反復横跳びで強くなる!〜自宅に現れた異世界への扉〜
猫野いちば
第1話 飛んでしまえ!異世界との境界!
ユリは自身の部屋でずっと悩んでいた。
うーん、どうしよう。ここのラストは先生が力を入れたがっていたページだから迫力のあるトーンがいいのかな。
私的にはこっちのトーンを使った方がいいと思うんだよなぁ。
どうしよう、、締め切り今日までなのに。私のせいで最終回が週刊少年ジャンフに乗らなかったら。。。。
私が読者に殺される?!どうしよう早く決めないと。でもここは大事なシーンが載ってる1ページだから適当に終わらせるわけにもいかないよぉ。
そうだ!私がウジウジ考えていても仕方ないし、いっそのこと先生に聞いて仕舞えばいいのです。
先にこのページのスクショを先生のメアドに送っといて。よし電話をかけよう!
プルプルプルプル
あ、繋がった。
『もしもし?ユリちゃんどうしたの?』
『先生、実はさっき先生のメールアドレスに送ったページについて悩んでるんですけど。』
『おっけー、ちょっと待ってね、今確認するから。』
電話越しに先生の鼻歌が聞こえてくる。先生、おジャ魔女はここにいるって何年のを歌ってるんですか。。。。
『ユリちゃん?お待たせー、確認したけど悩んでるのってトーンについてで合ってる?』
『はい、迫力のあるのにするか悩んでいるんです。』
『うんうん。私的には瑠璃ちゃんが送ってきた方でいいと思うよ。締め切りで焦ってるようだけどどうせユリちゃんのことだからトーン以外終わってるんでしょ。』
『はい、一応終わってます。』
『じゃあ焦らずやりなさい。』
ツーツー
あ、切られた。
そうかぁ。じゃあこのままやるかぁ。
ようやく考えがまとまったのでペンを取り液タブに向かって仕上げをする。
とりあえず出来上がったデータを先生に送る。すると異常とも思える速度でニッコリマークのokスタンプが送られてきた。相変わらずブサカワスタンプがよく送られてくる。
やったーーーーー。終わった~。流石の徹夜の女王の私でも今回は大変でした。一度先生の持っていたデータがコーヒーをこぼした時は頭が真っ白になりかけたけど。無事に締め切りに間に合って本当によかった。
どうしようかなぁ。さっき送った原稿で連載のアシスタントも終わったからひとまず仕事がないのです。
何しようかな。せっかくの久しぶりの休みゆっくりしたいし有意義に過ごしたい。
うーん、料理もしたいしお出かけするのもいいし、でも休みといえば、、、、お掃除ですよね!
仕事部屋以外使っていなかったので正直リビングですら結構汚い自信があります。いわゆるお部屋。やばい気がするから掃除機だけでもかけないとまずい感じにまでなってます。
でもこの汚れとの決戦のために某通販サイトのアマソンで最新型の掃除機を買っておいたのです!!
とりあえず物置部屋に買ったやつ置いてあった気がするから取りに行きましょう。
「よーし、今から掃除だ~」
意気込み物置部屋の扉のドアを勢いよく開く。でも開いたのと同時にフリーズしてしまう。
「え、」
ん?落ち着きましょう。確かに私の部屋は物置部屋だったはずです。しかし私の目の前はどうでしょう。
陽の光が漏れ落ち照らされる地面、多くの木々が生えています。はて、いつから私の部屋は森になったんでしょう。
そっかー、私の部屋森になっちゃったかー。
まぁ、とりあえず森に入ってみようかな。よ、よし行きますよ。踏み出せ未知への第一歩!
ん?あ、体が軽くなったぁ。これはおもしろーい。扉を潜ったのと同時くらいに体が軽くなりました。
締め切り間近で疲れ切っていた体が少し軽くなります。疲れが消えるわけではないですが、ふわっと少し体が軽くなるんです。これはいいものです。
面白くて行ったり来たりしてしまいます。断続的ですがどんどん体が軽く感じます。しかしこれもっと早く効率的になりませんかね。
そうですねぇ、バイクでも持ってきて行き来しましょうか。いや現実的じゃあありませんね。それに効率もそんなに良くありません。うーん。何かいい案は。そう考えつつもとぼとぼと行き来します。
「あ、これ反復横跳びの方が早いんじゃ。」
そうです。反復横跳びなら早いし何か道具が必要なわけでもありません。我ながらとてもいい案かもしれません。
そうと決まったらすぐ実行です。
しゅたっ、しゅたっ、しゅたっ。結構なハイペースで行き来できます。
あははっ たっのしー。これは癖になります。
昔運動部だったので体を動かすのは得意です。でももうやめた身、だんだん疲れがきて50回程度でやめてしまいます。
はぁはぁ。しかし一つ難点があります。疲れは回復してくれません。これ体力の回復もしてくれませんかね。
少し喉が渇いたので一旦飲み物を取りにいきましょう。
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