58枚目『紅色の変化術 ―旅の途中・モミジ―』

 さてさて、秋の風物詩と言えばなんだろう。


 私が思い浮かべるのは紅葉こうようだ。その代表格と言えば、言わずもがな。それは私の目の前で見事な黄緑から赤へのグラデーションを奏でている。


 今更説明する必要もないだろうが、これはモミジの樹のことだ。春に若葉色の葉を出し、夏になるにつれて緑色を増し、秋になれば黄色が強くなって赤、そしてくれないに至って最後に葉を散らす。そんな半年間の最もを迎えるのが秋、まさに今なのだ。

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