第一章:不死身の勇者ろうらく作戦
第9話副長ヴァリネス・イザイア
反乱を決意して迎えた、最初の朝___。
オーマは、また、いつものレムザン通りを歩いていた。
反乱に協力してもらう人物と会うべく、待ち合わせ場所へと向かっている。
待ち合わせにはまだ時間があるのだが、内容が内容なだけに気持ちが急いてしまい、足早になる。
そのため、夜と違って人通りが少ないとはいえ、オーマを知る者達が先日と同様に声を掛けられないでいた。
そうとは知らないオーマは、気にせず通りを歩き、途中からレムザン通りの裏通りに入って行く。
そこから更に、入り組んだ道を進むと、目的地の小ぢんまりとした酒場に到着した。
紅い背景に熊の横顔が描かれた、木造の看板がぶら下がっており、店の木造の扉に“レッドベア”と書かれている。
店は開いていない。だが、オーマは気にする風もなく、店に入っていった____。
酒場レッドベア____。
雷鼠戦士団が設立される前に、オーマが所属していた、炎熊戦士団(フレイムベアーズ)の団長、デネファー・ロイゲルという人物が、軍を退役した後に開いた店で、サンダーラッツ幹部達の行き付けだ。
店に入って左手にカウンター、右手にテーブルが3つ、1人で店を切り盛りできる席数で、内装は質素ながら、家具も部屋も綺麗で手入れが行き届いている。
必要な物しか置いておらず、必要な物が大事に使われている。
荒くれ者が多く、喧嘩などもよく起きるこの界隈の店では、かなり綺麗な方だ。
それは、この店の主人のデネファーが現役時代、それなりに名の知れた強者だったからだ。
ゆえに、この店で揉め事を起こす者はいない。
そのため、この界隈では、静かにお酒が飲める数少ない店として、一定の人気がある。
「失礼します。デネファーさん、居るかい?」
すこし大きめの声だけで、店内と店の奥まで声が響く。
そして、店の奥から、オーマと同じ位の背丈ながら、オーマより厚みのある胸板を持った、茶色い髭とオールバックの髪の男が現れ、大きい口をニカッと歯を見せて笑い、オーマを出迎えてくれた。
「よお!オーマじゃないか。元気か?帰ってたんだな。遠征はどうだった?」
「ご無沙汰です、デネファーさん。遠征は無事終わりました。いつも通り、やるべきことしかやってませんから」
「そうか、まあ、無事ならいい。今日はどうした?昼に来たってことは、挨拶だけじゃなくいつものか?」
「はい、そうです。地下、お借りできますか?」
「ああ、かまわないぞ」
オーマは、サンダーラッツの隊長達と幹部会議を開く際は、この店の地下をよく使わせてもらっている。
店の地下の食糧庫にテーブルを設けてもらっており、そこに集まる。
地下なので人に聞かれる心配がない。
抹殺事件以降は、軍の宿舎など、誰が聞いているか分からない場所では会議を避けるようになっていた。
公共の施設を使う場合は、周囲に聞かれていると思って会議をしている。
オーマにとって、デネファーは元上官であり、オルド師団長同様に抹殺事件の際、オーマを助けてくれた恩人でもある。
能力も人格も信頼できる人物だ。
余談だが、会議中に酒に手を付けても、多少なら許してもらえる。
大抵は、飲み始めると皆飲み過ぎて、お代を払っているが・・・。
つまりは、事件以降にオーマ達が人目を気にせず羽目を外せる、数少ない場所というわけだ。
「ありがとうございます。ヴァリネスにここで待ち合わせるよう伝えてあるので、彼女も直に来ると思います」
「なんだぁ?すでに呼んであるのか?ったく、店主に一言断ってからにしろよな」
「すいません、ちょっと気を回す余裕が無くて・・・」
「?・・・深刻なヤツか?」
軽い冗談のつもりで言った嫌味に対して、オーマからやや暗い反応が帰ってくる。
