第6話 精霊が微笑ましいです!

 あれ?


 私がかまどを作ろうと大木の拠点に戻ったら急に体が軽くなりました。なんでだろう。私的に何か特別なことはしてないんだけどなぁ。


 まぁ、この世界での私に起きる異変は基本的にあの異世界をつなぐ扉が原因だし。多分そうなんでしょう。


『あれ?』

『こっちに適応してるの』

『ほんとだー』


「ん?だれ?」


 私働きすぎたのかな。おかしい幻覚が聞こえてくるようになりました。ずいぶんと幼い声ばかりな気が...。


『ぼくたちの声が聞こえるみたいー』


そうして私が振り向くとそこには10cm程度で羽の生えた子たちがいた。もしかして...。


「精霊?」


『そうだよー』

『わたしたち精霊!』


そう言って精霊たちはみんなしてえっへんと腰に手を当ててポーズをとっています。大変微笑ましいけど、漫画とかだと精霊って確かドライアドとか樹木に宿る精霊だっていたはず。ずっとここに住んでいたのなら私が大木の周りの木を切って怒ってないか少し心配です。


「大木の周りの木を勝手に切っちゃって大丈夫だった?」


『うん!』

『大丈夫なのー』

『ここに来てくれて嬉しいのー』


喜んでいるみたいだし大丈夫。私的にはこのまま一人で寂しい休暇を過ごすよりも話相手になる子たちがいてくれて非常に嬉しいです。


「かまどを作りたいんだけど大きめの石が多いところ知らない?」


『知ってるの』

『でもでも』

『『魔法を使った方が早いのー』』


「魔法?!やっぱりあるんだね!」


 精霊たちに魔法の使い方を聞いてみると、やりたいことを想像して精霊さんに伝えるだけいいみたいです。私的にはもっと複雑なものを想像していたので拍子抜けというかちょっぴりがっかりしました。


「じゃあ、これくらいの火に強い石材作ってくれる?」

 私は20cmくらいの大きさを想像して伝えると体から何かが少し抜けたような気がしました。


『わかったの』

『やるぞー』

『『おー!』』

 

 精霊たちが張り切って拳を上げています。他所に一度家にフライパンを取りに戻る。


 えっと、大きめのやつがいいですよね。どこに置きましたっけ?

 締め切り間近で料理を作っている暇がなくて、最近は注文したら自宅に届けてくれるサービスを利用していたから。


 小さいのは台所に置いてあるんですが、以前買った新品の大きいものがどこかに置いてあったはずなんですが。


 あ...。そうです。すっかり忘れていました。今異世界と繋がっている扉がそもそも物置部屋の扉なんでした。


 仕方ありません。新しいものを買いに行きましょう。せっかくなら新品を使ってみたいです。


 他にも買い足すものってありましたっけ?

 あ、そうです。そういえば醤油が足りません。食材に関しては前から減ってないから大丈夫だと...思いたいですけど。



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