第32話

 10月も今日で最後、明日からもう11月だ。

 そろそろ早先生に今後の事を伝えなければと思いつつ、まだ何処か迷っている僕がいる。

 

 9月に東京へ行って和井さんと壱、僕の家族に会い今後の僕を変える案件を岐阜に持って帰って、そのあと令にも会えてアドバイスはもらった。

 毎日頭から離れない、最終的ににどうするのか纏まらない。

 僕は考えるのに疲れてしまった、時間だけはどんどん過ぎる。


 僕は帰り際、(少し相談がありますので近いうちにお時間取ってくれませんか?)と早先生に言った。

 言ったと言うか、言ってしまった。僕の口からなぜ今その言葉が出てたのか、自分で自分にびっくりした。


 いつもの清潭な顔が僅かに驚きに変り、

「ああ、いいよ、今度の日曜日、家においで。お昼を一緒に食べよう、

(たまには呼べよ、少しくらい話がしたい)ってこの前ちょうど圭が言っていたよ、圭がいない方が良いなら、土曜日の夜飲みに行こう」

 気軽に言ってくれて、助かった。


「日曜日お昼ごろ、お伺いします。ありがとうございます」


「ああ、待っている」


 僕は、お疲れさまでしたと言って帰った。


 帰り道、結論は決まったか?と自分に聞いたが返事ない。早先生に結論を伝えたいが、やはり相談になりそうだ。

 歩きながら考えていたら、あっと言う間にアパートに着いた。

 速攻でシャワーを浴び、冷凍のパスタを温めた。

 食べ終わっても落ち着かないので、今の想いを文章に書いた。


 たぶん、何もない生活が心地がいいんだろうな、寂しと思わない僕はなんなんだ。

 東京

 岐阜

選べるか?

 偽りの僕が本来の僕になったのか、今の僕が強がってがいるだけの偽りなのか?


 あぁー面倒な事考えてしまった。

頭の中が疲れた。やはり相談だ…

右往左往している…


 働くって、こう言う事なのか、自分でしっかり軸を決める

 軸ってなんだ


 人が苦手だと思っていた、仕事だと言葉がすらすら出る


 やっぱりプライベートは、人が苦手だ、

岐阜にいると、どうなる?

どうにもならない

毎日同じように、過ぎて行くか…たぶん


 東京に行くとどうなるか?

教えてもらう先生が変わる、

家族という現実が近い (少し煩わしい)

壱が、近い (うーん難しい)


 仕事はどっちでも良い


 プライベートが楽なのは岐阜



書いて見て、少しはっきりした。


ソファに座り、ゴロンと横になった。



 

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