第23話 衝撃の新事実
◇◇◇◇◇
今日もイントゥザ異世界ダンジョン!
今日の店番はお千代さんか。
この人も元Aランクエクスプローラだよな。
ちょっと拝見。
【固有超能】召喚
うお!特殊すぎる!これはヤバい。
この人も源さんと同じで現役時代は長くソロだったって聞いてたけど、これが理由かな。
一体、何を召喚してたのか。
龍太郎:「お千代さん。
なんで、現役の時はソロ活動だったんだ?」
千代:「ん?秘密だよ。
横の娘さんは誰だい?」
カレン:「あ!夢咲です。おはようございます。
天堂くんとパーティ組んでます。」
千代:「おはようさん。
龍太郎がパーティねぇ。」
龍太郎:「お千代さん。なんか言いたそうだな。」
千代:「雪が降るかもねぇ。」
龍太郎:「うぐっ!分かってますよ!
釣り合ってないからね!」
千代:「まあ、嫌われんように頑張るんだね。」
龍太郎:「容赦ないなぁ。
なあ。お千代さん。握手してよ。」
千代:「ん?別に構わないけど、気持ち悪いこと言うねぇ。」
龍太郎は、お千代さんと握手した。
【固有超能】召喚の登録完了。
スキルの解放は案の定失敗した。
龍太郎:「オーケー!ありがとう。」
千代:「お前の行動は本当に訳がわからないねぇ。」
龍太郎:「そうか?じゃあ、また来るな!」
千代:「ああ。行って来な。
娘さんも気をつけてな。」
カレン:「はい、ありがとうございます。
失礼します。」
◇◇◇◇◇
カレン:「天堂くん。今日はどこだっけ?」
龍太郎:「ああ。今日は午前と午後で2カ所に行くから。」
カレンはすでに立体マップを広げている。
龍太郎:「えーっと、ここのパンダが午前で、ここのカピバラが午後な。」
カレン:「プチパンダとカピカピバラだね。
2つとも特殊系だね。」
龍太郎:「ああ。特殊系だけど、小型だから弱いよ。
俺がソロでもなんとかなる。」
カレン:「うん、知ってる。
私も行ったことがあるから大丈夫。」
龍太郎:「じゃあ、それでよろしく!」
◇◇◇◇◇
まずは、近場の竹林地区に到着。
この辺りがプチパンダの狩場だ。
龍太郎:「夢咲さん。珍しく先客がいるよ。」
カレン:「うん。初級の狩場ならあり得るよ。
ソロみたいだね。どうする?」
龍太郎:「うーん。絡みたくないから、普通ならスルーの一択なんだけど、プチパンダは1匹だけでも狩りたいしなぁ。
どうしようかなぁ?」
遠目に様子を伺っていたが、狩猟中の人はソロでも俺や夢咲さんよりは強いと思う。
まあ、レベル1の俺と比べるのは失礼かも知れないが……。
というか、なぜこんな初級狩場で狩っているのかわからないというくらいに圧倒的な戦力差がありそうだ。
狩猟の様子を見ていると、コアの剥ぎ取りを終えた人が、向こうの方がこちらに気付いたようで、全力ダッシュでこちらに向かって来た。
龍太郎:「夢咲さん!こっちに来る!
なぜか、全力ダッシュ!」
カレン:「分かってるよ。落ち着いて!」
と言ってる間に目の前に現れた。
見た目は若く、装備は龍太郎と同じ初期配布の装備一式に身を包んだ、金髪、ショートカットが特徴的な女性だった。
美紅:「夢咲カレンさんですよね?」
カレン:「え?そうだけど。」
美紅:「やー!感激!初めまして!
私、今年からエクスプローラになりました
カレンさんって呼んでいいですか?」
カレン:「うん。いいけど。」
美紅:「やー!嬉しい!
私、カレンさんのファンなんです。
一番憧れてます。
髪型とか一緒にさせてもらってるんですけど、やっぱり実物の方が綺麗ですね。」
カレン:「あ、ありがとう。」
カレンは美紅の圧力に圧倒されていた。
龍太郎は一連の会話に何が何だか分からず、思わずカレンに何が起こっているのか、聞いてみた。
龍太郎:「夢咲さん?ファンって?」
カレンに質問したつもりが、美紅が割り込んできた。
美紅:「あんた!天堂龍太郎でしょ!?」
龍太郎:「え?そうだけど、なぜ知ってる?」
美紅:「あんた馬鹿でしょ?
