第2話 発見、歴史研究部

 イルマちゃんの突発的ヒーロー名から、翌日の昼休み……。


 俺と仲良くなったということもあり、クラスでの食事を少なくしたらしいイルマちゃんは、何故かサクラちゃんと共に、用務員室で昼食を取ることが多くなった。


 本人曰く、同じ秘密を抱えているのだから、いつでも話し合える状況の方がいい。との、ことだがーー。



「あのね、大海原さん。いつも言っているけれど、ここは、生徒が食事をする場所じゃないのよ?」

「まぁまぁ。そう言わないの、井上さん。あんまり細かいこと気にしてると、どこかの厚化粧をしたおばさんみたいになるわよ?」


「こら。化粧は、女性にとって必要なことよ。あまり、そういう言い方をしない」

「はーい。ていっても、あのおばさんには、それくらいがちょうどいいけどねっと!」

「あっ! むー。イルマさん?」



 何度目かわからない井上さんの注意に対して、わりと危なそうな発言をしたイルマちゃんは、反省をするつもりがないのかーー隣に座っていたサクラちゃんのお弁当から、勝手に卵焼きをとってしまう。


 ははっ。またやってるよ。



「う~ん! うまい! サクラって、本当に料理が上手よね!」

「そっ、そうですか? そんなことないと思いますけど……」


「いやいや。いつも自分でお弁当を作っているんだから、イルマちゃんの言う通りだよ。そこは、誇っていいと思うよ?」

「そうそう。いや~、どっかの誰かが羨ましいわね~。誰とは言わないけれどさっと!」



 と、冗談抜きでやめてほしいことを口にしつつ、俺の弁当からも卵焼きをかすめ取るイルマちゃん。


 井上さんは、意外と鋭いんだから……勘弁してくれよ。



「あなたが、そんな調子だからここに彼女達が来るのよ。今のだって、きちんと注意しないと」


「えっ!? すっ、すいません」

「どんまーい六道」

「遠藤さんでしょう? まったく」



 と、呆れたようにため息をついた井上さんは、それ以上は注意をしないことにしたのか、黙々とご飯を食べ続ける。


 しかし……昨日の訓練が、地味に身体きている気がする。

 なんか、下半身が筋肉痛で痛むのだが?



「そういえば、サクラ。部活とかは、もう決めたの?」

「へっ? ぶっ、部活……ですか?」



 そうそう。

 と、食べ物を口に入れつつ答えるイルマちゃんの様子に、またも井上さんが厳しい視線を向ける。



「そういえば、井上さん。この学校は、部活動が多いですよね?」


「……そうね。確かに、多いと思うわ。良くも悪くも、生徒の自由性を大切にしている学校だから。そのせいで、どこかの誰かが、球技大会を一般開放するなんて無茶をしでかしたとしても、通るし」



 うぐっ!?

 イルマちゃんを助けようとしたら、まさかの俺に対する攻撃がきてしまった。


 けど、あの件には、井上さんも巻きこんだことだしーーここは、甘んじて受け入れるしかないか。



「サクラは、転校してきたからさ。まだ、今月中ならどこの部活でも受け入れてくれるんじゃない? あたしのオススメは、もちろんサッカー部! というより、運動部とかいいと思う!」


「香林さんにオススメする前に、大海原さんは、一つの部活にそろそろ決めたらどうかしら? この前、副会長さんが頭を抱えていたわよ」



 うん? 

 一つの部活?

 と、井上さんが、二人の会話に割りこむと、まるでイタズラがバレた子どものように、頭をかきつつ苦笑いするイルマちゃん。



「あれ? イルマちゃんは、サッカー部じゃないの?」

「基本的には、そうよ。でも、たま~に助っ人頼まれる時があってさ。その時は、他の部活を助けてるって感じ」


「言うほど簡単じゃないわ。つまりは、その部活にも在籍しているって、証明をすることになるもの」

「……つまり、色々な部活に入っていると」



 へー。

 大学時代には、そういう人も何人かいたけれどーー中学生でかけ持ちしているのか。

 すごいな。



「一応言っておくけれど、誉められることじゃないから」



 などと感心していると、井上さんから鋭い視線で注意をうけてしまう。

 へっ?


