第3話

気がつくと俺は見慣れない天井を見上げながらフカフカの布に包まれていた。

今まで柔らかい布団で寝たことが無い俺はこれがベットだと気づくのにしばし時間がかかった。


慣れない感触に居心地が悪くなり起き上がろうとしたところで体が自由に動かせない事に気がつく。


「ふごっ、あぁ!?」


なんだこれは!?と言おうとしたけど口に出たのは言葉では無く声。


理解ができず混乱している俺の近くに人の気配を感じた。


「あらぁ、目が覚めたんですか?カーくん」


そう言って俺を覗き込んできたのは長く綺麗な金色の髪をした青い目をした非常に顔の整った非常に大きな女性だった。

しかしそのまま抱き上げられる事で女性が大きいのでは無く、自分が小さくなったのだと気がつく。

おそらく、俺は赤ちゃんだ。

喋れない事や、思うように体動かせ無い事。

何よりこの女性が巨大であることから俺はありえない事ながら冷静に考える。


「お腹が空いてるんでちゅか〜」


そう言いながら女性は服をはだけさせ胸を露出させる。

いきなりの事態に目を白黒させている俺の口元に豊満な胸が差し出される。

あぁ、これがおっぱいかぁ

生涯童貞だった俺は初めてのおっぱいの感触を楽しみながら母乳を吸う。

そうするべきかのように自然に体が動いた。

しかし、不思議と性的興奮はない。

俺が赤ちゃんだからなのかそれとも彼女が母親なのだからか。



腹が満たされていくのを感じながら

白い子供のような人型を思い出す。


あぁ、転生できるというのは本当だったんだなぁ


転生した喜びを噛み締めながら満腹になった事で睡魔が俺を襲いまた意識を手放す。

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