第29話

 夜、岐阜のアパートに帰宅後、昨日今日の二日間に色々あり過ぎて疲れたなあと思いながらレトルトのカレー3袋を温めた。

ご飯も温めようと思ったが、ストック切れだった。いつも大量に温めるだけのパックご飯をストックしていたつもりが、今日に限って1個もない。

 (まあいいやカレーだけ食べよう)

 つい独り言を言ってしまった。


 コンビニに行く気力もなかった。


 カレーを食べ終わり物足りないと思いながら、いつものクセでソファに横になってゴロゴロした。

 何か食べようかと考えていたら、珍しく連絡アプリの音がピロンと鳴り一瞬、壱からかと思った。


(久しぶり、元気か?

 働いているか?)

令から、だった。


(まあ元気。なんとか仕事は続いている)


(オッ、良かった。今度の土曜日飲もう、

 都合は?)


(いいねえ、僕の家?外?令の家?)


(おれの家、夕方5時)


(了解)


 令の家は、一駅乗って県庁所在地の大学病院の近くの1kのマンションだった。

 土曜日が楽しみだ。


 少し元気が出たので、コンビニに直ぐ食べられる食料を買い出しに行く事にした。

 ついさっき、駅から帰宅途中は気づかなかったが、とても月が綺麗な夜だった。


 月曜日の朝に職場で、実家に週末帰ってきたと早先生に報告した。

 忙しかったなと労ってくれた。


 早先生に、これからの事を相談しようか迷っていたが、自分の気持ちがあやふやなので、ちゃんと考えてからにしよう、まず令の意見も聞こうとぐるぐる考えていたら、あっという間に一週間が過ぎて土曜日になった。

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