そのことで、デネファーは事の深刻さを感じ取り、表情が真剣なものに変わる。
「・・・ひょっとしたら、また来たのかもしれません」
「・・・そうか」
何が来たかをはっきり言わないことで、デネファーは逆に気付く。
“第一貴族に使い捨てにされる任務”が回ってきたのだと・・・。
「下は好きなように使え。今日は特別に酒も好きなだけ飲んで良いぞ・・・幸運を祈る」
「ありがとうございます」
デネファーに少しだけ慰められたオーマは、地下に下りて待ち合わせの人物を待つのだった____。
オーマが地下に下りて30分程が経ったころ、明るく陽気な女性の声が、上から聞こえてきた。
はっきりとは聞き取れないが、オーマの待つ人物がデネファーに挨拶をしているのだと分かる。
それから女性は、トンットンットンッと、軽快な足取りで、木製の階段を鳴らして下りてくる。
そして、足音がドアの前で止まると、バンッと、勢いよくドアが開いた。
「ハーイ♪団長、来たわよー♪」
バーミリオンのストレートのロングヘアの女性。
りりしく力強い目で、口がやや大きく、大人っぽい色気のある顔立ちの美人だ。
だがそれでいて、陽気なテンションとニンマリと笑う笑顔には幼さもあって可愛いらしさもある。
背は高くないが、鍛えこまれていて無駄な贅肉が無く、スタイルが良いため、スラッとした印象がある。
そんな容姿と、挨拶から感じ取れるのは、“明るく頼りになるお姉さん”という雰囲気。
“雷鼠戦士団副団長、ヴァリネス・イザイア”
オーマが最も頼りにしており、重宝している人物である。
「副長、よく来てくれた。まあ、座って楽にしてくれ」
「ありがとう♪って、団長の部屋じゃないでしょーが。まあ、遠慮しないけどね。でも本当に楽にして良いの?なら一杯やるけど?」
「早速飲むのか?」
「駆けつけ三杯って言うでしょ?」
「一杯じゃねーのかよ」
「いいじゃんいいじゃん♪細かいことは。でも、呼び出したのって、宰相から呼び出しの件でしょ?ならやめとこうかと思ったんだけど」
「そうだ、宰相の件だ。話が長くなるから、楽にしてくれってことだ。酒は話が終わってからにしよう」
軍人として呼び出されておきながら、酒を飲もうとするのは少し不謹慎だが、いつものことである。
団長からの呼び出しでも、この酒場の地下に集まったときは、重要な案件から気楽な世間話まであるので、事前に重要案件だと通告していないときは無礼講だ。
飲酒も自由で、皆勝手に飲み食いを始める。
そういった意味では、呼び出しの理由を薄々理解して、断わりを入れたのは、ヴァリネスの気遣いだった。
深刻な話と感じながらも、明るく振る舞うのが、副長ヴァリネス・イザイアの個性だ。
一見すると、不謹慎に見られる個性だが、オーマにとっては長所だ。
物怖じしない性格で、どんな戦場でも暗い雰囲気を漂わせない。
やや感情的だったりするので、一部から空気の読めないヤツと言われることもあるが、団長であるオーマにとっては、ムードメーカーとして、感謝することの方が多い。
また、自分の気持ちを偽らず、本音で話してくれるところも気に入っている。
ヴァリネスは大抵、誰が相手でも取り繕うことなく話す。
これも、一部の人間はデリカシーが無いなどと思うだろうが、オーマは好感を持っている。
ヴァリネスの正直な性格は、変に取り繕わないので、どんな意見を言ってもオーマにとって不快にならない。
オーマは、団長は立場に囚われず、誰からの意見でも耳を傾けるべきと考えている。
だが、頭でそう思っていても、いつもその余裕があるわけではない。戦場なら尚更である。
それだけに、自分に対して否定的な意見を言っても不快にならず、素直に聞き入れられるヴァリネスの気質は、オーマが団長として隊を指揮する上で、必要不可欠と言える。
