第2話 物事には準備が必要なのだ
さて、水分補給をして戻ってきてみたけど、今更ながらなんでしょうこの扉。
物置部屋を開けたら木々が生えていたなんて現実的じゃないですし。
もしかして、最近若い子たちの間で流行っているファンタジーな異世界って奴なのかな。
あ、でもファンタジーの小説や漫画みたいに異世界で村とか作ってスローライフするのには憧れるよね。
私自身、高校で漫画家になって打ち切りになってからはアシスタントで休みがないくらい忙しく生活してきた。
そんな生活をしてきたから田舎でゆったりとした生活をしてみたいと思ってしまいます。
あれ?
さっきから扉の真ん中に立っているわけですが、ふと自分の腕時計を見てみると時計の針が動いていないのです。
いつの間に壊れたのでしょう。特別買ってから10年とか立っているわけじゃないですし、安物の時計を使っているわけじゃないです。こんな使って1年も経たずに壊れることなんてあるんでしょうか。
ひとまず、壊れた時計をつけ続けるわけにもいきません。
私は時計を持って先ほどまで作業をしていたパソコンのそばまで歩いてゆく。
静だったはずの部屋からカチカチと小さな秒針が動く音がし始めます。
え、どういうことでしょうか。えっと、もしかして。
私はすぐに考えをまとめると行動に移します。
時計を持って扉を跨いで向こうの世界に入ると時計が完全に止まります。
やっぱり!異世界にいる間は現実世界の時間が止まるんですね!
それなら、こっちで生活できるところを作れば、夢のスローライフが実現します!休暇の取り放題ですよ。最高のバカンスです!
そうと決まれば、私は、一度扉から現実世界に戻って外出する準備を始めます。
今すぐに向こうの世界を探索したいところですが、このままの私では、異世界の最弱の定番であるスライムにすらすぐに倒されてしまうかもしれません。
それはいけません。私はあくまでも向こうで休暇を楽しみたいんです。怪我をしては元も子もないのです。
着替えをして鍵を持つと私はホームセンターに向かうことにしたのだった。
物事には準備が必要なんです!
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まず、ホームセンターに着いた私はキャンプなどで必要なものを揃えることにした。
料理系はいらないので、サバイバルナイフくらいでしたけど。
あと、魔物とかが出てきても倒せるようにハンマーをカートに入れます。初めは薪割り用の手斧を買うつもりでしたが冷静になってみると、そもそも魔物に刃が通るかもわからないんです。鈍器の方がいいでしょう。
他の人から見たら手斧とハンマーをニッコリ笑顔で見比べている怖い人なわけですが、まぁ、いいでしょう。
それに私はあまり他の人の視線とかは気にしないタイプです。
そうです。気にしなければ関係ありません!
それとついでにペットフードも買っていきましょう。もしかしたら、獣に襲われそうになったたら逃してくれるかもしれません。
よし!じゃあ早速帰って異世界探索といきましょう!
あ、でもこの格好のままじゃ、ジャージで異世界を探索することになってしまいます。
安直ですが迷彩服とかなら軍隊が実際に使っていたのもでしょうし動きやすくて丈夫でしょう。
さて、この近くに迷彩服が買える場所なんてありましたかね。通販とかだと、届くまで時間がかかってすぐに向こうの世界に行けないですし。
そうです!サバイバルゲームショップがあるじゃないですか!いわゆるミリタリーショップってやつです。
昔友人に誘われて入ったことのあるミリタリーショップに行くことにした。
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