調べればすぐに分かるわよ。
あんたが3200位ってこともね!」
龍太郎:「俺になんか恨みでもあるのか?」
美紅:「恨みはないわよ。羨ましいだけよ。
あんたみたいなのが、どうしてカレンさんと同じクランなのよ!」
龍太郎:「いや、それは誘われたからであって。」
美紅:「そんな訳ないでしょ!スケベ!変態!
今すぐに脱退しなさい!」
見かねたカレンが割って入った。
カレン:「早乙女さん。本当に私が誘ったんだけど。」
美紅:「カレンさん!美紅って呼んでください!」
カレン:「じゃあ、美紅ちゃん。
天堂くんに脱退されると私が困るんだよ。」
美紅:「むー……。
あ!もしかして、付き合ってるんですか?」
カレン:「え?」
その意外な質問にカレンが固まってしまった。
龍太郎:「あほー!そんな訳あるかーい!」
龍太郎が慌てて否定した。
カレン:「あ!そうよ!そんな訳ないじゃない!」
カレンも我に返って否定した。
美紅:「そうですよね。良かったー。
こんな、普通の、ごく普通の、ごくごく普通の、なんの特徴もない男と付き合うなんてことは、天地がひっくり返って、さらに100回転ひっくり返っても、ありえないですからね!」
龍太郎:「早乙女さん。
そこまで言わなくても、俺が一番分かってるから。」
美紅:「へえ。やけに素直ですね。
そこは好感が持てますねぇ。
その調子で身の程をわきまえてください。」
龍太郎:「はいはい。
ところで、初めましてって言ったよな。
なのにファンっておかしくないか?
早乙女さんも壺売り系か?」
美紅:「はぁ?壺売り系って何よ?」
カレン:「ちょっと!天堂くん!
私も壺は売ってないからね!もう!」
美紅:「ちょっと、何言ってるかわかんない。
でも、初めましてでファンだったら、なぜおかしいのよ?」
龍太郎:「ん?おかしくないの?夢咲さん?」
カレン:「えーっと。あり得るかもね。ははは……。」
美紅:「あんた……もしかして、カレンさんがどれほどの存在か知らないとか?」
龍太郎:「え?もしかして、夢咲さんって有名人なのか?」
美紅:「あんた、ほんとにバカね。
こんな男初めて見たわ。」
龍太郎:「ノー!まったく知らなかった!
そうなのか!?夢咲さんって何者?」
夢咲さんは、困った様子で黙っている。
美紅:「あんた、
龍太郎:「ああ。もちろん知ってるぞ。
女性エクスプローラから選ばれる奴だろ?
……って、え!?まさか!」
美紅:「そのまさかよ。
あんた、ほんとに知らなかったの?」
龍太郎:「夢咲さん………?」
カレン:「だって、聞かれなかったし、自分から言うのは恥ずかしいでしょ?
私もまさか知らないとは思わなかったわよ!
壺売りと間違われるし。」
龍太郎:「えーーー!7人のうちの1人が夢咲さん?」
カレン:「そうよ!文句ある?」
なんか、夢咲さん、ちょっと怒ってる?
龍太郎:「いえ……ないです。
うわー、知らんかった!
だからかー!
この前、ファミレスでやたら見られてると思ったら、そういうことか!?」
美紅:「そういうことよ!分かった?」
早乙女さんも呆れております。
龍太郎:「ああ。女神セブンなんて、あることは知ってたけど、まったく興味なかったからな。
もしかして、如月さんもか?」
美紅:「あんた、むしろ逆にすごいわね!
如月琴音さんは、女神セブンが始まって以来の不動の第一柱女神よ。」
龍太郎:「そうだったのか……。」
ちなみに夢咲さんは第七柱女神だそうだ。
世の中、知らないことが多すぎる……。
龍太郎はあまりの衝撃の事実に崩れ落ちたのだった。
◇◇◇◇◇
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