シンデレラ

シンデレラは魔法により、超絶イケメン王子との舞踏会に参加した。

その際、12時に魔法が解けてしまうと脅されていたので、11時58分くらいに王子から逃げるように城を抜け出してきた。

その時にガラスの靴の片方が脱げてしまい、シンデレラは片足がはだしで馬車に乗り家に帰った。


そうしてしばらく経つ


ブィーン!

「おいシンデレラ、もたもたしてないでさっさと掃除しろ。住まわせてもらってるだけありがたいと思え」


一女が高圧的な態度でシンデレラに文句を言う。シンデレラはこんな人生に嫌気がさしていた。流石に今日は我慢の限界だった。


「あぁ?テメーの家なんだからテメーが掃除しろや!」

「ほう・・・貴様、命が惜しくないようだな・・・仕方ない調教(わか)らせてやる・・・!」

「やっちゃってくださいよぉ一女サァン!」


二女、三女がその様子を見守っていた。3人ともとても性格が悪かった。まるで田舎のヤンキー娘のような出で立ちだった。


「上等だコラァ!その選択、後悔すんなよ?おらぁぁぁ!」


シンデレラは手に持っていたダイソンサイクロンコードレスクリーナーで一女に殴りかかった。

だが、一女は微動だにせず右手を上げ、左手を下げた。そのままシンデレラの攻撃を受け止める。


「シンデレラに教えてやろう。これが1ターンに3回攻撃できる・・・”天地魔闘の構え”だ・・・!」


右手でダイソンサイクロンコードレスクリーナーを受け止め、左手でシンデレラのガードを崩し、さらにそこからカイザーフェニックスを繰り出した。


強いメラゾーマがシンデレラに襲い掛かる。燃えにくい素材の服を着ていて助かった。それでも服をまとっていない部分が燃えてしまう。

シンデレラは床に転がりながら火を消しにかかった。


「ハハハ!いいざまねシンデレラ!」

「いいこと?”一女サァンからは逃げられない!”」


二女、三女がガヤガヤ騒ぐ。


「チッ・・・ただ者ではないと思っていたが・・・まさかのラスボス級とは」


シン・デレラに覚醒解放し、この家ごと吹き飛ばすしかない・・・そう思っていたとき、突然の来訪者が現れた。


「あらぁ!王子さまぁ!(裏声」

「えっ?王子がどうしてここに?」

「キャー(≧∇≦)王子ぃ~!」


一女、二女、三女がそれぞれ王子を歓迎する。王子はじっとシンデレラを見ていた。


「3日前、僕と舞踏会に参加した女性を探している。手掛かりはこの”ガラスの靴”だ。みんな履いてみてくれないか?」


「はいはーい!私が履きます!・・・クソッ入らねぇ!」

一女は足がめちゃくちゃデカいので無理だった。


「じゃあ私が!・・・あれ?ブカブカなんですけど?」

二女は逆に足が小さかった。


「ふふん。じゃあ私が・・・ほら!入った!ぴったりフィット!」

三女の足のサイズとぴったりだった。それを見たシンデレラは焦る。


「(あの舞踏会に参加したのは私なのに・・・三女サァンが王子と結ばれるの?)」


王子はその様子をじっと見つめる。そして一言。

「三女サァン、かかとを見せてくれないか?」

「えっ、いいですけど・・・」


三女は後ろを向き、王子にかかとを見せる。それを見た王子は言った。

「・・・違う。これは三女サァンの靴ではない」

「え”っ?で、でもぴったりだし・・・」

「・・・残るはシンデレラ、君だけだ。さぁガラスの靴を履いてみてくれ」


シンデレラは恐る恐る右足を入れる。サイズはオーダーメイドかっていうくらいぴったりだった。だが、ぴったりだったのは三女も同じだ。その様子を見た王子は言う。

「かかとをみせてくれ」

「・・・はい」


シンデレラは後ろを向き、王子にかかとを見せる。すると王子は何かを見つけたかのように声を上げる。

「これだ・・・!ガラスの靴なんかで舞踏会に参加したんだ!靴擦れを起こしてタコが出来ていないとおかしいんだ!」


シンデレラは確かに舞踏会のあと、足がめちゃくちゃ痛かった。ガラスの靴はダンスをするのには不向きすぎる。


「シンデレラ、あの時の美女は君だね?僕はあの時の興奮が忘れられない。僕と結婚してくれないか・・・?」

「いいんですか?私で・・・?」

「もちろんだとも。さぁ、一緒に行こう!」


そうしてシンデレラはお城に行き、王子と幸せに暮らしましたとさ。


おしまい



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