第20話


 僕の仕事先は一週間のお盆休みがあるという。前半3日間は東京へ行ってアパートの片づけと実家へ顔を出す予定だ。


 壱が東京へ帰った後、あまり時間を置かずアパートに片付けに行く予定だったが、なにかと忙しく2か月以上過ぎてしまった。壱から連絡はあの後から一切ない、僕からも連絡していない。


 明日からお盆休みなので今日中に部屋を掃除しようと考えていたら、


(元気ですか? 愛)

連絡アプリがなった。


打ち込みが、面倒で

(電話良い?)と、僕が返信すると直ぐ電話がかかってきた。


(成、どう元気?)


(元気だよ、愛ちゃんは?)


(私は元気だけど、……壱と何かあった?うぅんなんて聞けば良いんだろう?振った?)


(えっ、なんで壱が出てくるの?)


(えっ〜と、この前実家に行ったら、お母さんが成くんと壱、もしかして別れたって、私に聞いてきて、なんでそう思うの?って逆にお母さんに聞いたら、前の日珍しく壱が実家に行ったらしく、変わり様にビックリした見たい)


(えっ、変わったの?)


(私は壱にずっと会ってないから何とも言えないけどね、どんな風に変わったかは聞かなかった)


(ふぅん、そっか、明日東京のアパートの僕の荷物片付けに行くつもり)


(えっ、明日東京に来るの?)


(うん、片付けと実家に顔出し、東京のお盆は7月に終わっているけど、こっちは今お盆休みっていうんだよ)


(それくらい私も知っているよ、明日の夜片付け手伝いに行くね、…ちょっと聞くけど片付けって引き払うって事?)


(引き払う事だよ、手伝い助かる)


(壱には言った?)


(片付け終わったら、言おうと思っている)


(わかった、じぁ明日ね)


(会えるの楽しみだ、じゃあ)


 久しぶりの愛ちゃんに会えると思うと、東京行きも悪くないかと思った。




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