すがら/ながら 11月

り(PN)11月3日


杜に深い意味はありませんでしたが、なるほど、そう取れますか。


ハグは熱めに燗はぬるめに

風呂吹きを鬼一口に食ひければ

①目力役者を頭に浮かべ

②猫すり飛びて目ン玉まわし

③キュクロープスも目ン玉まわし

④魚も鳥も目ン玉まわし

⑤芋洗ふ群れ目玉は何や


り(PN)

①そのまま付けました。

②鬼を見て驚いたのかな。

③同上ですか、一つ目にしてみました。

④これも同上ですが、魚の目 → 専門用語で鶏眼(けいがん)と引っかけて……。

⑤発想は前と同じです。


ずっと小説モードだったのでイマイチです。


冬泉 11月8日

風呂吹を鬼一口に食ひければ

寄り目で睨む若き亡妻


目力役者をここで使いました。吉例の睨みで観衆に予祝を与える役者のみそかごとにはこんなこともあろうかと…ここまで恋が続く感じになってしまいましたが、これで良ければ次、秋の月で願います。


り(PN)11月9日

それでは、いただいて……。


風呂吹を鬼一口に食ひければ

寄り目で睨む若き亡妻

①月寄らば案山子の里も賑はひて

②月独り色なき風をぶっ飛ばし

③月光りビルの谷間に秋降りて

④月の許月面基地(ムーンベース)も盆となり 

⑤たわわなる実りの秋に月凛と

次 秋揺れて月も忘るる異変かな


り(PN)

①睨む → 案山子(鳥を睨む)

②恋離れで……。

③昔のイメージ → 都会のイメージ

④亡妻 → 盆

⑤寄り目で睨む → 凛とした(逆の感じ……)

次 亡妻 → 不吉なムード


つききよししぐれにぬるるあきのには


↑ こういのもいいな。


冬泉 11月15日

ひさかたの月面基地(ムーンベース)をつつむ靄


としてみましたが如何。大空洞に眠るネクロポリス…あるいは月に魂を見る伝統的な発想で、これでようやく恋離れ。よろしければ秋で続けてください。


り(PN)11月16日

相変わらず良いですね。

では、いただいて……。


寄り目で睨む若き亡妻

ひさかたの月面基地(ムーンベース)をつつむ靄

①秋空割れて異変の覗く

②泡立つ海に不知火起こり

③蚊帳に雁描き四隅を眺め

④処女の素足で葡萄酒醸し

⑤駒牽歌も賑はふ木曽路


り(PN)

①超獣ですね。

 月繋がりで南夕子から。

②イメージですが「靄」から……。

③花札というか、お菓子の雁月というか……。

④月は白、葡萄は赤(赤ワイン用の場合)。

⑤靄から逆に晴天。


冬泉 11月24日

またも遅くなりすみません。沢火革・鳥の渡り・燗が既出で②~④は避けたい。月の縁なら①より⑤の方がいいですね。次は名残裏折立、仲秋から晩秋で。


り(PN11月24日

ひさかたの月面基地(ムーンベース)をつつむ靄

駒牽歌も賑はふ木曽路

名残り/裏/一/秋

①八朔に白装束のうかれめの

②渦巻きて変わる潮目に鱸釣り

③肌寒き風の随に薬堀り

④肌老けて糸瓜の水もありがたく

⑤小坊主も後の出代り逞しく

次 稚児置きて袋洗ふ手凛として


り(PN)

①馬が下駄、木曽路→吉原、晴れが夜。

②山を海、路が潮目で、馬→魚。

③そのままに季節歩みて寒くなり

④駒牽を眺むる視点をみなかな

⑤駒を牽く奉公人も逞しく

次 男から女に変わり川になり


考えていると出てこなくなるので浮かんだままに……。


り(PN)

これまでを読み返すと、


鐘霞む脚のきれいな独裁者


が一番好き。


冬泉 11月25日

靄も出したし、発句が朧月でしたから聳物(そびきもの)が印象的な独吟ということになりそうですね。


り(PN)

自分独りだともっと偏るところを大幅に助けていただいた上、印象的な修正(創作)もあって、わたし的には、かなり面白いです。


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