第10話 レガシーHWを使って執筆してみたお話。

 この夏のお話である。


 実家に泊まり込む必要ができた。しかし、実家にはネット環境がない。PCもない。泊まり込んでいる間の執筆をどうしようかと考えた。


 カクヨムにも、執筆ツール「Nola」にもアプリ環境が用意されている。スマホで執筆~投稿まで済ませることも可能である。

 実際、そうやって作品を発表している作者さんがたくさんいると思う。


 しかし、「慣れ」の問題がある。


 当方はPC執筆→PC投稿という流れで一貫してやってきている。キーボードに手がなれている。スマホでの文章入力が好きではない。


 投稿するだけでもスマホでは面倒だと感じてしまう。


 やってできないことはないが、ストレスが半端ないのだ。誤字も増えるし、作品の質もレベルダウンする気がする。


 タブレットを試したが、これも使いにくい。


 テザリング環境でモバイルPCにしてみたが、反応が遅い上にキーボードが使いにくい。


 いろいろ試した結果、「オフラインで小型携帯端末に入力する」というアナクロな方法に落ち着いた。折角なので、その構成について記録しておこうと思う。


 ■HW構成:

 ・入力機器:「シグマリオンⅢ(NTTドコモ)」

 これは古い! Windows CE搭載のキーボード付きモバイル端末である。2003年発売であるから、今から20年前に登場した機体である。


 ・記録媒体:USBメモリー

 ごく一般的なスティック。但し、そのままではシグマリオンに挿せない。そこでアダプターが必要になる。


 ・USBアダプター:mini B→USBメス(改造済)

 改造と言ってもたいしたことではない。mini Bプラグの両肩をリューターで削り、外形寸法を小さくするのだ。

 これによりmini Aのジャックに刺さるようにする。


 構成は以上だ。


 ■使用方法:

 ・シグマリオン側で好きなエディタを立ち上げ、本文を入力する。

 ・完成後S-JIS形式テキストファイルとして、USBメモリーに保存する。

  保存のためにはUSBメモリーをmini Aポートに挿さなければならない。

 ・保存が完了したUSBメモリーをPCのUSBポートに挿し、テキストファイルを開き、文章内容を必要な個所にコピペする。


 こうすることによって、編集時はオフラインで完結し、きびきびとした操作性を維持できる。


 ■付随的メリット:

 使用するエディタに「文字数カウント機能」があれば、1話のボリュームを意識しながら執筆を進めることができる。連載を続ける上で、これができると使いやすい。


 文章入力するだけならPCやタブレットに頼らなくとも、「ポメラ」などの専用端末で十分な場合がある。執筆に専念するなら、むしろその方が集中できるのかもしれない。


 場所を選ばぬ執筆環境としては、モバイル端末の携帯性&操作性が役に立つ場面もあるなと再確認する経験であった。

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