コラボ配信with秋月ミクル②

 まえがき

 なんとフォロワーさんが1000人を突破しました!

 ◆


「俺たちは共通の知り合いがいてそこからの繋がりで知り合ったんだけど、最初会った時は人見知りでビクビクしてたから、ああなんか小動物みたいだなーって思った」

「そんなこと思ってたんですか……」


 コメント欄

 :へー、意外

 :人見知りとな

 :配信じゃそんな感じせんな

 :ビクビクしてるミクるんのファンアートはよ

 :いいですねぇ~

 :結構意外かも

 :でもなんとなく分かるような気もする


「じゃあ次は私ですね。うーん……大人しそうな人でしょうか」

「ほう……?そんなことあんまり言われないけど」

「あくまで第一印象ですから。言葉を交わしてみると話やすい人でしたよ」

「ほんとですか?なら良かったです」


 コメント欄

 :大人しそう?

 :これが?

 :リスナーと言いあってるイメージしかない

 :配信越しじゃ分からんことってあるんやなー

 :大人しいイメージが湧かない


 コメント欄も意外に思っているようで、俺に対するミクルさんの第一印象が興味深いようだ。俺自身、あまり大人しそうという印象を抱かれたことがないので、ミクルさんにそう言われたときはちょっと驚いた。

 俺はつり目なので、よく怖そうな人とかあんまり近づけない人と言われることが多い。だが俺自身は陰キャなので、自分から話しかけることが得意ではないのだ。


「大人しそうって初めて言われましたよ」

「え、そうなんですか?」

「ええ。俺、つり目なのであまり良い印象を抱かれないんですよね。まああくまで第一印象ですけど」

「へ~。私はそうは思わなかったです」

「あ、でもあの時は2人もいたからかも」

「それはありそうですね」


 凛斗と杏の2人と一緒に待ち合わせをしていたから、その場の雰囲気に流されていたのかもしれない。


 コメント欄

 :ん……?

 :2人……あの時……?

 :リアルで会ったことあるんか!?

 :ほう……詳しく

 :なるほど?


「あれ、言ってなかったっけ?俺とミクルさんは共通の知り合いの紹介で知り合ったんだよ。だから顔合わせもしてる。ってか第一印象の話してるんだから気づいてるもんかと」


 コメント欄

 :言われてみれば

 :なんか先入観でボイチャ越しなのかと

 :あー、これは俺がバカだったわ

 :まあせやろな

 :ということはミクるんはリアルで人見知り!?

 :閃いた

 :通報した


「まあこんな母性溢れる声した人が人見知りとは考えにくいよな~」


 俺もミクルさんのリスナーとして、彼女に対するイメージは穏やかで人当たりが良いのだろうと思っていたので、実際に会ってミクルさんだとカミングアウトされたときは少し驚いた。


 やはり第一印象というのは簡単には覆せないのだろうか。

 だとすると俺も表情を緩やかにするように心がけた方が良いのだろうか。

 表情筋のトレーニングとかあるのだろうか。


「では、次は私のところに来た質問を見てみますね」


『これからの目標を教えて』


「目標ですか。私はいろんな人とコラボしたいですね~」

「俺はVtuberとしての活動を板に付ける!」

「もうできてるような気がしますけど……?」

「いやいや、まだVtuberとしては新人ですよ」

「そうは思えないですよね~」


 コメント欄

 :それはそう

 :配信者としての経験があるにしてもあんま違和感がない

 :しっかりVtuberやれてる気がする

 :ちゃんと司書やってるよな

 :うーん、新人詐欺!


 どうやら俺のVtuber活動は上手くいっているようだ。多少の不安があったのでこの反応は嬉しい。


「ははは。そう言ってもらえると嬉しい限り。これからもバンバン配信していくわ」

「いいですね。私もバンバンコラボしたいです~」


 コメント欄

 :ミクるんのコラボは見たい!

 :CHIZUのゲーム配信とか見たいわ

 :ゲーム配信できるんか……?

 :お金ないからね。仕方ないね

 :¥10000

 :¥5000

 :ここはミクるんの枠やで

 :分かった、その気持ちは俺らも同じだ


「そんなに俺のゲーム配信見たい?」


 コメント欄

 :見たくないと言えばぎりぎり嘘になる

 :本当は見たくないけどやるなら見る

 :見てやってもいい

 :勘違いしないでよね!

 :しょうがないから見る

 

「お前らのツンデレとかいらんわ」

「ふふふ。面白いリスナーさんですね」


 天邪鬼にもほどがあるだろう。

 どうしてここまで一致団結して似たようなコメントを打てるのか俺も知りたい。


 コメント欄

 :ミクるんは俺たちのことをおもしれーやつって思ってることを知って興奮してきた

 :同意

 :変態って湧くところには湧くんやなぁ

 :割とキモい

 :普通に引く


「え、キモ」

「ミクルさん!?」


 あっと、ミクルさんの毒舌が出てきた。

 まさか生で聞けるとは。一昨日はミクルさんもコラボだから口調には気をつけると言っていたので今日は聞けないだろうと思っていたのだが、制御できなかったようだ。

 まあコメント欄が気持ち悪かったからね。仕方ないね。


 コメント欄

 :あ

 :でた!

 :いつもの無自覚毒舌や!

 :興奮してきた

 :懲りてないなぁ

 :度し難いわ

 :病院行け



今更ですけど、「ミクるん」とはミクルさんのことです。



 

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