第126話 レベルアップ修行
◇◇◇◇◇
セカンドインパクト後、世界で7540名になったエクスプローラの世界ランキングが発表された。
発表元はWEAだが、これもアメリカ帝国の戦略らしい。
そして、このランキングは、以前の貢献度で順位をつける方式から個体強度レベルで順位をつける方式に変更されていた。
要するに戦闘力が高いエクスプローラが上位に来るランキングになっている。
ただし、固有スキルがこのランキングに反映されることはないので、純粋な戦闘力順ではないのだが。
そして、この世界ランキングで、世界で3名しかいないファイブスターエクスプローラが上位3位を占めており、現在のところ、この3名がキング候補として噂されている。
第1位:グリード・キング(アメリカ連合)
第2位:ユエ・ワン(中華帝国)
第3位:スーラジ・レイ(インダス同盟)
日本ではスリースターに到達したエクスプローラは7名で上位ランカー。
その中で引退していたのにも関わらず、お千代さんがトップランカーになっている。
第60位:チヨ・モチヅキ
第163位:ホクト・キタガワ
第196位:ナント・キタガワ
第327位:ゲンゾウ・ホウジョウ
第381位:コトネ・キサラギ
第381位:カゲトラ・モモチ
第381位:アラン・ハチスカ
そして、我らがネオ・ダイアモンズのメンバーは?と言うと龍太郎以外はほぼ底辺。
第1246位:リュウタロウ・テンドウ
第6546位:ネオ女子のメンバー7名
ただ、世界で7540人しかいない選ばれしものであることより、世間ではネオ女子が下位ランクというイメージはない。
むしろ、アイドルの様な存在として扱われている。当然、龍太郎もその一人。
一方でエクスプローラ内での競争意識は加速したと言った印象だった。
正確に言うと、エクスプローラ同士で、あるいは国同士でマウントを取る行為が行われているという感じだ。
ただし、龍太郎やネオ女子のメンバーは、あまりランキングには頓着はない。
そして、あくまで、このランキングは、セカンドインパクト直後の一斉調査の結果に基づいて発表されたものであり、ランキングはその後も随時更新されている。
と言うのも、その後にアメリカの研究所で開発されたレベル測定器なるものが全世界に無償提供され、全世界のダンジョンゲートの入り口に設置されていた。
よって、ダンジョンゲートに入る際に、同じくゲート前に設置されたゲート型のレベル測定器を通って突入する必要があり、その時にエクスプローラは現在のレベルを自動測定される仕組みになっていた。その情報は、自動的に協会のシステムに送られる様になっている。
そして、ネット上では、このランキング変動の話題が盛んに取り上げられていた。
(最近のネオ女子様の上がり方、すごくね?)
◇◇◇◇◇
ミズシマダンジョン第五階層。
龍太郎のスキルがバグった為、ネオの御一行はあれから長い間、第五階層を何回も周回してレベルアップ修行の真っ最中。
華那:「ねぇ、先生!これっていつまで続けるの?もうずっとこればっかなんだけど!」
龍太郎:「そうだよなぁ。最初はナイス!って思ってたけど、最近なんか効率が悪くなって来た気がしてきた。」
玲奈:「もうあんまりレベル上がんないね?
頭打ちって感じなのかなぁ?」
龍太郎:「そうだよなぁ。
でも、龍次郎が他のところを探ってるから、もうちょっと待ってくれ。
まだ、イエローキャッスルはマズいけどさ、次は思い切って、上級ダンジョンに行こうと思ってるのだよ。」
カレン:「え?次って、もう上級に行っちゃうの?大丈夫?」
龍太郎:「そこは見てからだけどさぁ。
龍次郎がなんとかなるなら、そっちの方が早くレベルアップ出来るだろ?」
カレン:「うーん。そうだね。
なら、お願い!」
龍太郎:「じゃあ、もう一回行くぞ!」
龍太郎たちは、ミズシマダンジョン最下層である第五階層のボス部屋に入って行った。
大きな扉を通って中に突入!
