第8話これまでの成果2

さて、家系魔術についてだが実際に使えるようにしたのはいいがやはり問題があった

まず、発動に馬鹿みたいに魔力を食う

次に、発動に時間がかかる

前者は僕には問題ないのだが後者は今のところどうしようもない

そのため今のままだと実戦では使い所はまずないだろう

現在、家系魔術については考察と実験を繰り返しているが、結果は芳しくない

これからも色々試していくつもりだが成果が出るかはわからない状態だ

家系魔術についてはこれぐらいだろう


では次に魔術についてだ

これは一つ大発見があった

僕は新しい魔術を作ってしまったかもしれない

どんな魔術かというと、簡単にいえば電撃を起こせる魔術だ

空気中の粒子から電子だけを抜き取りそれを相手に高速で放つのだ

電子を抜き取るという過程のせいで消費魔力は僕でも馬鹿にならないほど食うし、まだ魔術の発動も遅いがそこら辺はこれから要改善だ

この魔術が今までこの世界になかった理由だが、これは簡単に予想がつく

驚いたことにこの世界は地球とは違い雷が降ることがないのだ

そのため電撃という発想がまずないため、電気系の魔術を作ろうとしたことがなかったのではないだろうか?

電撃系の魔術を作ろうとしたら前世の化学的知識がないため僕とは違い粒子から電子を抜き取ろうとはしないだろうがそれでも何らかの形にはなっていただろう

しかし僕が調べた限りではそんなものはなかったためおそらく僕だけのオリジナルだろう

そのためこの魔術はこの世界の住人にとっては初見の攻撃になるだろう

つまりこの魔術は僕の切り札になるということだ

これからしばらくは新しいものの開発ではなく電撃魔術や家系魔術の研究など今まで発見したものや習ったものを磨いていこうと思う

一つ一つのものを切り札ではなく必殺技にするためだ

やはり付け焼き刃的なものだと所詮初見殺しにしかならないだろう

しかし初見で仕留められなくとも相手に通用するようにするのはやはり必須だろう

これらを実用的にしたら真っ先にエマに教えてやろう

あの子もフリーエル家ということであの歳から人一倍努力しているのだ

やはりここは偉大な兄と認識してもらうために早く全てものにしなければ、、、




それから僕は早くも15歳になった

「今年からお前も学園に通う歳だな」

「ケアムももうそんな歳なのね〜、学園に通い出したら辛いことも多いだろうけどしっかり頑張るのよ」

「そのために、この歳まで努力を重ねてきたんだからあまり心配しなくても大丈夫ですよ」

「あなたを一番近くで見ていたんだからそのことはわかってはいるんだけどやっぱり自分の子供となると心配になるものなのよ

だから長期休みのときには顔をだしに来てちょうだいね」

「約束しますよ」

「お兄様がいなくなってしまうと寂しくなってしまいますね」

そういって悲しそうな妹を見て心が締め付けられた

「エマも二年後には学園に通うようになるんだから一瞬だよ」

「それはわかってはいるのですが、、、」

「ケアム、学園がある王都にいく前に一度私と本気で立ち会いなさい

フリーエリ家のものとして外に出しても恥ずかしくないかを確かめてやろう」

「わかりました、では出発する日の朝にしましょう」

「いいだろう」

そうして、王都に出発する日の朝がやってきた




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