第4話 就寝まで
俺は今日はるという少女を保護した。保護というよりは匿った?のかもしれない。
はるが自分の家に帰りたくないと言われたので、自分の家に招いた。決して如何わしい理由はない。
はるに食事を振る舞い少しの時間が経った。はるとは何も話す話題が無くて、気まずい空気が家に漂った。俺はその空気をなくす為に口を開いた。
「シャワー浴びて来たら?」
「えっ?」
「体冷えてるでしょ。温めた方がいいからさ」
「分かりました」
俺ははるに浴室の場所を指差した。彼女はその方向へと歩いていった。俺は彼女の小さな背中を見送った。
リビングは俺一人になり静かな雰囲気が漂った。
その雰囲気が続いてると浴室からシャワーの音が聞こえて来た。
(何してればいいんだろう)
俺はこの時間何をしていればいいのか分からなかった。
ボッーとしていてもただ暇なだけだ。なので俺は一つ余っている部屋の掃除をする事にした。
この部屋をはるの寝室にしようと決めた。俺は来客ように一つ布団を持っていたので、はるの寝れる場所は確保できる。
(布団持っといて良かった)
俺は安堵しホッとため息をつく。
浴室から足音が聞こえてきた。はるが出てきたのだろう。はるの姿を見て俺は一つ忘れていた事があった。
それははるの服だ。はるは外に出ていた時に着ていた服しかない。今もその服を着ている。
俺の部屋には女子の衣服など一着も無い。まぁそれもそうだ。俺は一人暮らしで女子を泊めたことすらない。
「シャワーありがとうございました」
「あー。大丈夫だよ」
はるはシャワーを浴びて、髪が少し濡れている。その姿は何とも可愛らしさが漂っていた。
彼女は何処に座ればいいのか分からないのかリビングの真ん中で立っていた。俺は一つ余っている部屋を好きに使ってとはるに伝えた。
「ありがとうございます」
「別にその部屋好きに使っていいから」
「分かりました」
俺ははるの服の事が気になったが、体も冷えてきたのでシャワーを浴びることにした。
女子が入った後の浴室に入っていいのかと思ったが、風邪を引くのは嫌なのでシャワーを浴びた。
「どうしよう」
やはり服の事が気掛かりだ。はるは数日で帰る様子はないから、同じ服を着続けるのは衛生的に良くない。
浴室には水の音が流れているその中俺はどうするべきか考えた。女子の当て何なんていない。だから女子の衣類を調達する事が出来ない。
「明日買いに行くか」
あいにく明日は休日というかもう冬休みで俺は予定が空いてる。まぁ予定なんて悠真と遊びに行くぐらいなのだけど。彼女も年齢=彼女いないだから休日は殆ど暇だ。
しかし俺にファッションセンスの欠片も無い女子の服なんて買えるのかという疑問が浮かんだ。
「はると一緒に買いに行くのがいいのか?」
それが一番の解決策だろう。だがはるが外に出たいかは分からない。断られたら一人で買いにくいかどの服がいいのか聞くかだな。
まぁ、後者の選択が一番良いだろう。俺がかった服だと気に食わないと言われるかもしれない。
俺はどうするかと考えてシャワーを浴び終え、浴室を出た。着替えてリビングに向かうとはるがボッーと天井を見上げていた。
「大丈夫?」
はるはビクッと身体を動かした。
「大丈夫です」
「あれはるって高校生?」
「は、はい……」
「教科書類も家でしょ。
あれ?もう冬休み入ってるの?」
「い、一応入ってます」
「そっか……」
このまま家に泊めても良いが、子供が何日も帰ってこないと行方不明届や捜索をするだろう。泊める日数にも限界がありそうだ。
ふと時計を見ると時刻は二十三時を回っていた。もうこんなに経っていたのか。はると会い三、四時間は経っただろう。
「もう寝るか」
「分かりました」
俺は電気を消しはるの部屋とリビングの仕切りのドアを閉めた。そうして俺はリビングに布団を引き眠りについた。
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