「えっ? そうなんですか?」

「色々とやっかいなのよ。何より、学業に支障がでるわ」



 あっ!

 それは、そうか。



「まぁまぁ。それより、今はサクラでしょう。どうよサクラ! サッカー部!」

「えっ!? さっ、サッカー部は、ちょっと……」


「あっ、そう。なら、他の運動部なら~」

「いや。サクラちゃんなら、運動部以外の方があっているんじゃないかな?」



 と、何故か頑なに運動部をオススメし続けているイルマちゃんへと、俺がやんわりとサクラちゃんが思っていそうなことを伝えるとーー。

 何故か、口をへの字にするイルマちゃん。



「ダメよ。絶対運動部がいい」



 こらこら。



「いやいや。さすがに、それはダメだよイルマちゃん。部活選びなんてのは、自分が好きな所を選ぶものだからさ。強制をしたら、サクラちゃんがかわいそうだよ?」


「いや。あたしらには、大事なことがあるでしょう? それなら、身体を鍛えられる運動部の方が」

「それでも。だよ」



 と、さすがにそれを許す訳にはいかなかった為、俺が少し強めに言うと、仕方ないとばかりに大きなため息をつくイルマちゃん。



「わかったわよ。それなら、今日の放課後、色々な部活を見て回る? 案内なら、任せてちょうだい!」


「あっ、はい! ありがとうございます……あの~、もしよければ、遠藤さんも、ご一緒してくれますか?」

「えっ? あー」



 それは、さすがに……。

 と、横目で井上さんを見ると、これまた仕方ないというように、大きなため息をつく。



「まだ、学校内の全てを把握しきれている訳ではないしーーちょうどいいかもしれないわね。だけど、今回だけの特例よ?」

「あっ、ありがとうございます」



 本当、井上さんには、迷惑ばっかりかけているな。









「どうだった? ここ! って部活あった?」

「えっと……すいません。今のところは、何とも言えずといいますか」

「まぁ、あれだけあると、決めるのも大変だよね」


 部活探しを初めてから、ちょうど一時間ほどたった頃……。


 既に、数十を越える部活を見てまわった俺達は、休憩も含めて、空き教室の一角に集まり、そんなことを話していた。


 しかし、本当に多いな……この学校。

 料理部とか、化学部とかーー囲碁と将棋なんて、一つにまとめても良くないか?

 

 これでも、まだ半分とかイルマちゃんは、言うし……。

 いやはや、恐るべしーー中学生の頭の柔軟さ。

 

 と、ただ付き添っているだけだというのに、既に疲れてきていた俺がそんなことを思っていると、まだ元気があるらしいイルマちゃんが、何やらサクラちゃんに、残りの部活を紹介し始める。


