第7話 時には思考は大事
私がフライパンを買って大木に戻ると、精霊たちが思ったよりたくさんの石材を作ってくれていました。多分ぱっと見でも100個くらいあります。これは明らかにかまどを作るだけでじゃ消費しきれないですね。
作りすぎてしまった分の使い道は後で考えましょうかね。ないとは思いますけど使い切ってしまうかもしれないですし。
私は家から持ってきた組み立て式のテーブルの上にフライパンを乗せると精霊たちが作ってくれた使ってかまどを作り始める。
かまど作りと言っても本格的なものは無理なのでレンガを積み上げた簡単なものを、精霊さんたちが作ってくれた石材で作りましょう。
まず、調理中でも薪が追加できるように正面を開けておきます。そしてフライパンが落ちないようにフライパンの底よりも少し狭いくらいの大きさにして、中心を囲むように石材を積んでいきます。
ホームセンターで買ってきたセメントと砂、砂利を混ぜて石の隙間に馴染ませるように塗っていきます。これでひとまず土台は完成です。次に作るのは鍋を吊るすための部分を鉄棒で作っていきます。
これくらいしておけば料理の時も困らないでしょう。ちなみにフライパンはテフロン加工されたのを買ってきました。
そしたらせっかくかまどを作ったんだからご飯を作りたいところなんだけど、食材はどうしようかな。
私が夕飯をどうしようかと考えていたら、木々の奥に白い毛玉でもふもふしたプリッとしたお尻が見える。
ん?あれってもしかしてウサギでは!
食材さんですねー。私が気づいたのと同じくらいでウサギさんはこちらに気づいた。目と目があう瞬間....。
えぇぇぇ!!!!ウサギさんが突っ込んでくるぅぅ!!
さっきまで100mくらい離れていたのにもう残り1mくらいまでのところに来てます。それに近づいて初めて気づきましたけどすごく大きいです!多分1mくらいあるじゃないですか!
あれ? 意識したらウサギさんの動きがゆっくりになってくる。それにこのウサギさんよくみたら額にツノが生えてますし危険なんじゃ。
そうですこういう時は頭を使って考える──
──のではなくぶん殴る!!!
私が殴ったウサギさんは50メートルほど吹き飛ぶと木にぶつかって動かなくなった。
……もしかして私って…強い?
異世界の動物は強くて凶暴ってイメージだったけど、そうでもないのかもしれない。それか私が強すぎるのかだけど、反復横跳びしただけなので恐らく私が少し強くなって敵が思っていたよりも弱かったんでしょう。
それにしても本当にそろそろ人間やめてきたかもしれません。動物をあれだけ吹き飛ばしたら殴った私の手も反作用でボロボロになっていてもおかしくないんですけど、痛くも痒くもありません。
アドレナリンが出ている可能性も考えましたけど、しっかりと動きますし触っても痛みがありません。
元々、異世界に定番の魔物にビクビクしながらでもここで休暇を満喫するつもりでしたが、自分自身強くなるにこしたことはありません。せっかくだから今日から夜の反復横跳びの時間をいつもより増やしましょう。
=======
あとがき
次回ウサギの解体がありますが、苦手な方が多い気がしたので解体シーンはショートカットしてあります。ご安心ください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます