第4話 青い薔薇

奥山の紅葉散る頃


シャクシャクと歩き奏でる


男と女、既に三回の夜を共にする


お互いを貪る夜も三回


極限を言い訳に、不貞はたらく弱き二人


誰も責めない、責められない


人肌恋しい、精神的、物理的


もはや罪悪感でもない感情が芽生える


シンシンと雪積もる頃


芽生えた心はやがて成熟し、とある山小屋で命が宿る


奥山の紅葉を、鹿が踏み分ける頃


命が二つ咲き乱れる


一つは雄蕊、一つは雌蕊


雪解け水が、衣を濡らす頃


咲いた命は大きく育つ、


男女の中で、不貞の感覚は欠落していた


それから四季は巡る、巡る、巡る


ニュースではこう報道される


『とある山奥、青い薔薇が発見された』

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