「美術部でしょう? それと、農業部。あとは、歴史研究部なんてものあるわね」

「れっ!? そっ、そこは、どんな所なんですか?」


「へっ? 歴史研究部?」

「はい!」



 あっ。

 歴史好きなサクラちゃんが、食いついた。



「うーん、どんな所か~。ごめん。正直、見たことないからさ。どんな所かは、わからないけど、案内ならできるわよ?」

「ぜひ、お願いします!」



 それじゃ、すぐそこだし行きますか。

 という、イルマちゃんの声かけによって、少しテンションが上がったらしいサクラちゃんが、即座についていく。


 まっ、マジか……。

 やっと座れたと思ったのに。

 と、このまま動かないでいると、どうせイルマちゃんから、若いくせに! とか何とか言われるのは、間違いない。


 なので、仕方なく二人の後を追うとーー。

 学校内でも、かなり奥まった空き教室らへん。

 そこで、何やらイルマちゃんと誰かが、すでに会話しているところだった。



「おっ、大海原イルマ!? ううっん! 何用かな?」

「おぉ~。誰かと思えば、じゃん。おひさー」


「おひっ!? 失礼な! 君とは、同じクラスだろう! 断じて、お久しぶりではない!」



 と、メガネをあげつつ、イルマちゃんの軽いノリにツッコミをいれているのは、見知らぬ男子生徒。


 身長は中学生にしては、それなりに高く、体つきは、逆にずいぶんと細い気がする。

 というのもーー割りと平均的な男性の腕周りである俺よりも、倍は細い。


 おそらく、会話からして、イルマちゃんの知り合いなのだろうけど。



「えっと……」

「あぁ、ごめんごめんサクラ。紹介するわね。こいつは、細田学ほそだまなぶ。あたしと同じ小学校で、昔から頭が良くてさ~。しかも、ガリガリに細いから、学って名前と細田の細からとって、ガリ勉っていう愛称あいしょうで呼ばれているのよ」


「紹介ならば、きちんとした紹介をしたまえ!! 断じて! 僕は! ガリ勉などというあだ名を許した覚えはないぞ! 大海原イルマ!」


「で、こっちが香林サクラ。そして、用務員の遠藤六道よ」

「無視をするな~!」



 ……これまた、致命的に相性が会わない二人だな。

 と、一応紹介された為、サクラちゃんと揃って頭を下げる。


 すると、やはり見た目通り真面目な子だったらしいマナブくんは、咳払いを一度すると、お手本のような綺麗な一礼を返してしてくれた。



「初めまして、遠藤さん。そして、自己紹介が不要なほど知っていますとも、香林さん。なにせ、同じクラスですからな」

「あっ。そっ、そうですね」


「えぇ、そうですとも。そして、実はーーあなたを密かに、危険視していました」



 うん?

 危険視?



「風のうわさで聞い」

「なによガリ勉。サクラに惚れたの?」


「ちっが~う! 僕がまだ、話している最中でしょうが!! あいかわらず、自由奔放だな! 大海原イルマ!!」

「なんだ。つまんないの」


「キミの興味のあるなしで、人の話の邪魔をするな! 昔っから、キミという人間は、他人の心を踏み荒らしていくな!!」



 などと、息切れするほど、一気に抗議をするマナブくん。


 ーーが。イルマちゃんは、すでに興味がなくなったのか「まぁ、サクラは、可愛いから惚れてもおかしくないけどね!」と、マナブくんそっちのけで、サクラちゃんをかまい始めてしまう。


 ……なんか、かわいそうだな。マナブくん。



「ぜぇー、はぁー。ううっん! 思わぬ邪魔が入ってしまいましたが、話の続きを……風の噂で聞いたところによると、あなたは、前の学校で、かなりの成績を修めていたとか?」


「えっ? いっ、いえ。そんなことは」

「ふっ。相手には、むやみやたらに、能力を見せびらかさない、と。なるほど。これは、噂以上の強敵ですね」


「きょ、強敵?」

「えぇ、強敵ですとも。なにせ、この細田学。今まで学年主席! 失礼! 学年一位の座をとってきているのでね!」


「学年二位でしょう? あんた、平等院びょうどういんにいつも負けているじゃない」



 …………。

 寒い風がふくってのは、こういうことなんだな……。


 完璧な決めポーズを取りつつ、サクラちゃんへと、宣言したマナブくんだったが、すかさずイルマちゃんによる横からの訂正が入ったことで、俺達の間には、何ともいえない空気が流れてしまった。


 そして、まるで油のきれたロボットのように首を動かしたマナブくんは、イルマちゃんへと怒りの顔を向けるとーー。


「びょびょびょ、平等院くんは、例外だ! 運動も学力も、どちらも高得点をとれるなどーーもはや人間ではないのだよ!! わかるか? この意味が! 大海原イルマ!!」


「わかったわよ。たく、いちいち声がデカイっての。あたしは、本当のことをありのまま、伝えただけでしょうが」


「声がでかくなるのは、主に君のせいでしょうが! だいたい、人間ではない平等院くんと、僕を比べることが」

「熱弁中のところ悪いが、当然、人間だ」

「おかしいのでーーへっ?」



 えっ?

