第9話旅立ちの日
現在僕は父様と剣を持って向かい合っていた
「それでは、始めよう」
そういった瞬間僕の周りに火の海が出来上がっていた
それを見て僕は慌てず水で鎮火したが蒸気が大量に発生しており周りが見えなくなっていた
そこに容赦なく剣を振り下ろしてきたのを自分も剣を合わせて防ぐが次の瞬間には父様の姿はなかった
また切り掛かってきたのを防ぐというのを幾度か行いこのままだと不利だと感じた僕は再度斬りかかられる前に全方位に向けて全力で風の魔術を放った
風の魔術を全方位に放った僕とは違い自分の前にだけ同じだけの威力で風の魔術を放ち相殺しながら父様は切り掛かってきた
「相変わらず強さがバグってますね」
「フリーエリ家のものとしては当然だ」
しかし真正面から切り結ぶのなら身体強化を使っている僕の方が有利だ
そう思っていたのだが、力と速さで勝っているはずなのに剣の技術だけで対等に渡り合ってくる
やはりこの人はおかしいと思う
そう考えたのも束の間僕は新たな魔術を発動した
電撃を父様に向かって放ったのだが、気づいたら背後を取られていた
「その魔術は確かに強力だが発動に使う魔力が多いいぶん簡単に察知できる
そうなれば背後を取るのも容易い」
いや、容易くねーよ!?
そう全力で心の中でツッコミながら前方に全力で飛んだ
しかし、相手はそんな不細工な避け方をしてその隙を見逃してくれるほど甘い相手ではない
前方に飛んだ僕に向かってさらに体を押すように風の魔術を放ってきた
そのせいで僕は盛大に転んでしまう
起きあがろうとしたのも束の間首に剣を突きつけられていた
「まだまだだな、しかしその年でそこまでできるものはお前以外いないだろう
自信を持って学園に行きなさい」
自信を持っていきなさいって僕この人に一度も勝ったことないんだけど、、、
「次に会うときには父様より強くなっていますからね」
そんなことを言う僕に笑いながら「それは楽しみだ」なんて言ってきた
「馬車もちょうどきたようだな」
「では僕はもう行きますね」
「ああ、行ってこい」
そんなことを言う父様を尻目に僕は馬車に乗り込んだ
「母様もうお兄様が行ってしまいますわ」
そう言いながら、エマと母様も馬車の近くに駆け寄ってきた
「忘れ物はない?ハンカチはもった?教材は?あとあと、、、」
「だから大丈夫ですよ、そんなに心配しなくても
僕ももう15歳なんですから大抵のことは自分でできますよ」
「そんなこと言ってもやっぱり心配になってしまうんですよ」
「お母様それはもう何回聞いたかわかりまんわ、お兄様私も二年後に王都に行きますのでその時はエスコートをお願いしますね」
「ああ、任せといてくれ、僕はもうそろそろ本当にいくよ」
「ケアム、学園では辛いこともたくさんあるだろう
しかしお前は小さい頃から努力ができるような強い子だ
実は私はあまり心配していない。学園ではフリーエル家のものとしての自覚はもったままならあとはお前の自由にしなさい
学園で自由にできることこそが今までお前が努力してきたご褒美だと言えるだろう
頑張ってきなさい」
「はい!」
そう言うと馬車は進み出した
僕は家族の姿が見えなくなるまで手を振り続けた
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