11.深雪
英二郎からは、なかなか返信が来なかった。
そんな時に、同窓会の案内状が届いた。幹事には川村伸郎、高山の名が記されていた。川村と高山は体も大きく、バレー部でキャプテン、副キャプテンだった。この二人に、柔道部主将の高石を加えた三人が、二十人足らずのクラスで中心的存在だった。支配していた、と言ってもいい。英二郎や相田は、本ばかり読んでいる内向的なタイプで、クラスでは軽んじられていた。この時代に良い思い出は少ない。
そして、5月15日、英二郎から、
「よく考えて行動されたい。私は支持する」
旨の返事が来た。
わたしは、同窓会案内状の返信はがきに、出席と〇をつけて出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます