第7話これまでの成果

魔力に関してだがいくつか判明したことがある

まず、この世界の生態系に大きく影響を与えているのだ

この世界には魔物と呼ばれている生物がいる

みなさんご存じのオークやゴブリンなどである

何でもこの世界には二足歩行で身長が15メートルもある魔物なんかもいるんだとか

この時点でおかしい

まず、身長が増えていくごとに重さはその3乗倍であり、次に足はその四倍になる

これは生物としてかなり不細工であり形が合理的ではない

ならばなぜそんな生物が存在しているのか

この世界の生物と地球の生物との最大の違いはやはり魔力があるかどうかである

前に言った通りこの世界の生物は例外なく魔力を持っている

ならば、そこに生態系の違いが出たというのが普通の考えであろう

なので僕は魔力を持っていることでどう違いが出たのかを色々仮説を立て試していったのだがやはり答えは一つしかないだろう

人間にも言えることなのだがこの世界の生物は身体能力が地球の生物より格段に高いのである

これは生物が生活していく中で自然に魔力で身体能力を上げる術を学ぶからであろう

僕も覚えがあるがランニングを毎日していく中で前世と比べて瞬く間に足が速くなりそして体力がついた

これは僕も無意識のうちに魔力で身体能力を上げていったのだろう

そのため僕はこの身体能力を上げる術、これからは身体強化と呼称しよう

を無意識ではなく意識して発動できるようにした

そうすることによって身体強化に魔力を割けば割くほど身体能力を上げられるようになった

なったと言ったが、実はまだ訓練中であり完成したら隠し球として父様に披露する予定だ

そしてもう一つ、前に言った通り魔力は一つのエネルギーだと仮説を立てた時より考えていたのだがやはりエネルギーときてそのエネルギーを運動に変えることができているときたらその次に来るのはエネルギーを貯蔵する手段だろう

地球だとエネルギーがあってもそれを運動に変える手段に最初は乏しく水車など土地に依存するものしかなかったのだがみなさんご存じ蒸気機関の開発によってそれは変わった

この蒸気機関の何が革新的な開発であったのかというとそれは熱を運動に変えられることにあった、つまりエネルギーを運動に変える手段である

しかし、この世界ではすでにエネルギーを運動に変える手段には困っていない

なんせ、魔道具なんてものがすでに開発されており魔力を流すとお湯が出たりするものが開発されているのだから

では、なぜこの世界がまだ列車などが開発されず馬車や船に移動手段を依存しているのかというと

ひとえに、魔力を貯蔵する手段がないからだ

それが開発されるとこの世界の国の大半は瞬く間に発展し日本やアメリカすらもすぐに超えてしまうではないかと考えている

では、魔力を貯蔵する手段を確立し技術革新を起こすのかと言われたらそんなことはしない

なぜかと言われるとそれはひとえに戦争を回避するためだ

もしスカイ王国が僕の出した技術によって瞬く間に発展したとしよう

その時世界は二つに割れるだろう

スカイ王国の技術を丸ごと奪い取ろうとするものと、ゴマをすって甘い汁を吸おうとするものに

そうなってしまったら戦争待ったなしである

そう、地球でもあった第一次世界大戦である

そうなったらもしも発展したスカイ王国が勝ったとしても大量の死人が出る上に核兵器のような大量破壊兵器が開発されてしまう可能性がある

そうなる可能性が否定できないのになにも考えずに革新的な技術を提供するのはまずいだろう

だが個人で使う分には問題はないだろう、そう考えた僕は体の中に魔力を貯める手段をまずは確立した

体の中に魔力を貯める手段、これからは魔力庫と呼称しよう

を開発したことによって僕は大量の魔力を扱えるようになった



そして次は、家系魔術についてである





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