蛇陀カラメコラボpart1
WBC激アツすぎた
◆◇◆◇
「みんな~こんへび~。『でらっくす』1期生、神話の国のメデューサちゃん。蛇陀カラメでーす。ちっすちーっす。そして~?」
「はいどうも。異界から来た知識の伝道師。CHIZUでーす」
コメント欄
:きた!
:きた!
:こんへび~
:こんへび~
:こんへび~
:CHIZUはなんやその挨拶は
:なんかようわからん挨拶作っとるやついる
:いつのまに
「あー、今考えたんだよね」
Vtuberたる者、個性のある挨拶の1つくらいあった方が良いのかなぁなんて思って即興で作ってみたのだ。
異世界の図書館司書ならこんな感じのあいさつでいいかなと思ったのだ。
設定は順守しとかないとね。配信中は崩壊するとしても挨拶くらいはね。
やはり配信者は挨拶があった方がいいね。
▼
さて、分かっているだろうが俺は今カラメさんとのコラボ配信をしている。
昨日のカフェでのやりとりから大体30時間位経ったのかな。今は午後7時である。
あの後、俺たちは適当に街を歩きつつ配信者ならではの会話をして時間を消費した。かなりいい話ができたと思う。
カラメさんがVtuberをやろうと思ったきっかけとか、配信活動をしていく上での心の持ちようとか話してくれて、俺としてはかなり有意義な時間を過ごせたと思う。
話を聞く限り、あの人の精神力は尋常ではないと思う。
面白そうという理由1つだけで黎明期にVtuberデビューをしようと思った肝っ玉もさることながら、初見の事も難なくこなすその対応力の高さが強みだろう。
何でも人並みにできるという才能を持っているのではなかろうか。
そしてVtuberに関しては人並み以上に才能があったようだ。勿論才能の一言だけで片付けられるものでもないが。
そんな感じで俺も受け答えしていく上で、この人の人柄とか、接し方とかが分かってきたのだ。
年齢差は気にならないほど接しやすい人だなあと思う。
昨日の一件もそうだが、今日の配信前のボイスチャットでも気遣われていることが分かるくらい性格の良さが言動から伝わってきた。
▼
と、言うわけで今に至る。
「知恵の伝道者じゃないんだ?」
俺のあいさつに対してカラメさんが反応する。
「本じゃ知恵は磨けなくないですか?」
コメント欄
:確かに
:どちらかというと知識やな
:語呂的に知恵の方が良いのは分かる
:カラメに知恵はなさそう
:知識はあるはずなんだ……
:ネジが1,2本外れてるだけでそれ以外は一般人やろ
:どこが一般人なんですかね
:【急募】一般人の定義
本で付くのは知識のみ。そういう認識なのだ。
まあそれはそうとコメント欄がすごい失礼なこと言ってる。不覚にも笑いそうになってしまったではないか。
「確かに、知恵じゃなくて知識か。まあどっちでもいいけど」
「どっちでもいいことはないと思いますけどね~」
少なくとも意味が変わってくるのでどっちでもいいことはないと思う。
コメント欄
:がばがばやな
:通常運転やろ
:CHIZUくん、こんなのに振り回されるのか
:でも新人とは思えないほど落ち着いとるけどな
:新人……?
:いや、Vtuberとしては新人だから……
:何ならまだ配信者になってから半年なんよ
カラメさんの扱い方なら昨日学んだ。
初見ではないのでそこそこ反応できると思う。物によってはツッコミも
する予定だ。
「さて、挨拶も済ませたことだし本題に入っていきますか」
「そうですね」
俺は今日、カラメさんが発案した企画をやるとしか聞いていないので割と楽しみだったりする。
「いい天気だよね」
「……雨ですよ?」
「うん」
「????????」
本題に移るのではなかったのか。
話題作りへたくそなコミュ障みたいな会話してるし、今日別にいい天気じゃないし。
「メドゥーサとしてはいい天気なんだよ」
「ああ、そうなんですか」
「ちなみに雨は好きじゃない」
「??????????????????????」
コメント欄
:しょっぱなからコラボ相手を振り回すな
:会話下手くそとかいう次元じゃないんだよ
:まあ確かにVtuberは生きる次元が違うよな
:そういうこと言ってるんじゃないんよ
:CHIZUくん困惑しちゃってるから
:まともに声出てなくて笑う
:ドン引きしてんじゃんw
話の脈絡が終わっている。
前言撤回しよう。カラメさんのことは分かっていなかった。
昨日のあれはまだ本気モードの彼女ではなかったということ。あれはあくまでプライベート。配信となるとこうなるのだろう。
目が回りそう。
「CHIZUくんはどんな天気が好き?」
「え、晴れてて涼しければ言うことないですね」
「じゃあ嫌いな天気は?」
「天気と言えるか微妙ですが、肌が乾燥する湿気の少ない気候は苦手です」
「おお~。ボクも乾燥は苦手かな~」
「そうなんですか?」
「うん。頭が蛇だからね」
爬虫類だから乾燥は苦手と言うことだろうな。
でも本体は人間なんだから大した影響はなさそうだけど。
コメント欄
:それってあなたの乾燥ですよね?
:乾燥と感想をかけた超高度なギャグ
:震えますよ
:戦慄するわ
:リスナーの高度すぎるギャグに失笑を隠せない
「じゃあ蛇関連で、ちょっとクイズを出そうかな」
「お、本題ですか?」
「……いい感じに導入しようと思ったんだけどな」
「残念でしたね」
コメント欄
:草
:草
:草
:カラメしょんぼりで草
:仕返しされてやんの
:m9(^Д^)プギャー
:m9(^Д^)プギャー
:煽り性能高すぎて笑う
「はい。じゃあ今日の企画ー」
「明らかにテンション下がってますね」
「ボクの種族はメデューサ。それにちなんだクイズを出すよ。どれくらい答えられるかな☆」
「リスナーの皆さんも一緒に考えてみましょう」
「あれ、今日の企画については言ってなかったはずなんだけど……なんでCHIZUくんが仕切る側にいるのカナ?」
なんででしょうね。
こういった方が良いような気がしたんだよ。よくあるでしょ、司会補佐的な人。テレビとか見てたらいるじゃん。テレビの前の皆さんも一緒にみたいな。それをやってみたのよ。
「Vtuberの先輩として偉大さを示せてないような気がする」
「安心してください。そんなもの最初からないです」
コメント欄
:ないです(キッパリ)
:ボロクソで草
:いいコンビやなー
:辛辣で笑う
:あれ、これがVtuberのドンの姿か
:バッサリ行くな~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます