第6話
レッドから手を引かれ行き着いた先は何故か荒廃した街だった。まだスラム街の方が綺麗なレベルでボロボロ。どの建物もいつ崩壊してもおかしくない程の荒れ果てた場所に連れてこられた。
「ここに僕の知り合い兼友達が住んでる場所。中々悪くないでしょ?」
中々所では無い、だいぶ悪い場所だ。
こんな場所に住んでるなんて、かなりチャレンジャーな人だと思った。
しばらく歩いていると、レッドが正面にある階段をかけ登る。
「こっちこっち〜!」
場所が場所なだけに不安が勝りレッドの方へと急いで走って行った。
階段を登った先には巨大な建物があり、しかも他の建造物に比べ崩壊度が小さかった。
レッドが大きな扉を開け、中へと案内する。
中に入り気づいたことはこの巨大な建物は教会ということだった。多くの長椅子が置かれているが長年使われてないのかどれもボロボロといった感じだった。
しばらくレッドと共に歩いていると祭壇?
らしき場所に一人のシスターがいるのが見えた。この人物ならゲームで見たことがある。
ジェノさんだ。
「ジェノ〜遊びに来たよ〜。」
レッドがそう言うと、シスターはゆっくりと後ろを振り返る。
「レッド!いらっしゃい。またお喋りしに来たの?」
ゲームで感じた通り物腰やらわかいフワフワとした感じだった。
「いやいや、今日は違うのさ。ちょっとした新入りが来たんだ!」
「こんにちは。」
するとジェノは嬉しそうに答えた。
「レッドのお友達なんですね!何もないところですが、是非ゆっくりしていってくださいね。」
やはり丁寧な人物なのは間違いなさそうだ。
しかしゲームの画面で見たように上半身、右目を負傷しており、見ているだけでこちらが痛くなってしまうほどだ。
失礼かもしれないが好奇心が抑えられず思わず聞いてしまった。
「あの…その傷って痛くないですか?」
「この傷は生まれた頃からのものなんです。
最初は痛かったですが、今ではもう慣れたものです。」
笑顔の表情を崩さず優しく答えてくれた。
「いえ、こちらこそなんだか失礼な質問をしてしまって…」
「どうかお気になさらないでください。
別になにか辛い過去でもある訳ではありませんから。」
ジェノとの些細な会話をしていると、レッドが横から割って入ってきた。
「じゃあそろそろ黒のところに行こう!」
「そういえば、さっき黒を見かけたけど、なんだか機嫌良くなかったよ。」
「うわぁーまだ根に持たれてる…」
「よろしければ私が黒の元へ案内しますよ。多分、私の話なら聞いてくれるでしょうし。」
「はい。では、お願いします。」
「それでは着いてきてください。」
「ついでに僕のことを許してくれるように頼んでおいてね!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます