第10話 

文化人類学者、カテジナ「豪腕」クリミアルの人類に関する実験的思考から一部抜粋

※編纂者注

カテジナ・クリミアル=前ガリア王国時代を代表する文化人類学者、知性よりもその調査能力が有名、知識欲が貪欲で性格はかなり強引、対象となれば、王族や深窓の令息、転生者だろうと関係なく調査や観察をし、邪魔をすれば、警備兵を殴り倒してでも調査を行う等の暴力的行為をすることも辞さないから「豪腕」と評され、その調査方法を「地ならし」と評された人物である。

私生活でも、貪欲であり、生涯を通じて5人の男性との婚姻及び離婚を繰り返して行い、合計10人の子供を出産、当時、その生き方に憧れ、文化人類学者の志願者を増加させた功績で、文化人類学者の最高峰、グリーモア賞を受賞(受賞させるのに賛否両論であったが、賛成派が僅差で勝ったという逸話は有名であろう。)。


〜前略〜

さて、我々人類に関する思考を続けて行こう。

その前に性別による特徴について簡単に述べる。

1・女性

 男性と比較して、筋肉量が多く、平均身長も高い。また、免疫力も強く、乳幼児期の死亡率も低い。基本的に男性数が少ないので、社会的活動の多くは女性が行う。

2・男性

 個人差はあるが、女性に比べて身長も低く、筋肉量も少ない。

 免疫力も少ないので、3歳までに死亡する可能性が高い。

 男性数が少ないために、過去には親類縁者で一人の男性を共有し、人口を維持するケースが多数であった。現在でも、少数民族など人口の減少が危ぶまれている地域では実際に行われている。


〜中略〜


転生者について

転生者とは、転生前の世界で何らかの理由で、死を遂げてこの世界に来たものをいう。

来たと言っても出自はこの世界の人間であり、前世の記憶が蘇ることで

前世の肉体に変化する。記憶が戻る年齢は個人差がある。しかし、多くの転生者が転生時に上位的存在(神とも女神とも悪魔とも言われていて転生者により異なる。)から加護を受けており、容貌、能力は前世よりも、共に向上しており、肉体年齢についてはある一定の年齢から経過せずに寿命を迎えるまで老化はしないことが多い(不老化現象)。

これは、例外もあるが、多くの転生者に見られる点であり、中には上位的存在から「転生者共通セット」だから付与しておくなどと言われた転生者もいる。


〜中略〜


性的嗜好について

それぞれの性別について、性的嗜好を述べる。

これはあくまで統計であり個人差があることを念頭に置いていてもらいたい。


女性の性的嗜好について

男性の絶対数が少ないため、性的行為に対して積極的であり、好む者が多い。

また、身体的、能力的、金銭的、社会的にも男性よりも優位に立つことが多いので、様々な状況を利用して行為の強要をするなどの性犯罪にも該当する行為を行う者もいる。


中世の貴族階級では、社会的権力を利用して婚姻、愛人関係を強要することもあった。


上記の点から見て、性的行為を好むものが多いと言えるだろう。


外見的好みについては個人差があるが、統計的には自分よりも小さく可愛らしい容貌の男性を好む女性が多い。

また男性が社会的な活動を行うことを嫌い、家事などを積極的に行い、性的な事象を秘める男性を「男性らしい」や「ガリア隼人」と評して推奨、恋慕、偶像化する女性が見られる。


これは、既婚、未婚に関わらず男性であれば、食事や性的行為に誘う(強要する)女性が多くおり、そういった女性から男性を守るために生まれた考え方と言えるかもしれない。


〜中略〜


男性について

大多数の男性が性的行為について恥ずかしがる傾向があるが、性的行為に対して興味は持っているが、秘める傾向にある。これは女性の項目で述べたが、「男子は貞淑であれ」という思考からであり、これは幼少期の男子を教育するのは主に母親であり、(父親は成長に合わせて身体的な事を教える事が多い)自分の願望や男子の嫁ぎ先に困らないために必要以上に貞淑さを求めるからであると思われる。


〜中略〜


転生者の性的嗜好について

ここからは転生者について述べる。

転生者は複数の世界から転生してきており、その性的嗜好は千差万別だが、男性の方が性的行為に対して興味深い傾向が見られる。

特に地球という国の集合体の世界から来た転生者はその傾向が強い。

しかしながら、地球という地域は男性の方が身体が大きく、筋肉量も多いために、転生者として記憶が戻ったときに、男性は身体が大きく筋骨逞しく(我々の世界で言えば女性的に)なり、女性は身体が小さく(我々で言えば男性的に)なるので、我々の世界から見れば、異性に対する好みから外れてしまう事になるのだ。

一方、地球の転生者(特に男性だが、)から見ても、我々、世界の異性は好みから外れてしまうらしい。

大多数の地球の男性は、自分よりも背が高く筋骨逞しい女性や豊かな腹回りの女性は好みではないらしい(もちろん、個人差はあるが)。


このようにお互いに好みから外れてしまうので、地球から来た転生者について異性を使って取り込もうとするのは注意が必要である。


ただし、地球からの転生者が女性である場合はこちらの男性は可愛らしい・綺麗・性的欲求が薄くてガツガツしてこなくて良い。などと好評であるので、取り込むのに男性を使うのは有効であると言えるだろう。

転生者であろうと、この世界は男性の数が少なく、幼少期に死亡することがあるので、男性の転生者は少ない傾向にある。


〜後略〜

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る