能力も優秀で、指揮能力も戦闘力も、オーマや他の団長達に引けを取らない。
本人が面倒臭がって申請しないだけで、団長にだってなれる能力と実績がある。
だがそれでも、オーマが一番評価しているのはヴァリネスの人間性だ。
今もその性格のおかげで、ヴァリネスの軽口に対して“酒は後にしよう”=“話が終わったら一緒に飲もう”と言えるほどオーマはリラックスしている。
自分のペースが戻ってきている証拠だ。
だからこそ、オーマが問題を抱えたとき、真っ先に相談に乗ってもらうのは、このヴァリネスだった。
「フフッ」
「あん?どったの団長?」
「いや、少し気が滅入っていたが、副長のおかげで調子が戻ってきていると感じてな、ホント頼りになるよ」
「何それ、口説いているの?言っとくけど私は年下好きなのよ。団長は年上じゃ好きな方だけど、他に本命がいるのよー、残念」
「そうじゃねーよ!それに、お前の好みは知っている」
「そう?」
「お前は自分の欲望を隠さないからな」
「そうだっけ?・・あー、でもそれだと、相談内容がやばいってこと?」
「察しが良いところも好きだぜ、副長」
「あー、そー、ん-・・・帰っていい?」
「頼むよ、副長」
「もう~、しょうがないなー!お姉さんに話してごらんなさい!」
「年下じゃねーかよ。まあいい、聞いてくれ」
そう言って苦笑いを浮かべつつ、オーマは事の次第を話始めた。
魔王の誕生が近いこと。宰相の作戦内容。その作戦の真意。
事実から推測まで、全てを話す。
抱えていたものを全て吐き出して行き、オーマの気持ちはどんどん軽くなり、表情が明るくなっていく。
それとは対照的に、ヴァリネスの表情は引きつっていった_____。
オーマが全てを話し終わった後、ヴァリネスは一滴の冷や汗を、頬になぞらせて呟いた。
「___詰んでんじゃん」
「そうだ。このままだと死ぬ。だから、勇者候補達を何とか俺達側に引き込んで、身を守らなくてはならない。協力してくれ」
「嫌ッ!!」
「早ッ!?少しは考えてくれよ!」
「そりゃそーよ!要するに、団長と帝国に反逆するってことじゃん!さすがに団長のために帝国を敵に回すなんて無理ッ!」
「長い付き合いなんだから、そんなあっさり見捨てないでくれよ~、仲間じゃないか」
「自分の身の安全のためなら私、団長を見捨てることも惜しまない」
「少しは惜しんでくれよ・・・でも、ま、そうだろうな」
予想は付いていたため、オーマはそんなに気にしていなかった。
それが普通だし、ヴァリネスはそのことを隠さない。
色々な腹の探り合いをしてきたオーマにとって、腹を探る必要のないヴァリネスの態度は、むしろ好感が持てる。
そして、そうなると分かっていたので、用意していた説得手段を試みる。
「だが、副長?上に切り捨てられるのが、俺だけだとは限らないぞ?」
「へっ?」
「当然だろ?第一貴族のやり方は知っているだろう。俺が切り捨てられるのは勿論だろうが、他の連中はどうかな?副長は特にヤバいと思うぞ?」
「な、何を・・・私を巻き込みたいからって適当な事言わないでよ」
「言っているように思うか?副長の中の貴族達は、そんなに良い奴らか?」
「うっ・・・い、今からでも、貴族様に媚びを売れば・・・」
「優秀な貴族には通じん。第二貴族の連中なら通じる奴もいるだろうが、大した奴らじゃないし、その日から下卑た笑みを見ながらセクハラに耐える日々だ。がんばれ」
「それは嫌・・・じゃ、じゃー反乱を起こそうとしている団長を手土産にすればー・・・」
「まだ、話しているだけだから証拠ないだろ。仮にそうなったら、そのときは事情を知ってしまった副長が、俺の代わりにこの作戦を引き継ぐ事になるだろう」
「ウゲッ!・・・んー、なら、任務が上手く行った後に、団長を告発するってのはどう?」
「本人に言うな。何で相談口調なんだよ。言っておくが、この作戦を遂行するにあたって、かなりの権限を行使することができる。その権力で作戦中にお前を抹殺するのは簡単だぞ?」
「何よそれー!?団長!私を切り捨てる気!?」
「(副長の声マネ)自分の身の安全のためなら私、副長を見捨てることも惜しまない!」
「少しは惜しんでよ!仲間でしょ!?」
「そうだよな~。俺達仲間だよな~~(ニンマリ)」
「うーー(泣)!!」
「そう睨むなよ。本々の原因は俺じゃないだろ?それにな、仮に作戦が上手く行った上で、俺を出し抜けたとしよう。その後はどうなる?」
「ど、どうって?」
「誕生した魔王との戦いに駆り出されて、恐らく死ぬぞ?無事生き残れたとしても、勇者が居れば自身の軍での立場はどうなる?」
「・・・・用済み?」
「恐らくな」
「なによ・・・何よ、何よ!私も詰んでるの!?」
「な?だからもう、俺達はやるしかないんだよ」
「えー・・・で、でもー」
「・・・そろそろ、おふざけは止めよう、副長」
「えっ?」
「分かってたんだろ?」
そうオーマに指摘され、ヴァリネスから焦りの表情が消え、観念したかのように、態度が変わる。
「はあ・・・分かっていたからって、割り切れるもんじゃないでしょ・・・」
怠そうな態度で頭を掻きながら、落ち着いたトーンで本心を見せる。
「あの事件で、切り捨てにあったのは団長だけだったけど、私も危ないって思ったもの。あんなことがあって、自分だけは大丈夫だって高を括るほど馬鹿じゃないわよ。だから、団長が宰相に呼び出された後に、この店に私を呼び出した時点で、嫌な予感してたわ」
「さすがだな。なら当然、答えも分かるだろ?」
「分かるけどぉ―!あぁー!!もー!気が乗らない!やりたくない!!」
「まだその気になれんか?」
「そりゃ、そーでしょ!反乱なんて、直ぐに割り切ってできるもんじゃないでしょ!?」
ヴァリネスは今度こそ本気で嫌がり、手足をバタバタさせて愚痴りだした。
「なんでこんなことになるのよー!ッもう最悪!私が軍に入ったのは、男がいっぱい居るからよ!?良い男一杯見つかるかな、って思ってたのに!結局、お気に入りは1人しか見つかんないし!そうこうしている内にお役御免ってなんなのよ!?何が反乱よ!!私はねぇ・・・私は・・・私は!私は良い男を囲って、ハーレム作りたかっただけなのに~~!!」
愚痴ではなく、魂の叫びだった___。
「うーん、清々しいほど自分に正直だな。だが結局、ハーレムどころか恋人1人できなかったわけだ・・・同情はせんが」
「う~(泣)!少しは同情してよ!!」
「いや、俺も同じだし」
「?・・・ハーレム作りたかったの?」
「ちげーよ!!恋人作れなかったってことだよ!・・・って、でもだったら、ハーレム作ればいいだろ?」
「えっ?」
「帝国を裏切るんだから、独立することになるだろう。何かの団体、場合によっては国を立ち上げてな。そうなったら当然、副長にもそれなりの地位に就いてもらうんだ。ハーレム位いけるだろ・・・多分」
自分でもいい加減だなーと思いながら提案したが、ヴァリネスは喰いついてきた。
「え?ウソ?マジ?いいの?ハーレム作って?」
「俺は否定しない。いや、この計画に乗ってくれるのなら、手伝いだってするぞ?こっちも勇者候補の子達を手伝ってもらうわけだし」
「手伝うって?」
「最低でも、副長とロジの仲は取り持つよ」
「賭(の)っっったーーーーー!!」
上の階でガタンッという音が聞こえた。
どうやら、副長の魂の叫びは上の階に居るデネファーにまで届いたようだ。
目の前のオーマも当然驚く。
「うおっ!?びっくりした!」
「なによー♪も―♪そういう事なら先に言ってよ、団長!人が悪い♪」
ノリノリ上機嫌だ____。
