第153話 世界称号2

 ◇◇◇◇◇


 アメリカ・ロサンゼルス行きチャーター機内にて。


 龍太郎は、初めての海外渡航。

 超特急でギリギリパスポートを取得した。

 全て、協会が準備してくれたので、何もしていないのだが。


 乗客で乗っているのは、WEA関係者数名と龍太郎とカレンのみ。

 機内は広々と余裕があるが、何故か龍太郎とカレンは隣同士の席に座っている。

 その向かい側にソフィアが座っている。


 龍太郎は、迎えの人物が知っているソフィアだったことに少し安心した様子。


 一方、カレンは先日、龍太郎から監獄スキルのことを聞いているので、ソフィアに対して強い警戒心を抱いている。

 せっかくの海外渡航で龍太郎と2人になれると思ったのだが、余計な人物が同乗している。


 ソフィアの方は、同行者がカレンと聞いて、少し面白いことになったと思っていた。


 飛行機が離陸して、上空で安定飛行になったタイミングで、早速ソフィアのイタズラが始まった……。


カレン:「え?何?」


ソフィア:「ようこそ、カレン。」


 カレンは、ソフィアの監獄に招待されていた。

 例の如く、カレンはすっぽんぽんの丸裸状態で椅子に座らされて、手足を完全に拘束されている。

 その目の前でソフィアが看守スタイルのボンテージに身を包み、鞭をしならせている。


 カレンも最初は慌てるそぶりを見せたが、事前に聞いていたので、落ち着きを取り戻した。


カレン:「なるほど、これね。

 これって監獄スキルでしょう?」


ソフィア:「あら、知ってたの?それは残念。

 リュウタロに聞いたのね……まあ、いいわ。

 あなた、想像通り、良い体してるわね?」


カレン:「それはどうも。

 ソフィアさん。すぐに戻してください。」


ソフィア:「あなた、冷静で面白くないわね。

 でも、そういう訳にもいかないのよね。

 今回のターゲットはあなたにしたのよ。」


カレン:「ターゲットって!

 どういう意味ですか!?」


ソフィア:「ちょっと楽しみながら、質問に答えてもらうだけよ。

 さて、まずはどうしようかしら?」


 ソフィアは、カレンの豊満な果実を片手で揉みながら、身体を舐め回すように眺めてニヤリと微笑んでいる。


カレン:「ちょっと!やめて!」


ソフィア:「あら、舐めて欲しいの?

 もう、贅沢な子ね!」


カレン:「嫌!違う!」


 カレンは、身をよじって振り解こうとするが、手足をガッチリ椅子に固定されているため、身動きが取れないでいた。

 ソフィアは、カレンの叫びを無視して、揉んでいた果実の突起物を優しく舐め回している。


カレン:「あーん!やめて〜!」


 テクニシャンのソフィアからの攻撃に、カレンは変な気持ちになりつつも、言葉では必死に抵抗している。


ソフィア:「あら、もう感じて来ちゃったの?

 もう、敏感な身体ねぇ?いやらしい。」


 ソフィアの言葉責めもなかなかのものだ。

 カレンは耐えるのに必死な状況。



 ただ、ここで、豪運先生の為せる技か?

 外のカレン本体の手がピクリと反応して、そのまま隣に座っている龍太郎の顔にクリーンヒット!

 龍太郎が、驚いた表情でカレンを見た!


龍太郎:「痛っ!え?何!?」


 龍太郎を無意識で殴った外のカレンは、無反応。何か様子がおかしい。



ソフィア:「カレン。そろそろ話す気になったかしら?」


 カレンは、ソフィアの攻撃に必死に耐え続けていたが、我慢の限界に到達し、半ば放心状態になっていた。


ソフィア:「あら、少しやりすぎたかしら?」



 その時、ソフィアの監獄に龍太郎登場!


 若干、景色も変わり少しゴージャスな監獄の檻の中にすっぽんぽんのソフィアとカレンの2人が椅子に拘束されて座っていた。

 その目の前に、少しゴージャスな看守スタイルのボンテージに身を包み、鞭を持った龍太郎が立っていた。


龍太郎:「やっぱりかい!?

 って、この格好、なんとかならんか!?」


 龍太郎は、鞭を床に叩きつけて、そのあと看守帽も脱いで、これも床の叩きつけた。


ソフィア:「あら、バレちゃったわね?

 どうしてわかったのかしら?

 もう少しだったのに。残念。」


 ソフィアは、すっぽんぽんで拘束されていても、相変わらず態度は全く動じていない。

 そして、ゴージャスボディ。


龍太郎:「ソフィアさん!何やってんだ!?」


 龍太郎は、カレンに監獄スキルを掛けたことを怒っている。


 カレンは、長時間ソフィアの攻撃を受け続けていたこともあり、ぐったりとしている。

 目も閉じ、首は項垂れ、腕も力が入らず、股もだらしなく開脚してフルオープン状態。

 普通に見れば、これ以上恥ずかしい格好はないほどに丸見え。あらまぁ。


 龍太郎が、カレンの異変に気づいて、すぐさま監獄長スキルをソフィアに掛けたのだが、監獄内の時間は、実際の外の時間より圧倒的に長かった。その間ずっと、耐えていたのだ。


 龍太郎は、カレンのあられも無い姿に一瞬ドキッとしたが、状況が状況だけに気にせずカレンに声を掛けた。


龍太郎:「おい!カレン!大丈夫か?」


 龍太郎は、カレンの体を揺さぶって起こそうとすると、朦朧とした表情で気が付いた。


カレン:「あ、龍太郎……?