全員が入った時点でゆっくりと扉が閉まる。
そして、部屋の中央から巨大なモンスターが出現する。だが、もうすでに緊張感は皆無。
なぜなら、もう何百回とこれを繰り返している。毎日これ。またか!って感じです。
部屋の中央に現れたモンスターは、ジャイアンゴーレム。
簡単に言えば、岩で出来たでっかい人形だ。
とにかく硬いだけ!
動きも普通に遅いし、パワーはかなり強烈だが、全員が全然避けられるレベル。
絶対、こいつのスキルは防御強化系だと思う。もう視ることが出来ないので予想ではあるのだが……。
そして!なんと言っても極め付けは、こいつには超覇気スキルがバッチリ効いちゃうのだ!
ということは、こいつのレベルは20くらいなのかな?イッテモ30くらいだろう。
なので、手順としては……。
最初に龍太郎がゴーレムに超覇気スキルをかける。
そして、ゴーレムがドスーンと落ちる。
その次に、ゴーレムは全身が超絶硬いので、龍太郎が衝撃剛拳で、ある程度攻撃する。
ゴーレムの体にヒビが入ったところでみんなと選手交代。
そして、みんなでよってたかってヒビの入った胴体部分の箇所を剣でツンツンする。
しばらく、ツンツンしていると胴体が真っ二つに割れて、ゴーレムは光の粒になって消滅する。
ゴーレムがいた場所に、モンスターコアが落ちるので、それを拾って終了。
すでにゴーレム討伐のレシピは完成していた。時間はかかるが、全くのノーダメージ!
最初はこれでレベルが上がっていたので、みんなでキャッキャ喜んでいたのだが……。
ツンツン!ツンツン!ツンツン!
ツンツン!ツンツン!ツンツン!
ガキッ!バキン!
華那:「先生!終わったよ!」
龍太郎:「おぅ。ここも終わりだな。
それじゃあ。出るぞ!」
ボス部屋の奥の扉が開いて、そこから部屋を出ていくと前に転移陣がある。
その転移陣を使うと第一階層に戻る。
いつもなら、ここで龍太郎の同伴転移で、再度第五階層に向かうのだが、龍太郎はこれで終わると言う。
華那:「え?なんで?もう時間?」
龍太郎:「いや、龍次郎から連絡があって、新しいダンジョンを見つけたらしい。」
玲奈:「やったー!次のダンジョン!楽しみ!」
亜実花:「大丈夫かなぁ?上級なんでしょ?」
玲奈:「先生がいれば大丈夫だよ〜!」
詩音:「そうだよね?次に行きたい!」
龍太郎:「ああ。龍次郎によると第一階層は問題ないってことだから心配しなくていいぞ。」
華那:「じゃあ、次に行こうよ。」
龍太郎:「今日は終わりだ。明日から新しいところに行く。どうも、そのダンジョンは未踏破の上級ダンジョンらしいぞ。
その名前は、ダダダダンジョンだって。
変な名前だよなぁ。
今日は龍次郎がある程度探索しておくから、明日になったら第一階層くらいはマッピングされてると思うぞ。まあ、ものすごく広かったらわからないけどな。」
華那:「あ!ダダダダンジョンなの?」
詩音:「まさか、あのダダダダンジョンに行くことになるとはね。」
龍太郎:「え?有名なのか?」
美紅:「あんた。ほんとに何も知らないんだね?知らない方がおかしいんだけど。」
龍太郎:「お前!いちいち一言多いぞ。
知らんもんは知らん。」
美紅:「じゃあ、どうやってダンジョンの名前知ったのよ?」
龍太郎:「え?それは……。
龍次郎が物知りなんだよ。」
実はアイちゃんなんだけど。
美紅:「あんたと影武者って同一人物だよね?
影武者に脳を吸い取られたんじゃないの?」
龍太郎:「うっせぇ!ほっとけ!
とにかくだ。明日からダダダダンジョンだからな!今日はもう帰るぞ!」
明日からダダダダンジョン!
一気に上級ダンジョンに突入だ!
しかも、ダダダダンジョンは、上級の中でも日本では最上級に位置するダンジョンだ。
本当に大丈夫か?
◇◇◇◇◇
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