10話
それなりの月日が経ち、数少ない仲間?達とも馴染んできた時、ふと、気になったことが複数あった。
この世界はなんだ?異世界転生にしては殺風景すぎる。
そして、俺をこの世界に突き飛ばしたあの不気味な子供は何者なんだ?
そう悩んでいると偶然そこに無名が通りかかった。
無名なら、なにか知ってるかもしれない。
「おや?どうしたんだい光輝くんよ、本当にそんなに悩んだ顔をして?」
「何個か質問があるんだが、いいか?」
無名は特に躊躇う様子もなくこう答えた。
「私が知っていることなら、なんでも教えてしんぜんよう。」
「なんで、この世界はあるんだ?」
「急に哲学ぶっこむじゃん、まぁあんなシンプルすぎてシンプルの権化みたいな世界見たらそう思うか。
あの世界は、というか白い世界は私が作ったんだ。」
「世界を作った?」
「昔、色々あって今では自由になんでもできるようになった。
なんでも出来る力を手に入れたんだ。」
「あともう一ついいか?」
「どうぞどうぞ。」
「俺がこの世界に落ちてくる時……
変な子供が見えたんだが、何か知らないか?」
そう言うと、無名の顔から笑顔が消えた。
すると、無名が食い気味に質問をしてきた。
「その子供の特徴は?」
「えっと……全身真っ黒なのに、口元だけ真っ白の笑顔な感じの子供。」
そう答えると、無名は何かを呟き初めた。
「そんな……彼女が現れるなんて、そんなはずは無い、彼女は見ているだけのはず、おかしい、おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい、
姿さえも見せることはないというのに。」
「無名……?」
少し怖くなったが、名前を呼ぶと無名はハッとしたように、我に返り立ち上がった。
「とにかく、その子供については忘れた方がいい。絶対だよ?」
真剣そのものの無名の言葉を断れなかった。
「わ…わかった。」
「あぁ、面白い面白い。
わざわざ落とした甲斐があった。
彼が来てくれたおかげで、退屈しないものが見られる。
主人公、君はいつか私の元へ来てくれるのかな?
会いに来てね。
でも、私からは何もしないよ。
だって、、私は蛯崎ヲウ閠、ただ見るだけの存在。
でも、面白いな、また、アイニイコウカナ。」
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