然の理じゃないか。

 堀原憩衣という少女が縋りたい相手。

 そんなの、この世にたった一人の「お姉ちゃん」しかいない。


 だけど、彼女の「お姉ちゃん」はもういない。

 今ここにいる彼女の「お兄ちゃん」とは、きっと最後の命綱なのだろう。

 彼女にとって珠姫の代替品――それが俺だったのだろう。

 それでも構わない。俺は受け入れる。


「ねえお兄ちゃん

        ……キスしてもいいですか?」


「ああ、喜んで」


 唇を重ねる。

 俺じゃない誰かに向けられた愛を、甘く甘く感じ取る。


「むちゅ~~~ぷはっ…………はぁ、はぁ……」


 何度も何度も、飽き足らず……唇を重ね、目を合わせ、幸せそうな顔で、夢中になって、憩衣はその行為に耽る。

 顔を赤らめ、段々と愛おしそうに、没頭するように貪って、他の何も見えていない。

 憩衣が珠姫に望んだすべてを受け入れる。

 ――いいじゃないか。これで。


 偽りの恋人。

 偽りの妹。

 胸が苦しくも幸せを感じる。

 この想いは現実逃避なのだろうか。

 わからない。

 でも俺は彼女を妹として見てあげたい。


 きっと俺なら、憩衣を幸せにできるはずだ。

 きっと俺なら、珠姫を幸せにできるはずだ。

 きっと俺なら、彼女達の仲を戻せるはずだ。

 きっと俺なら――。

 きっと俺なら――。

 きっと俺なら――。


 できる。できるのだ。

 変えられる。変えられる余地しか残っていない。


「ぷはっ、ははは……」


 ここはもぅ底辺だ。

 逆に考えれば、これ以上は上がることしかできない。

 そう捉えれば、全能感に満ちた気分になった。


 使命感にも似た感情が脳内を蚕食し始める。

 確かな真実は、もう歯車は進み運命は覆らない。

 拒絶すべき共依存に身を捧げよう。

 その未来が悲劇であっても構わない。

 俺達が幸せになる為に、必要なことをするだけ。

 出来ないなんて弱音はナシだ。



 だから――

      誰にも否定なんてさせない。



   これは、俺達が家族になる物語だ。

          幸せになる物語だ。







 カラカラと耳鳴りがする。

 願いを叶える鐘の音は――何回鳴っていただろうか。







__________

 これにて二章終了となります。

 三章は、多分書くと思いますが、更新日は未定です。

 あらすじだけは近況ノートにでも載せておきます。

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これから義妹になる美人姉妹と、今度こそは仲良くなれますように 佳奈星 @natuki_akino

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