第14話 王族専用スキル覚醒

「お、王族専用スキル……?」

「ええ。王族の方のみ発現するユニークスキルです。私は鑑定士ですから、スキル鑑定でヘルファイア様のスキルがわかりました」


フレイアは鑑定士らしい。

ローブにメガネもかけてるし、いかにも鑑定士ぽっい風貌ではある。


「エルフは長生きですから、鑑定士が多いのです。寿命が長い分、たくさん知識を蓄えられるので。……ヘルファイア様は王族なのに、専用スキルのことご存じなかったのですか?」

「全然知らなかった」


たぶん本物のアスランなら知っていたんだろう。

小説では、アスランは戦うことはなかったから、スキルのことが書いていなかった。


「興味深いですね……」


フレイアは俺の全身を舐め回すように見た。

エルフの美少女にマジマジと見られたら恥ずかしい。


「その剣……見せてください!」


ずいっと、フレイアは俺に近づいてきた。

顔が俺の鼻先まで来ている。


「おう。わかった。どうぞ」


そんなゼロ距離にまで近づかれたら、断るに断れない。

俺は剣をフレイアに渡した。


「こ、この剣は……すごい!こんな強い剣は見たことないです!」


すごい興奮だ。

目をキラキラさせて、剣を熱い目で見つめている。


「ただの鋼の剣なんだが」


どこの街でも売っている鋼の剣。

だいたい2000ゴールドで買えるものだ。


「いえ……これは、ただの鋼の剣ではありません。強化値が限界を突破しています」

「強化値?」

「武器にはそれぞれ強化値があります。鍛冶屋で鍛えれば武器の威力が上がるのです。普通なら鋼の剣の強化値は+50まで。しかし、この鋼の剣は、+999です!」

「つまり、この鋼の剣は、普通の鋼の剣より威力が999高いってことか?」

「その通り……こんなすごいものは見たことありません」




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