第5話 合法的な鎮魂歌

顔も知らない、名前も知らない


知っているのは香りと、無機質な音声


今日から今日から、明日には過去となる


情状酌量の余地なしと笑われる貴方には


この世界が悪に見えるだろう


だがそれが正常、運命、民衆の願い


彼らが花を摘むのと同じように、貴方は人を殺すのだから


私だけでいい


理解者ではないが、貴方の支配者


むしろ、貴方を守りたい、この手で一生を弄びたい


これは願望


貴方なら、私は何処へでも連れて行ける


地獄? 大地獄? 生き地獄? 豚箱なら何処へでも


一目惚れでした


愛しています


そうか、獄中には届かないか


残念

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