 なんでそんな格好してるの?

 って、え?ぎゃわーーーーー!」


龍太郎:「えぇーーー!?」


 カレンは、朦朧とする中、自分の姿を認識して一気に目が覚めた。

 全身が真っ赤になり、自分の裸を隠そうとしたが、手足が拘束されて動かない。

 とりあえず、フルオープンの股だけは閉じた。今更だが……。


カレン:「龍太郎!早く外して!!

 手足の器具!!早く〜!!」


龍太郎:「お、おぅ!待ってくれ!」


 カチャカチャ!カチャ!


カレン:「早く〜!お願い!」


 焦ってうまく開かない。焦る。焦る。

 目の前にカレンの裸があると思うと気が散って余計に焦った。


ソフィア:「ふふふ。」


 カチャカチャン!……カチャン!


龍太郎:「ふぅ!開いた〜!」


 カレンは、拘束が解かれるとすぐに隠せるところをとにかく隠して、ぐったりと前かがみにしゃがみ込んでしまった。


カレン:「もう!」


 そして、龍太郎は、素っ裸で拘束されているソフィアの前に行って、すごい剣幕で怒った。


龍太郎:「ソフィアさん!カレンに何をしたんだよ!」


ソフィア:「心配しなくても、どこも傷つけたりはしていないわよ。

 少し気持ちよくなってもらっただけ。

 リュウタロのパートナーですもの。」


 ソフィアは、淡々とそれに答え、悪びれる様子もない。真っ裸なのに。

 それを聞いて、龍太郎はさらに問い詰める。

 

龍太郎:「こんなの、少しじゃないだろ?」


ソフィア:「あら、詳しく聞きたいのね?

 カレンがどうしてそうなったか。

 でも、そうね。ちょっとやりすぎたかもね?

 すごく、逝っちゃってたみたいだから。」


カレン:「わー!やめて!恥ずかしいから〜!

 龍太郎!聞いちゃダメ〜!」


龍太郎:「え?」


 龍太郎、不謹慎なことに妄想中……。

 ソフィアがカレンに……?


カレン:「龍太郎!ちょっと〜!」


ソフィア:「あら、想像しちゃったかしら?

 カレンの……ふふふ。」


龍太郎:「あ!ヤベ!つい。あっ!」


カレン:「もう!龍太郎〜!」


龍太郎:「いや、大丈夫だ!」


 何が大丈夫なんだか……。



龍太郎:「それより、何故、カレンを監禁したんだ?何が目的なんだよ?」


ソフィア:「そうね。楽しかったから教えてあげるわ。

 リュウタロの秘密をカレンに聞いてみたのよ。それだけ。

 リュウタロには、監獄スキルは効かないからね。でも、失敗しちゃったわね。

 カレンは褒めてあげてもいいんじゃない?

 私のテクニックに耐えたみたいだから。

 この監獄で私に逆らうって結構凄いことなのよね。そういう効果があるから。」


龍太郎:「そうか。カレンは言わなかったんだな。カレン、サンキュ。」


 カレンは無言で耐えた自分を褒めた。


ソフィア:「それで、リュウタロの秘密って何?私も言わないから教えてよ。」


龍太郎:「言うか!?お前は信用できん。

 なぁ、カレン。こいつにお仕置きする必要があるよな?どうしたい?倍返しか?」


カレン:「もういいから、元に戻して!

 それから、もう二度としないで!」


龍太郎:「おぅ。わかった。

 ソフィアさん。監獄スキルを解除しろ!」


ソフィア:「はいはい。承知しました。ご主人様。」


 ソフィアは、大人しく監獄スキルを解除した。ここでは、龍太郎には逆らえない。

 その場から、カレンが居なくなり、監獄内にはソフィアと龍太郎の二人きりになった。


龍太郎:「ソフィアさん!

 もう、しちゃダメだぞ。」


 龍太郎は、きつく言い聞かせた。


ソフィア:「分かってるわ。でも、そうすると私にお仕置きが必要じゃないかしら?

 そうしたら、もうしないと思うけど。ね?」


 龍太郎もこの人はそういう人だと勝手に理解している。念のために、今後カレンに手出ししないようにソフィアには満足の行くまでたっぷりとお仕置きをしておいた。

 これは仕方なくだぞ!

 龍太郎は自分にそう言い聞かせた。


 そして、龍太郎は監獄長スキルを解除して、元の機内に戻って来た。

 ソフィアには、向かいの席から離れた席に移動してもらい、カレンが落ち着けるようにした。カレンも今はグッタリしている。


龍太郎:「ソフィアさんには、もう手出ししないように釘を刺しておいたからな。

 もう大丈夫だぞ。」


カレン:「うん。ありがとう。龍太郎。

 落ち着くまで手を握っててもいい?」


龍太郎:「ああ、もちろんいいぞ。」


 カレンは着陸の瞬間まで、龍太郎の手を握っていた。

 そして、監獄の中で全てを見られたことを思い出して、ものすごく恥ずかしかったが、まあ龍太郎ならいいか、と少し笑った。


 一方の龍太郎も、ソフィアの攻撃をカレンが耐えて秘密を喋らなかったのはすごいなぁ、と思いつつ、カレンの裸をリフレインしていた。

 やっぱり、凄かった。

 カレンもソフィアさんに負けてないなぁ。


 それから数時間後に龍太郎たちを乗せたチャーター機は、無事にロサンゼルス国際空港に到着した。


 ◇◇◇◇◇

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る