第6話 呪詛、猫を噛む

丑の刻、丑の刻、今宵は深淵お月様


鳥居をくぐり、本堂を迂回、聳え立つ老木に打ち付けよう


何故ボクは人間か、何故キミは猫なのか


ボクは首輪をつけ、毎日電車に乗っている


キミは首輪をつけ、毎日斜陽を浴びている


ボクは誰かが作った料理を食べる


キミは機械が作った餌を頬張る


広い宇宙のちっぽけな星で、奇跡的に出会ったのに


ほんの少しの違いで、世界は許さないのか


首輪をしているのは一緒だろ?


餌を貰っているのは一緒だろ?


誰とでも交尾するのは一緒だろ?


寝て、起きて、食べて、寝る


人は見た目じゃないとか、世間は言っている


本当に、糞食らえだよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る