最初に部屋に入ってきた時も明るかったが、やはり気を使っていたのだと分かるほど、今のヴァリネスの声と表情は明るい。
だが、その明るさは、はたから見て、狂気を含んでいると分かる。
肉食動物が大好物の獲物を前に、舌なめずりをしている様なやばさがある・・・。
「ロジ君が手に入るなら、私、何でもするわ!」
「そ、そうか・・・正直と言うか、欲望に忠実と言うか・・・」
「何?何か言った?」
「い、いや、やる気になってくれて嬉しいぞ、副長」
やる気になって、野心(下心)をむき出しにしている副長を見ながら、オーマは内心で胸をなでおろす。
副長の人間性を買っているオーマだが、その最たる理由が、この“扱いやすさ”だった。
欲望に忠実で、バカ正直なところもあるため、気持ちが手に取るようにわかるのだ。
軍に入った理由の“いい男を漁るため”というのも、以前から暴露しており、中でもサンダーラッツの突撃隊長のロジ・レンデルにべた惚れしているのは、ロジ以外の団員の間では周知の事実だったりする。
だから、ヴァリネス自身の人生も詰んでいると理解してもらったうえで、ロジとの仲を取り持つと言えばやる気になると踏んでいたのだ。
そして、結果はオーマがドン引きするほど上手くいったのだった___。
(二人の恋を取り持つというより、ロジを生贄にしたような気分で、なんだか申し訳ない気もするが・・・あ、そういえば)
「時に副長」
「何かね、同志オーマ」
「急にどうした(笑)。あ、いや、この話、他の隊長達に伝えるか迷っててな」
「・・・何で?」
「俺と副長は引き返せないだろうが、あいつらには反乱の事は伝えず、作戦の事だけ教える形にすれば、最悪巻き込まずに___」
「巻き込みましょう」
「・・・・・」
「巻き込みましょう」
「容赦ないな」
「あー、もう!なに、出だしから日和ってんのよ!団長と私が切り捨てられたら、あの子達も無事で済むわけないじゃない!」
「い、いや、でも命だけなら助けられるかもと・・・」
「無理よ!私に第一貴族のやり口を説いた団長がそれを言う!?あの子たちはあれで、結構団長のこと慕ってるのよ?第一貴族じゃなくても、そんなこと簡単に調べが付くわ!」
「むっ・・・そ、そうだな」
「いい?この作戦が私達に下りた以上、もう私達はハーレムを作るしかないの!」
「ハーレム作る必要はないだろう(汗)」
「団長が勇者を中心にしたハーレムを作り、私もロジ君を中心としたハーレムを作る!そうして作り上げた真実の愛で、帝国の悪しき支配から解き放たれるのよ!!」
「ハーレムにあるのは欲望で、解き放つものは性では?」
「愛は全てを満たすって言うでしょ?なら欲望だって満たされるべきよ!」
「すげー理屈だな」
「何よ団長!ノリが悪い!やらなきゃならんと言ったのは団長でしょ!」
「お、おお。そうだな。副長の主張がすごくて少し引いてしまった。すまん。そうだよな、俺から言い出したことだ」
「そう!もう走り出した私達は止まれないの!二人のハーレムを作るしかないの!打倒帝国よ!!」
「お、おお!!(帝国を打倒する気も、ハーレムを作る気もなかったのだが・・・)」
“勇者候補達を味方につけて、帝国から身を守る”というのが、“ハーレム作って帝国を倒す!”になっていることに疑問を抱くが、これ以上揚げ足をとると、ヴァリネスが拗ねて面倒臭くなりそうなので、とりあえず合わせるオーマだった・・・。
「さーて、いっちょやってやりましょう!前祝いよ!カンパーイ!!」
「か、乾杯!」
二人は、そのまま地下で飲み始め、店がオープンした後は、店で朝まで飲み明かした。
次の日、二日酔いで動けず、隊長達の招集は数日遅れるはめになった___。
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