第7話
「うーん、どうしたものか」
今日も今日とて修行に明け暮れた1日を終え、
夕食中に父が難しそうな顔をして呟く。
「王城からの手紙ですよね…」
母も心配そうな顔で尋ねる。
「そうなんだ、どうも凶悪な魔物が王都の近くに出たらしくてな、討伐の依頼が来た。」
「父様は貴族なのに討伐に行かなくてはいけないのですか?」
「どうやら高ランクの冒険者達は別の任務に当たっているらしく人手不足みたいでな、元Bランク冒険者の俺にまで参加してくれと依頼が来たんだ。」
「本当は私もついていきたいのですが」
そう言いながら母は少し膨らんできた自分のお腹をさすりながら呟く。
「いいんだ!現役の冒険者達が前線に出るから俺は後方支援のようだし、リーンは子供の為にいっぱい食べてゆっくり休んでいてくれ。」
「大丈夫ですよ!父様や母様のおかげで僕も強くなりましたし、父様が不在の間、僕が母様やニーナを守ってみせます!」
「俺もいるんで旦那様は心配せずに任務に当たってくださいや!」
ウガンさんが丸太のような腕に力こぶを作りながら言う。
「ふふ、皆んな頼り甲斐があるな、じゃあ明日から王都に旅立つ。
少しの間家を空けるが頼んだよ、期待してるよカイン」
「はい!父様!」
俺は少し逞しくなった胸板を叩きながら言う。
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