 と、嵐のように、イルマちゃんへと声を荒げていたマナブくんのことを、遮るように俺の背後から、落ちついた声が聞こえてくる。


 その声につられるように、俺ら四人が揃って振り返るーーと。

 そこには、白髪の少年が一人、片手にクリップボードを持ちつつ、いつの間にか立っていた。



「おぉ。噂をすれば、副会長じゃん」

「びょっ!? 平等院トウマくん!?」

「自己紹介の手間を省いてくれて助かるよ。細田学くん」



 そう言った平等院トウマくんーーというらしい少年は、制服の第二ボタンを外しているからかーーYシャツの中に来ているシャツの襟首を一度人差し指で触ると、その切れ長の目を、俺へと向けてくる。



「こうして直接話すのは、初めてーーですね。初めまして。生徒会副会長の、平等院トウマです」

「あっ、うん。初めまして。遠藤六道だよ」



 この子が、生徒会副会長……。

 この学校の、生徒会長である鳳凰院マコトくんーー男装をしているので、本当は、マコトちゃんーーは、ちょっとしたトラブルによって、秘密を共有し、仲良くなれた。


 しかし、他の生徒会の子達とは、実は、まだ一度もあったことがなかったのだ。


 中でも副会長は、色々と注目の人物でーーというのも、学校内の女子人気がマコトくん並みに高いということに加え、苦労人ということが、この世界に来てから、それほど日が長くない俺でも、耳にするほど噂になっていたのだ。


 そして、そんな生徒会副会長の実物がこの子……。


 知的で、クールな雰囲気に、整った顔立ち。

 さらに、マナブくん曰く、文武両道ぶんぶりょうどうらしいからーー学校内でも人気なのは、納得できる。


 でも……正直、イメージと違ったな。

 マコトくんは 優等生を絵に書いたような格好だったからな。

 てっきり、マナブくんみたいな、ピシリ! とした、性格なのかと思っていたけれど。



「失礼ながら、用務員であるあなたが、何故ここに?」

「へっ? あっ、いや。実はさ、まだ、この学校内の全てを把握しきれていないからーー把握しがてたら、ついでに、彼女の部活探しも手伝おうかと思って」

「そうですか……」



 と、少しーーいや。

 かなり、疑うような視線を向けてきたトウマくんだが、すぐにその視線を、マナブくんへと向ける。



「さて。俺がここに来た理由は、もちろんわかるよな? 細田くん」

「うぐっ!? いっ、いや! いったい、なんの用かな?」


「そうか。君ほどの頭脳なら、予想もつくかと思ったが……どうやら、過大評価しすぎたみたいだな。理由は、部活動を存続させるかどうかの調査だよ」



 と、挑発ともとれる言葉を口にしたトウマくんは、そっけなく言うと、マナブくんを押し退け、強引に教室内へと踏みこんでしまう。



「ちょっ!」

「ふむ……どうやら、部員が一人もいないようだな。知っているとは思うが、部活動を継続させるには、最低でも部員が三名以上。なおかつ、昨年度の実績が、ある程度必要だ」


「そっ、それはーー」


「過去の資料によると、それなりの活動をしてきたようだがーー昨年の先輩方の卒業と同時に、活動が軒並み落ちているな」


「ぐっ!」


「加えて、新入部員の提出が、一週間ほど他の部活に比べて遅れている……これは、どういうことなのか、説明はできるか? 細田くん」



 と、矢継ぎ早にトウマくんから、そう言われてしまったマナブくんは、徐々に顔を真っ青にしーーついには、黙りこんでしまった。


 これは……。

 もしかしなくても、部活としての危機なのか?



