第3話 救いのブルー!?
赤ちゃんを、保護した紅は、そのまま自宅へ帰っていた。
(思わず連れて帰ってきたけど、どうしたものかな〜子育てとかまったくわかんねーぞ・・・)
自分の身勝手行動に後悔の念を抱きながら、今後の行動をどうするか悩んでいると、玄関のチャイムが鳴った。
「まじかよ!こんなタイミングで!!現場だけ見たら誘拐・・・?いや!これは保護だ!でもバレないようにく静かにしててくれよ〜!」
優しく赤ちゃんを床に置き、インターホンへ行くと目深く帽子を被った人物が立っていた。
「どちら様で?」低く、脅すように言う。
「ヤッホー!僕だよー!!早く開けてれるかな?ファンに特定されちゃうよ??」
チャイムを鳴らしたのは他でもない、蒼だった。
「なんのようだ?」玄関を開けながら不躾に紅がたずねる。
そんな紅の態度を、蒼は気にせずいつも通りの紅だと感じた。
「いやね?チームリーダーが、突然のダッシュからジャンプ、その後すぐに帰宅したら、誰だって心配するでしょ??というか、何か隠し事してるよね?」
「・・・」
「ほら、沈黙も答えなり、だよ!とりあえず家に上がるね〜」
「あ!おい!まて!!」
紅と蒼は高校時代からの付き合いで、2人とも特殊な体質持ちというのもあって、部活などには所属せず、個人で申し込めるスポーツ大会に片っ端から応募しては
タイトルを総ナメする遊びをして、高校・大学を共にしていた。
元々、隠し事などはできない質の紅なのに、親友には尚更、隠せるはずもなかった。
リビングの椅子に勝手に座った蒼は、前置きなしで聞いてきた。
「それで?なにを隠してるの??」
「それは・・・」
言ってもいいのか迷いながらも、1人では対応仕切れないのもわかりきっていたから、直に諦め話し始めた。
「さっきの王食の爆発で吹き飛ばされていた赤ちゃんを、保護した、怪我等はしていない。」
「保護?別に普通じゃない??隠すようなことでもなくない??」
「いや、まぁ・・・保護して、連れてきちまった・・・」
「?・・・どこに?」
「ここ。」
「ここ?・・・ここ!?家に連れて帰ってきたのか!?それって誘拐じゃ・・」
「まて!!誘拐じゃない!保護だ!!断じて誘拐じゃない!!」
「まぁ、紅の事だからそうゆうのじゃないって、わかるけど・・・この先どうするの??」
蒼の純粋な疑問を受けた紅は、なぜだかすんなりと、覚悟を決めることができた。
「おれが・・・おれが、育てようと思う。」
覚悟は決まったが、それを言葉にするのは、また違った勇気が必要だったが、なんとか言えた自分に安堵してしまう。
そして、蒼には間違いなく止められると思った。
「いいんじゃない?てか、紅ならそう言うと思ったよ!なんとなくだけど!」
紅の予想とは真逆の答えに、紅がたじろいでしまうが、おかまいなしに、蒼は話続けていた。
「問題は色々ありまくりで、ありすぎるくらいだけど、、まずはあかちゃんに必要なものを揃えなきゃね!」
「お、おぉ・・・!何が必要かリストアップしよう!」
「まかせて!去年、姉貴が子ども産んでるから、色々わかるし、使わなくなったものとかもらえるか聞いて見るよ!」
さくさく決まっていくこの感覚を、高校時代にもあったななんて思い出しているうちにも、蒼と紅はリストアップをかんせいさていっていた。
不安で途方に暮れそうだった未来が急に開けたような、そんな気持ちになりながら。
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