第10話
これからどうなってしまうんだろう。
傷だかけの父が帰宅してからと言うもの、
まだ目を覚まさず、母はずっと父につきっきりで治癒魔法をかけ続けている。
治癒魔法をかけ、魔力が無くなれば気絶し、目が覚めれば治癒魔法をかけるのを繰り返しているようだ。
王都周辺に現れた魔物が思っていたより強く、
若い冒険者が殺されそうになるのを父が庇って怪我をしたそうだ。
なんとか魔物の討伐には成功したものの、
かなり上位の魔物だったらしく、死ぬ間際に呪いを撒き散らし、父は怪我の影響で逃げ遅れ、その呪いをモロにくらってしまったらしい。
「とーさん、治るかな」
俺の服の端をつまみながら心配そうにニーナが俺を見上げる。
「大丈夫!母様の治癒魔法は王国一だ!心配しなくても父様はすぐ元気になるよ。」
母はかなりの治癒魔法の使い手で父と結婚するまでは王国の聖女など呼ばれかなり有名だったそうだ。
父と結婚するとなったとき、医療関係者や若い冒険者の多くが涙を流したそうだ。
領地の運営は父に変わり、使用人達と協力しながら行っている。
中々順調とはいかないが俺も未来の領主として修行の合間に父から運営を教わっていたので現状何とか運営できている。
ほんと周りのみんなには助けられてばかりだ。
父は母がきっと治してくれる!
父が元気になったらこんなに俺は頑張ったんだぞ!とウガンさんの肉料理を食べながら自慢するんだ。
そう心に決めた。
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