「……どうやら、自覚があるみたいだな。それでは、校則にのっとり、一週間後までに部活動をしている客観的根拠。並びに、部員が三名以上いることを証明できなければ、歴史研究部を廃部とする」

「なっ!?」

「ちょっ、ちょっと! 待ちなさいよ!」



 淡々と、それだけ告げたトウマくんは、もはやここに用はない。とばかりに、踵を返してしまうが、そのトウマくんに対して、まさかのイルマちゃんが、待ったをかける。



「なんだ?」

「なんだ? じゃないわよ! あんたね。いくらなんでも、一週間なんて短すぎでしょう!

せめて、今月いっぱいにするべきよ!」

「おっ、大海原イルマ……」



 余程トウマくんの態度が、気に触ったのかーー仲良くなる前の、俺に対してしていたように、顔を真っ赤にしつつ、怒鳴り声をあげて、詰め寄るイルマちゃん。


 ーーが。

 トウマくんは、そんなイルマちゃんに対して、別段恐れるような様子は特になく、心底面倒というような、壮大なため息を一度つく。



「一週間という記述は、校則に記されている。つまりは、だ。変更は、一部例外を除いて、存在しない」

「校則、校則って! あんた、人間でしょうが! 人情ってものがないわけ!?」


「人情……なるほど。君は、それを大切にしているから、一つの部活に留まらず、いまだにふらふらとしているわけだ」

「はぁ!?」



 と、トウマくんの言葉に、さらに怒りが増したのかーーイルマちゃんが、今にも噛みつきそうなほど、拳を震わせはじめる。


 これはーーさすがに、少し止めに入るか。



「少し落ちついて、イルマちゃん」

「落ちつけるかっての!! 第一、あんた何様よ!」

「このさいだ。正直、君には迷惑しているんだよ」



 ポツリと、そう呟いたトウマくんは、イルマちゃんが口を開く前に、クリップボードの紙を、見せつけるように目の前へと突き出す。



「見ろ。どの運動部にも、君の名前が記されている。人情ーーだったか? 君のその行動のせいで、どの部活も君が部員だ。などと、言い出してきていてね」


「なっーーべっ、別にそんなの!」


「いいじゃないか。とでもいいたいのか? なるほど。廃部を救うという目的なら、確かに君は、救世主そのものだな。だが、その影で泣く存在がいることを、君は、きちんと理解して行動しているのか?」


「はぁ?」


「例えば、君が在籍しているサッカー部だが……ここ最近、部長の方から、傷んだサッカーボールや、ゴールネットを変えて欲しい。という要望がきていてね。もちろん、我が校のサッカー部は、強豪として名を広めているし、是非とも、要望に答えたいところだがーー残念ながら、各々の部活には、予算というものが存在している」



 ……この子。

 マナブくんの時のように、淡々とそう話し出したトウマくんに、俺は、自然と息を飲んでしまう。


 なぜならーー。



「わかりやすく教えてあげるよ。歴史研究部のように、活動も何もせず存在している部活のせいで、本当に資金を必要としている部に、経費が回らないのさ。わかるか? 君のそのくだらない人情のせいで、本当に必要な部活が、現在進行形で、苦しんでいるんだよ」



 ーーこの子は、とても中学生の考え方とは、思えないほど、頭の回転が速い。


 ズバリ。と、イルマちゃんへと現実を突きつけたトウマくんは、悔しそうに唇を噛む彼女へ「君も、すぐそこに受験があることを思い出すんだな。そろそろ、一つの部に落ちついた方がいい。いつまでも、ふらふらとしていると、受験でつまずくぞ」とだけ告げると、スタスタと去って行ってしまう。


 そして、取り残された俺達の間には、何ともいえない空気だけが、漂うのだった。

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